再び転生された
ネッ友さんと相談して大晦日になんかやるいう企画です。 「小説家になった勇者」 シリーズ
俺、草部 優今は何処にでもいる普通の高校二年生。と言っても前世では勇者って言われてたんだけどね。俺の役職は一般的な意味では魔術師だった。あの世界は良かったな、自由に冒険出来たし何より困ってる人を助けた時のあの笑顔を見ることが好きだった。
「またあの世界に行きたいな」
心の声が、思わず口から出てしまい慌てて口を手で押さえる。
「あの世界て何だよ、まさかお前中二病かよ」
目の前でそう言う彼は、クラスメイトの相沢 拓斗
彼とは今年同じクラスになった友人だ。彼と仲良くなった理由は以前課題として出されたレポートを手伝ったことがきっかけだ。
「うっせぇよ、ちょっと考え事してただけだ……てかお前、購買に行くんだろ」
そう指摘すると、拓斗は大げさに椅子から立ち上がる。
「あ、忘れてたすまん俺、購買に行ってくるわ!」
拓斗が教室を出てゆく。俺はトイレにでも行くか、と椅子を立ち、教室を後にした。
廊下を歩いていると窓の外から太陽の光りが差しこんできて俺は眩しさで目を閉じた。
そして目を開ける。ん?……目を開けて真っ先に飛び込んできた光景はだだっ広い青々とした原っぱだった
「さっきまで学校の廊下……だったよな……でも、ここって……」
俺は少し考える。そして目の前に映る光景はかつて俺が勇者として生活していた光景だと気づく。俺は思わずはしゃいで喜んでしまった。しかし疑問に思う。なぜまたこの世界に転生したのか、どうやってこの世界に来たのか、と。だが、喜びと期待で心を支配されてる俺は、まずはスキルの試し打ちでもしてみるか。とスキルを使おうとする。
ちょうどいい事に、此処は野生のモンスターが生息し、あまり人がいない広々とした原っぱだ。
「ガルル…!」
後ろから狼のような見た目をしたモンスターが現れた。
「丁度良い、スキルを試させて貰うよ。スキルフレイムバースト!!」
すると、そのモンスターの周りは一瞬で激しい炎に囲まれる。
そしてモンスターを包み込むと、一瞬の静寂の後、モンスターは弾けて消滅した。
「久しぶりに使ったが、さすがに疲れた……スキルが使えるってことはあの世界かー」
俺はその場から再び歩き出したのであった。