前編
私が読んで楽しいものなので、優しい目で見てください。
青い。
ただ青い。深い海のように濃く、快晴の空のように清々しい青。
景色じゃない、音だ。
知らない音。なんの音だろう。
音がする方に歩いていく
壁、
そこで立ち止まって聞き続けると、時が止まったように感じる。自分の呼吸音までもうるさくなって息を止めた。
音がとまる。
近くにあるドアに手をかけて思い切り引いた。勢い良く開いて大きな音がしたてしまった。
「わぁ、びっくりした!真優じゃん、どうしたの?」
華がいる。ここは吹部が使っている部屋らしい。他にも数人、楽器を持った人がいた。
「ねえ華。今の音、なんの音?」
「クラリネットだよ。これ」
そう言って、華は持っていた楽器を見せてくれる。黒い艶のあるまっすぐな形の楽器だった。綺麗…
吹いてならす楽器のようだ。なら、誰が吹いたんだろう。華かな?
「今のは、華が吹いたの?」
「うん、そうだよ。それがどうしたの?」
ああ、やっぱりそうらしい。もう一度聞けないだろうか、
「もう一回吹いてくれない?」
「部長!続きやらないの?」
「あー、やろうか。ごめん真優、今は無理だね」
曲の途中だったのか。それでも無理だと聞いて、悲しくなった。耳の奥に残った音を思い出す。
青の音が聞きたい。