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22.そういうこと

あらすじ

告白された。

ーー『好きです!俺と付き合ってください!』


「あーあ…」


 ハルは、自室のベッドに寝転がりながら、今日の告白を思い出していた。


「好きです。なんて……わかんないなぁ…。」


 私は確かに、今は女なのかもしれない。でも、たった一ヶ月前までは男だった人間なんだ。それが姿形が変わったから好き? …やっぱり、私には理解できない感情だ。


「考えるのつかれたー。」


 ベッドの上をゴロゴロ転がりながら足をバタバタさせるハル。考えることは苦手だ。頭が痛くなってくる。


ーーこんなとき、涼にいてほしいのに…。


 はぁ…、と静かにため息をこぼす。今日の涼の顔。思い出すだけでムシャクシャする。


ーー私が何したって言うんだ!


 うん、なんか思い出すだけでイライラしてきたぞ。そっちがその気なら、こっちから願い下げだ!もう知らない!涼なんて…。


 そんな事を思って不貞寝してやった。胸がチクチクする気がしたけど、そんなの知らない。知らないったら知らない!!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 それから一週間経った。涼とハルは相変わらず口もきかず、毎回互いに少し離れた席で座っていた。


 その様子を、優也は頬杖をついて眺める。そして、浮かない顔をしながら、ノートに講義内容を書き込んでいるハルの頬をちょいちょいと突いてやった。


「な、なんだよ…っ、おぉい…っ。」


「いや、なんだかバカみたいな顔してるからさ。」


「バ、バカってお前! 優也には言われたくないね!」


「…はいはい。で、何お前ら、喧嘩でもしたの?」


 喧嘩…。喧嘩とは、違うのか…? うう、元はと言えば涼が私を避けるようなことするから…っ。


「け、喧嘩じゃないもん。涼が…私にあんな態度とるから…。」


 う、なんだか他人に言われると少し恥ずかしくなってきた…。え、なに、私は、自分が構ってもらえないからこんな態度取ってるってこと…!? なにそれ小学生みたいじゃん…。


「へぇ、まあなんでもいいけどさ。避けられる理由とか、心当たりないの?」


 避けられる理由…別に何かしら喧嘩とかしたわけじゃない。特に思い当たる節はない。いつも通り仲良く過ごしていたと思う。


「わ、わかんない。もしかして私、なんかしちゃったのかな…?」


 心配そうに優也を見つめるハル。優也は特に表情も変えず、ため息をついた。

 すると、優也はハルの頭に手を置いて、優しく撫で始めた。


「え…優也、なにして…」


「ハルはさ、仮に今涼に彼女がいたとして、今までみたいに仲良くできるか? 手を繋いだりとかさ。」


 なにしてんの…と呆れながら言おうとした言葉を遮って、優也は質問を投げかけてきた。

 そのときの優也の顔は、いつものようなおどけたニヤケ顔じゃなかった。ただ真っ直ぐに、ハルを見つめていた。


「な、なんだそれ…なんだよ急に…。」


「いいから、どうなんだ?」


 相変わらず優しい手付きでハルの頭を撫でながら問いかけてくる優也。少し心地よくて、目を細めながら、質問の内容を考える。


 今涼に彼女がいたら…? うーん、手は繋げないだろうな。いくら元男だったとしても、今は女だ。その彼女に嫌な気持ちをさせるだけでなく、涼にも迷惑をかけてしまう。

 親友としてずっと一緒にいるのも難しいだろうな…。私だって、愛と付き合っていたときは、愛が他の男と楽しそうに話しているのは見ていて気持ちのいいものじゃなかった。…今は何も感じないけど。

 まぁ、結果的に話すことは少なくなるかな…?


「うーん、そうだなぁ。涼に迷惑かけたくないし、あんまり関わらないようにするかも。」


「うん、そういうことだ。」


 そう言って、優也は立ち上がった。気付けば、もう既に講義は終わっていたらしい。というか、そういうことってどういうことなんだ。まだよくわかんないぞ!

 そんなハルの心情を察しているのかいないのか、優也は背伸びをしながら、ハルに言った。


「さて、帰るぞ。今日は俺がハルを送ってやる。」


 …へ?なんでそうなるんだ?


「え、いやいや…それは悪いし、優也は電車でしょ…?」


「ふむ…そういえば、ハルの近くのコンビニ、新しいスイーツが出たんだったな。今なら一つ誰かに買ってやってもいい気分だなー。」


 欠伸をしながら講義室を出て行く優也。


「え、ええ! ちょっと待って! 食べたい食べたい!置いてかないで!」


 そう言って慌てて優也について行くハル。


 その日は、本当に優也が家まで送ってくれた。でもスイーツは買ってくれなかった。嘘つきだ。

 めちゃくちゃ頬を膨らませて怒ってるアピールをすると、「買うわけないだろ。ハルを釣っただけだ。」といつものニヤケ顔が返ってきた。


ーーく、くっそーー! やっぱムカつく! どいつもこいつもムカつくーー!!


 そんな心の叫びは、ニヤニヤと笑う優也にひらりひらりと躱された。

ここからは優也くんのターン!

残念イケメンと真正イケメンっていうのは結構紙一重だと思うんです。誰にでも弱点っていうのはありますからね。


それと、感想もいただき、本当にありがとうございます!

私の作った作品で感じていただけたことを伝えてもらえるのは、すごくドキドキして嬉しいです٩(๑˃̵ᴗ˂̵๑)۶ °

思ったこと感じたこと、なんでも教えてほしいなと思います٩(ˊᗜˋ*)و


別でも書きましたが、R18版のほうのURLを説明欄のほうに記載しておきました!

ただ、私個人としてはストーリーを大事にしたいので、まだその路線には走りません!ただ、二人がくっついたときには、甘ったるいものを書いて満足します。主に私が。

お付き合いいただけると幸いです✧◝(*´꒳`*)◜✧˖

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