一人称はとても難しい
一人称と三人称。
小説を書く際、特に新作を投下する場合は悩むことがあるものではなかろうか。
BBAが最近色々と読み漁った作品は、どちらかと言うと一人称のものが多かった。どちらが好きかと問われれば『伝わり易ければどちらでも好き』と答える。
大事なのはこれだ。
一人称、三人称。どちらを選んでも、読者に伝わり易いかが重要な部分だろう。
色々な方の作品を読ませて頂いて、時折思う。
一人称の作品は、書き手の力量が特に問われるものなのではないかと。
心情、情景、行動などを巧妙に混ぜている作品は読んでいてすんなりと理解が出来る。
「こういう感じかな」と、実際にそういった光景も頭に浮かんでくることがある。読んでいてとても楽しい、ジャンル問わず好きだと思う。
一方で、情景や行動が一切ない心情のみのものは読んでいて疑問符が浮かぶことが多い。
一話の中で、大半が心情で埋め尽くされている場合もある。
目の前に現れた女の子がとても可愛い! めっちゃ可愛い! マジで可愛い女の子!
そう言われても困る。
その子が可愛いのは分かったから、どう可愛いのかを読者にも教えてはくれまいか。
例を挙げるのなら、こうだ。
「可愛い」という情報は得られても、どのように可愛いのかが伝わってこない。「目がパッチリしていて~」、「色が白くて~」、など可愛いと思う要素を入れてもらえると嬉しい。
風景などの描写についても同様のことが言える。
心情描写をたくさん入れることは悪いとは思わない。一人称である以上は、どうしてもそのキャラ視点で話が進んで行くことになるからだ。
しかし、多少は風景や行動などの描写がないと、主人公たちがどこで何をしているのか分からなくなってしまう。
そのため、心情描写だけに留まらず、ほどほどの情景や行動描写があるとBBAは嬉しい。その方が世界観や作品の雰囲気を理解出来るためである。
ただ、誤解しないでほしい。
一人称はとても難しい、非常に難しい。
三人称であれば登場人物ではない第三者の視点から表現することが出来る。
だが、一人称はそうはいかない。あくまでも主人公の視点で表現しなければならない。もし主人公が語彙が乏しいタイプなのだとしたら、更にハードルが上がってしまうだろう。
あまり事細かに説明を入れても「この情報いる?」とテンポが悪くなり、省き過ぎれば上手く伝わらない。情景だけに凝っても「先の展開マダァー?」となってしまう。
一人称はとても難しいのだ。少なくともBBAはほとんど書けない。
上達させるためには、上手いと思う人の作品を読んで勉強する、ひたすら書いてみるなどだろう。
親切な読者さんが「こうした方がいいかもよ!」と、教えてくれることもあるかもしれない。
自分は上手く書けないと落ち込むことはない。誰だって最初から因数分解は出来ない、勉強して解けるようになるのだ。
BBAは上手くなど書けない、因数分解も出来ない。
だから楽しむため以外に、色々な作品を読んで勉強させて頂いているのである。