南西の森集団戦:前編
「よっしゃ最大回復だ!」
「がぁ!」
15分ほど経った後再度現在のDPを確認してみると最大まで回復していた。ヘンテコ・ヘッドの枕が心地よすぎて寝ちまう所だったぜ!たぶんゲーム内でも睡眠をする事ができる。してしまうとどれ位時間が経過してしまうのかが怖い所だけどな!まぁ現実世界の時間と10倍差異があるから寝ちまってもある程度の誤差でなんとかなるだろう。
一応このゲーム、一定レベル以下の感覚は全て感じられるようになっている。ネットの情報掲示板でチラっと見かけただけだが自身の腕が切断されると気持ちの悪い痛みがする程度らしい。部位欠損ってやつだな、気持ちの悪い痛みってどういう痛みなのかは実際に経験しねえとわかんねえな・・・わざと受ける気はないがな!モンスターに感覚を狂わせるスキルを追加してみるのもアリかもしれねえ、考えておこう。
「そして召還しているモンスターのHPは自然回復しない・・・な」
「がぁ?」
さっき俺が全力で蹴り飛ばして1ダメージを与えたヘンテコ・ヘッドのHPが、20分程度経っても回復していなかった。もうちょっと待ってみてもいいがこの感じからして恐らく待っててもHPは回復しないんだろう。俺が回復系のスキルを覚えるか、アイテムを使用して回復するか、ヘンテコ・ヘッド自身に回復スキルを生み出す必要があるんだろう。中々選択肢はあるな・・・考えておくか。
「兎にも角にもSPを稼ぐしかねえな、来いヘンテコ・ヘッド!」
「がぁぁ!!」x3
「がぁ~♪」
最大DPが許す限り、俺は限界までヘンテコ・ヘッドを召還した。再度ステータスを確認してみるか。
<キャラクター情報>
名前:ハジメ
クラス:創造者
職業:なし
HP:10/10
SC:5
SP:6
MAXDP:0/120
DP:0
生成DP:5
登録モンスター
@変テコな生物
・[ヘンテコ]
・[ヘンテコ・ヘッド]x4
<所持スキル>
・<変テコな生物創造*1>
・<生成DP上昇*4>
・<最大DP上昇*2>
「あ、やべえ重要な事実に気が付いた。これ限界まで最大DP分モンスター出してると強化できなくね?」
「がー・・・」
気づいてしまった。そう、モンスターを強化するには基本的にDPを使用していくことになるが現状の最大戦力を常に出してしまうと、いくら生成DPがあってもDPを取得することができなくていつまで経っても強化する事ができねえ。逆に出している状態で強化する事ができれば今生存しているヘンテコ・ヘッドにも強化が適用される事になるみたいだが、出している事で一度の強化に使えるDPが減っちまうな。一回生存モンスター全てを消して最大DPまで貯めて強力な強化を適用するか、今生存しているモンスターに対して強化を施して即時利用するか選ぶ事になるか・・・・・・いや、戦闘中に強化するのもありだな。現に俺が一番最初に死んだ時、シザースは途中で強化されたみたいだしな。戦略上使えそうか・・・これも覚えておこう。
「まぁいいや!細かい事は考えず出して倒して稼ぐの繰り返しだ!とりあえず次の獲物を探そう。マップオープン!」
「がぁ!」
そうだ!と言わんばかりに反応するヘンテコ・ヘッド。和むぜ。
そして、驚愕の光景が俺のマップ画面に表示された。
「なんだこの黄色い点の数・・・!?」
俺のマップには西から東に向けて緩やかに迫ってくるかなりの数の黄色い点が見えた。ぱっと見て数は50近いんじゃないか?そしてもう少ししっかり見ると西から東にかけていくつかの集団に分かれているように見えた。一番西から順番に、6・3・28・4の4グループに分かれているように見える。その全ての集団が互いが互いにぶつかり合いながら、時にはぶつかった片方の黄色い点が消滅しながら東に向けてゆっくりと進行しているため、採取しているらしき冒険者の黄色い点ももうすぐ飲み込もうとしてる感じだ。これは集団規模の戦闘の匂いがするぜ!!
「しかもこれ・・・ダンジョンコアか!?」
そして俺のマップには、一番数が多い28個の黄色い点の集団の中心に白く大きい矩形のマークが表示されていた。ダンジョンコアを手に持って移動してるのか?ダンジョンコアを破壊するとどうなるんだろうな・・・アイテムの時の説明だと触れるだけで破壊できそうだったが報酬が気になる。・・・試したほうが早いな、破壊されたらどうなるのか俺自身にも関係あるし実験台になってもらおうか!!
「うおぉぉぉ獲物が一杯だぁーっ!いくぜぇヘンテコ達よ!!『一番東の場所へ移動しろ』!」
「がぁぁ~!!」x4
元気よくヘンテコ・ヘッド達は東の場所を目指す。横から襲う事も考えたがちょっと状況がどうなってるかもカメラで見たかったのもあって東から接触する事にした。大体5分ぐらいで到着するだろう。
「さすがに全て倒すのは無理そうだがある程度は稼ぎてえな・・・」
そんな心配をしながら、次の戦闘は幕を明けようとしていた。
「そろそろか・・・よし!街道に出たぞ!どうなって・・・ってまたあいつらかよぉ!!」
ヘンテコ・ヘッド達のカメラを開き街道に勢いよく飛び込んで西の方を確認してみると、先程毒放置プレイをかましてくれたあいつ等含め何人かの冒険者らしき人間が見えた。とりあえず見える奴等全部の情報を表示した。
低めの身長に長い黒髪。美人とかわいい中間くらいの顔立ちで目がおっとりしている大人しめの印象。布服に右手には木製のメイスが握られていて、よく見るとメイスの表面は少し緑色の付着物が塗られている。女プレイヤーの冒険者のエリーだ。
エリーと同程度の身長で、金髪のミディアム。可愛い顔立ちで丸目、好奇心旺盛な印象を持っているように見える。こっちも布服で手には緑色の液体が入ったフラスコを手に持っている女プレイヤー、製作者のメル。
俺の中ではもうこいつらはワンセットである。メル&エリーって呼んでるわ、呼びやすいしな!ちなみに二人ともどう見ても貧乳だな、未来に希望は無さそうだ。
「(いやいやそんな事はどうでも良い!奥に色々見えてるがとりあえず情報見てみるか?)」
そんな事を考えると、色んな音声が情報の塊になって聞こえてくる。
「あ”あ”あ”あ”あ”!!数が多いわねほんっとうに!!あのコア破壊したいのに邪魔すぎるわ!!ちょっとメル!爆弾とか無いの!?」
「えーそんなの無いよ~。私が作ったのまだコレとこの尻尾アクセサリだけだしぃ~」
そう叫ぶエリーとマイペースに喋るメル。さらにそんな会話の横から
「いやぁてかやべえっすねこの数・・・スクショ撮ろ」
「いやいやいや!死んじゃうんだけど!?あたし折角コツコツSPや資材貯めたのにぃ!!」
こっちは初見だな。両手には銅製のダガーを持ち、服装は全身白い革装備。さらに胸には小さいナイフが複数本納まったベルトが装着されている。ぼさぼさ髪の短髪でやる気のないような顔立ちだ。男性冒険者で名前は・・・ダラットって表示されてるな。
そして半泣きで喋るもう一方は短めの黒髪ポニーテールに背中と右手、それぞれ形の違う斧を持っている。服装は上は緑の布服、下は白を基調とした作業ズボン。切れ長の目で見た目は木こりです!!って感じだな・・・女性冒険者のフェイ=フォレスト。
そして計4人のプレイヤーの奥に、なんと大量のヘビがエリー達と、そしてさらに奥の熊っぽいモンスターと闘いを繰り広げていた。そのヘビモンスターの中心で穏やかに足ち、<ダンジョン・コア>を抱きしめる1人の女性冒険者がゆったりと言い放つ。
「困るわぁ~。こんなに求められるとゾクゾクしちゃうぅ!」
「うっせえ!俺のコア破壊してくれやがって絶対逃がさねえぞババ「お姉さんよぉクソガキ」・・・・・・お姉さん・・・。」
ヘビの集団のさらに奥。熊っぽいモンスターの中心で男が暴言を吐こうとした瞬間、恐ろしく冷たい声が嫌にハッキリと聞こえた。アレは怒らせたらダメな系だな・・・そして男の方は震えながら言葉を訂正した。あいつは尻に敷かれるタイプだろう。
深緑色の超ロングヘアー、大きい目に赤い口紅。服装は黒を基調とした布服・・・そして二つの丘が見える。そう、圧倒的な大きさの丘が!!でか過ぎるって事は無いが俺はあのぐらいの方が好みだなぁ。全体的に大人のお姉さんを思わせるヘビモンスターの主、創造者のメデューシア。
そして尻に敷かれそうな男、熊っぽいモンスターを使役している創造者のゴローであった。
え?ゴローの紹介が適当だって?いやあいつの存在的にこういう扱い方が正しいような気がしてな!そんなことより熊の奥に居るモンスターには見覚えがあった。
「キィシャァァァァァァ!!」
「くっそしっつこいなお前らも!」
ゴローが使役している1体の熊モンスターが、奥に居るモンスターと応戦しているみたいだ。その数6体。
「(シザースか!!確かに西側はあいつのダンジョンコアが近いっぽいが・・・もう6体も出せるのか。しかも前回とは細かい所が色々違うっぽいし強化されてるような予感しかしねえ)」
これが今のこの集団の全容である。俺が思った事はたった一つだ。
「(状況が混沌としすぎだろ!?めんどくせぇぇぇ!!)」
俺はそうカメラの前で叫んだのであった。
<キャラクター情報>
名前:エリー
クラス:冒険者
職業:なし
位階:1
<所有スキル>
・<鑑定*2>
・<棍棒伸縮*3>
・<武器防御*5>
・<HP増加*3>
・<状態異常耐性*1>
・<暗視*1>
<キャラクター情報>
名前:メル
クラス:製作者
職業:なし
位階:1
<所有スキル>
・<鑑定*2>
・<薬製造*2>
・<武器製造*1>
・<アクセサリ製造*1>
<キャラクター情報>
名前:ダラット
クラス:冒険者
職業:なし
位階:1
<所有スキル>
・<短剣熟練*3>
・<ナイフ投げ*2>
・<ピック製作*2>
・<鍵解除*1>
・<ステップ*3>
<キャラクター情報>
名前:フェイ=フォレスト
クラス:冒険者
職業:伐採者
位階:1
<所有スキル>
・<伐採*7>
・<斧耐久消費削減*3>
・<インベントリ拡張*2>
・<最大重量拡張*1>
<キャラクター情報>
名前:メデューシア
クラス:創造者
職業:なし
<所有スキル>
・<所有スキル隠蔽*4>
・<蛇産卵*1>
・<最大DP拡大*6>
・<生成DP拡大*12>
・???
・???
・???
・???
<キャラクター情報>
名前:ゴロー
クラス:創造者
職業:なし
<所有スキル>
・<ラビットマン創造*2>
・<ラビットマンコスト削減*6>
・<最大DP増量*11>
・<生成DP増量*8>
・<ダンジョンエリア拡大*1>
<モンスター情報>
名前:ヒールスネーク
製作者:メデューシア
位階:1
<所有強化>
・<麻痺毒所有*2>
・<麻痺毒袋所有*1>
・<弱酸袋所有*1>
・<自身弱体化*1>
<所有スキル>
・<噛み付き*1>
・<自爆散布*3>
<モンスター情報>
名前:パンチラビット
製作者:ゴロー
位階:1
<所有強化>
・<腕肥大化*6>
・<体重増加*3>
・<発声器官強化*2>
・<太くて少し長い爪*2>
<所有スキル>
・<シャウト*3>
・<ストレートパンチ*2>
<モンスター情報>
名前:ブレイドシザース
製作者:ギース
位階:1
<所有強化>
・<腕伸縮*1>
・<刃長さ上昇*1>
・<腕直線化*1>
<所有スキル>
・<腕振り*1>
わーい一杯出てきたよぉぉ。
表記漏れがあれば教えていただけるとありがたいです。




