迫り来る危機
まだ続くのこれ?
時刻は放課後、2人の少年、太一と省吾は掃除当番であった。
皆が思い思いに下校するなか、2人は教室へぽつんと取り残されていた。
掃除用具を取り出すために太一がロッカーへと手を伸ばすと省吾が声を荒らげ飛びかかる。
「やめろぉぉぉぉぉ!」
省吾に飛びかかられ、太一は突き飛ばされ身体は宙を舞った。
「どうしたというんだい!? 省吾!」
困惑した太一が省吾へ問い詰める。
省吾の顔を見ると大量の発汗に、怯えた雰囲気。ただならぬ自体を太一は察していた。
「罠だ……!」
省吾は震えながらロッカーを指差し言葉を続ける。
「あれには罠が仕掛けられている!」
「罠だって!? 誰がそんな姑息で汚い真似をっ!?」
「わからん、だが俺は感じるんだ、この世界を裏で操る何か大きな存在を!」
「なん……だと、それから僕を省吾は守ってくれたというのか!?」
太一も薄々とは気づいていた、この世界の裏で暗躍する影で操る何か大きな得体の知れない存在を。
「あれを今お前が開けていたら、大変なことが起きていたっ!」
身を挺してまで自分の事を守ってくれた省吾の言葉に太一は涙する。
「すまない、僕が軽率だったよ。省吾、ありがとう!」
「ああ、俺はお前を守る。例え世界中を敵に回すことになったとしても、守り続けてやる!」
省吾は秘めた決意を口にした。
「そんな得体の知れない奴らの思惑通りに俺等はならないっ! 無様に思われてもいい、抗って抗って……いつかはこの世界を変えてみせるっ!」
「省吾っ!」
2人はお互いの友情を確かめ合うかのように抱き合い、涙を流す。
「そうだ、僕たちは何者にも縛られないっ! 未来は僕たちの手で掴むんだっ!」
「よく言った! 太一!」
2人は手を合わせ不敵に笑い合う。
「行こう! 省吾、この世界を牛耳るやつらをぶっ潰しに!」
「ああ! 太一、お前が友で良かったと今日ほど感じた日はないぜっ!」
2人は家に帰った。