セナvsマンセル~意地と意地~
セナとマンセルのレースです。初投稿ですが、よろしくお願いします。
もう、何周走っただろう。相変わらず周囲には獣の叫びのようなF1のエキゾーストが反響している。その中で二人、後に強烈な印象を残す二人が鎬を削っていた。ナイジェルマンセルと、アイルトンセナだ。1992年のモナコモンテカルロ、このサーキットで熾烈な争いが繰り広げられた。今までマンセルは5連勝、だがモナコでの勝利ななし。それに対しセナはモナコマイスター。だが三位。そして、舞台は72周目セナにたいして28秒の差を着けていたマンセルのマシンに異変が。どうやら左リアタイヤのパンクらしい。マンセルは、セナとのタイム差、そして自身の圧倒的な自信からピットに入った。だがそう上手くもいかなかった。セナが5秒ほどの差を着けて逆転してきたのだ。だがマンセルもここで諦めない。マンセルの怒りのスイッチが入った。そう、マンセルは「怒れば怒るほど速い」のだ。フレッシュタイヤに履き替えたマンセルに対して、セナのタイヤは限界寸前。すぐにマンセルが追い付いた。だが、ただでさえ道がせまいモナコ、抜きにくい。それでもマンセルは右に左に抜くチャンスをさぐる。セナも黙ってはいない。なんと、テールスライドをしながら、マンセルを抑えこんだ。マンセルのモナコでの初勝利か、それとも、勝利の女神はセナに微笑むのか、いや、そんなものはどうでもいい。ここからは二人の意地と意地を懸けた、戦いなのだ。だが、どんなにしてもぬけない。そう、『ここはモナコモンテカルロ絶対に抜けない』のだ。そしてマンセルの勝利の灯火は、微かな微かな灯火は振られたチェッカーフラッグによって、掻き消されてしまった。そう、セナの意地がマンセルの意地に勝ち、マシンをつき動かしたのだ。
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