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41.机の下

あらすじ

ハルちゃんこっからがんばる。

 私は今とっても悩んでいる。何にって? そりゃあ、涼をいかにして振り向かせるかだ。まあ、私から告白しちゃえば一発なんだろう。きっと。……え、でも、やっぱ男だった私なんかじゃ嫌かな…と、とにかく、私からっていうのはナシ! 恥ずかしいし、女の子として、やっぱり愛されたい………


 ちらりと隣にいる涼を眺める。今は講義中なので、涼は真面目な顔をして前を向いている。ハルちゃんの魅力で、なんて言ったが、はてさてどうしたものだろうか。


 よし、私が男だったときのことを考えてみよう。異性にドキッとすることだったりはなんだっただろうか。うーん、手を繋ぐとか…? う、もうしてるなぁ…じゃあ、服を摘む……いや、したなぁ……えぇ……? あれ? 今思えば、もう結構色んなことしちゃったんじゃないだろうか…


 ボフッと顔が一気に赤くなる。よくよく考えれば恋人繋ぎなんかしちゃったし、事故ではあるけど抱き締められたりもした。こ、これってもうさ…それ以上のことするしかなくない…?という疑念が降って湧いてきた。そんな思考を取り払うように頭をふるふると振る。普通に考えて今からそんなこと出来るわけない。そんなことして万が一嫌われでもしたら、一生立ち直れないと思う。


 ここは、さりげないアクションだったり、普段男が考える妄想を実現させたりすることが先決だ。例えばそう、電車の隣のお姉さんが寝ちゃって、そのまま肩に寄りかかってこないかな。とか、あの子が笑ってくれるのはもしかしたら自分だけじゃないかな、とか、そんな男の悲しい妄想を現実にして差し上げよう。それができるのは元男だった私だけだ…!


 講義中、男が憧れるシチュエーションは何だろうか? この問題教えてー? とかか? でも今更そんなので涼の気が引けるとは思えない。もっと直接的な……あ、周りにバレないように机の下とかでそっと手を握ってきて、「ふふっ」てイタズラっぽく笑うのとか! キュンとくる気がする! ……うむ、それでいこう。


 そうと決まれば早速実行だ。涼を横目で見る。涼は、私のこの苦悩には気付かずただ前をぼんやり眺めていた。眺めてるだけかよ集中しろ。私が言えたことじゃないけど。


 机の下に置いてある涼の手をそっと握る。ふわ、あったか……ち、違う、そう、指絡めて…


 ドギマギしながらも、そっと涼の指の間に自分の指をねじ込み、絡ませる。自分からしていながらもう心臓がバクバクいってる。これ、やっぱ私ちょっと大胆すぎないかな…?


「ハ、ハル…?」


 そんな風に一人で軽いパニックを起こしていると、涼の困惑した声が聞こえた。


―――ここ! このタイミングで、「えへへ」っていたずらっぽく笑うんだ!


 ぐっと堪えて涼を見上げて笑おうとする、が、その時のハルは目に涙を溜めて顔を真っ赤にしてぷるぷると小刻みに震えているばかりで、一つも笑えてはいなかった。ぶっちゃけ、涼からしたらその方が何倍も破壊力があったが、ハルがそれに気付くことはない。


 涼は思わずハルを思いっきり抱き締めそうな気持ちを、僅かに残った理性で捩伏せた。どうしてそんな顔をしているのかとか、なんでこんなに指を絡ませて手を繋いでくるのかとか色々気になったが、今はハルに手を出すまいとひたすらに強く自分を保つことに専念した。


「ど、どうした? ハル」


 ひとまずハルにどうしたのかお伺いを立ててみる。すると、ハルは絡めた指をくねくねと動かしながら、恥ずかしそうに言った。


「いや……繋ぎたかった…だけ」


「そうか……」


 それきり会話は途絶えた。お互いに何を言って良いのかも分からない。でも、振りほどかれないってことは、少なくとも嫌がってはいないんだとハルはホッとため息を吐いた。すると、繋いだ涼の手が、繋がれたハルの手を撫でるように動き始めた。突然の事に「ひゃうっ」と小さく悲鳴を漏らしてしまった。


「ん、ごめんな。嫌、だったか?」


 心配そうに涼が尋ねてくる。ただびっくりしただけだ、涼に触られて嫌なわけがない。むしろ……


「ううん…ちょっとビックリしただけだよ。…むしろ、もっと、触ってほしい…」


 多分、今の私は熱に浮かされて大胆になっているんだと思う。普段なら絶対言えないようなことを涼に囁いていた。


 一方涼は、着実に削れていく理性と闘いつつ、お言葉に甘えてハルの手を触りながら自分の劣情を抑えていた。


 お互いに顔も見ずに、ただ顔を赤らめて机の下ではグニグニと手で睦み合っている。正直、このシチュエーションは私もドキドキしてくる…それに加えて涼がドキドキしてるのも、繋いだ手から伝わってくる。それは私を意識してくれてるって事で、すごく嬉しかった。


 こんな風に涼の体温や鼓動を感じていると、お腹の奥がきゅーんと切なくなってくる。多分、もう涼を男として見てる証拠なんだと思う。それは、もう言い逃れできないほどに、私は今の涼が好きってこと。

書いてて私までドキドキしてきました。ハルと涼が周りに気付かれないように指絡めて手繋いでるとこ想像したらドキドキしますよね……

少し短めになってしまいましたが、これからは2000字と少し程度に収めようかなと思っています。ちょうどいい文字数ってどのくらいなんですかね? このくらいがいいなと言った要望があれば是非教えてください!


悪魔TSの方もよろしくお願いします! あと、勢いで書き上げた短編も投稿したので、そちらも是非ご覧ください!


感想などなどよろしくお願いします! 一言でもいいので! それだけでとっても嬉しいです!✧◝(*´꒳`*)◜✧˖

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