表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

会いたかった仲間

 風でしょうか。何やら音が聞こえます。

「……にゃーたろう」

 違います。誰かの声です。

「こっちだよ、振り返ってみて」

 にゃーたろうは後ろを見ます。すると何て事でしょう、自分と同じような顔をした生き物がそこに居ました。本で読んだ顔そのままです。

「ずっと探してくれるのを待ってたんだよ」

 そのネコは笑顔でそう言いました。にゃーたろうも笑顔になりました。

「ずっとってどういう事?」

 にゃーたろうは尋ねます。

「ずっとはずっとさ」

 そのネコは言います。

「それだけじゃ分からないよ」

 にゃーたろうは困ります。

「分からなくて良いのさ」

 そのネコは笑います。

「どうして分からなくて良いの?」

 にゃーたろうは問いかけます。

「だってそれはね……」

 そのネコの言う事が聞き取れません。

「今なんて……」

 にゃーたろうが全てを言い切る前に思わず口にしてしまいました。

「寒い!」

 その瞬間ネコは消え、目の前には暗くなりかけた紫色の空が現れました。

 にゃーたろうはしばらくお空を眺めていましたが、やがて自分で気が付きます。

「何だ、夢だったのか」

 まだ見ぬ仲間を想う気持ちが見せた夢でした。にゃーたろうは寂しさを思い出してしまいました。

 やがて寒さも思い出します。

「うう〜寒いや。もう暗くなりかけている事だし今日はもうここでテントを立てよう」

 にゃーたろうは大きなリュックサックからテントを取り出します。このテントはとても便利なテントなのです。折り曲げている所を元に戻してやるとポンッと音を立ててテントになってしまうのです。ポンッ。ほら、もうテントは出来上がりました。

 にゃーたろうはお尻に付いた土を払ってテントの中へと入ります。

 少し早い気はしましたが、もう晩ご飯を食べる事にしました。リュックサックをテントの中へ入れ、同時に大きなきゅうりを取り出しました。爪で器用にイボを取っていきます。

 にゃーたろうはそれをガブリとかじりました。何も付けていないのにしょっぱい味がしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ