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8.

 ♢ ♢ ♢


 気がつけば、自宅のベットに制服のまま仰向けになっていた。


 ああ…今日は一段と疲れたな…。日曜日を挟んだらまた月曜日から学校…さらに嫌気がさしてしまった。


 こういう時は寝て気持ちをリセットするに限るか…。寝不足の影響もあり、瞼は重々しく閉じられた。


 目が覚めたのは午後六時頃。


 昼寝というにはあまりにも長すぎる時間を費やしていた。俺の頭はコンクリートが詰まっているのではないかと思うほどに固く、正直気分が悪い。


「ちょっと、たっちゃん。これ何?」


 突然の女声に俺は肩を引き攣らせたが、振り返れば母親の姿があった。


 なんだ母さんか…。恥ずかしながら俺は自宅でのみ母親にあだ名呼びされている。世間でいう親馬鹿というやつかもしれん。まあ、自宅だけと区切りをつけているみたいだから、そこは良識あると言えるが。


「え…いきなり何…?えっと、合格通知…へ?合格?」


「貴方がこんな偏差値が高い難関校に隠れて受験していたなんて、お母さん嬉しくって…」


 母親は今にも泣きそうな顔をしてパソコンのメール通知を俺に見せてきた。


 いやいやいや!そんな難関校受けた覚えは微塵もないんだけど!ていうか、母さんこんな顔するんだ…。


 真偽はいかにとパソコンのタッチパッドを使って下へとスクロールしていく。


「多分これは悪質な迷惑メ…」


 いや、これは差出人が綾崎智紗…しかもこの難関校やらとあの底辺校の公式メールを経由してきている…という事は嘘ではない?


「やったね!たっちゃん…!やったね!」


 母親が合格の興奮を抑えきれないのか、勢いよく抱き着いてくる。


「うおっ、いやこれはっ…」


 現状を伝えようともがこうとしたが、やめた。


 この期に及んで母親に悲しい顔をさせるわけにもいかない。事の真相を確かめる為に、母親を宥めた後、部屋の受話器を使って話そうと決めた。

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