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怒り
でも、どうする?アレンは死ぬなと言う。でも、相手は拳銃。俺は、なにも持ってない。逃げようとしても一発でノックアウトだ。
……アレンは見張り役で…剣を持ってる?見張りの当番になったら、剣を所持するのが義務だ。さっきまでの勢いとは裏腹にアレンはぐったりしている。
「ア、アレン!大丈夫か!」
……返事がない。え?え?え?
「アレン!アレン!アレン!」
揺さぶっても返事はない。そうだ、脈…俺は、アレンの首を触った。
「…ア…レン?」
脈はなかった。体は冷たく生気を感じなかった。そんな、アレンが…アレンが…死んだ…?
「あ~あ、死んじゃったの?そりゃ、残念」
残念だと?
「誰のせいで、死んだと思ってる?お前だぞヴァファイア。お前がその眼を渡さないから。だからこいつが撃たれたのだぞ」
男は、冷静な口調だった。
俺が、俺が、悪いのか。俺が………
「ふざ、けんな…」
怒りがふつふつと溜まり、男への憎しみばかりが増える。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
グッシュ
俺は、アレンの剣引き抜き大きく振っていた。