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88.

 埃まみれの教室内は物置きとなっていた。


 大量のダンボール箱に参考書、中にはまだ使えそうな防災グッズまである。最早、箱だけ並べて戦記できそうなレベル。


「……予想はしていたが酷いありさまだなこりゃ」


「全くだ。入部早々、大掃除をさせられるとは思ってなかったよ」


 壱琉は溜息をつきながらも作業を続けた。こういう所を見ても根はいい奴なのだと分かる。


「……」


 一方の錦織は珍しく文句一つ言わずに、黙々と掃除をしていた。長い黒髪は結えられ、頭にはバンダナを付けている。その姿は歴然としていて動作の一つ一つに迷いがない。えっ……もしかしてもしかすると、伝説の家政婦サユリさん!?


 馬鹿な妄想をしながらボーッとしていると、端正な横顔が振り向く。表情を見るに多少の苛立ちが垣間見えた。


「地蔵をする暇があったら手伝って下さい。このペースだと日が暮れてしまいます」


「はいはい……じゃなくて、了解だ」


 適当な相槌を何とか誤魔化す。だが時既に遅し。錦織の表情はキッと鋭利なものとなっていた。


 機嫌を良くするためにそそくさと彼女の元へと向かう。そこにも大量のダンボール箱が山積していた。


「確かにこれは人手がいるな。しっかし、どんだけあんだよこれ。金銀財宝掘り当てないと収集つかないんですけどコレ」


 ぶつくさ文句を言いながら箱を廊下へと出す。すると、財宝とまではいかないものの、何か家具のような物が出てきた。

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