お前がいる。ただそれだけでいい
…………生まれ変わり………
信じていいものか。急に現れた見知らぬ子どもに言われただけのこと。おとぎ話……として捉えるか、それとも、本当の話と捉えるか。俺の眼が赤いのは事実で、狙われているのもまた事実。どうしたものか。空にはただ星が輝いていた。
「寒い…な」
さすがにずっと外にいるのはキツイ。そろそろ中に…。
ダッダー
ん?誰かが走ってくる。誰だ?
「逃げろっっっっ!!」
え?
「あ、アレンじゃないか」
そういえば、今日はアレンの一族は見張りだったな。俺の村は、週ごとに交代で見張りをやる。一応防衛のためだ。
「どーしたんだ、アレン。そんなに息を切らして…」
アレンはハァハァ言っている。凄いスピードで走ってきたようだ。
「奴らが、奴らが来る。お前を狙いに。早く、早く逃げろっ。早く……」
奴らが………来る?
早すぎないか?年一杯は来ないからここにいていいと言われたのに、もう来たのか。アレンは嘘をつかない。今までずっと一緒に遊んだりしたけど、一回も言ったことがない。本当に来たのか。
「まだ、距離はある。早く準備して………」
ーズギュン
………銃声の音がした。そして、目の前にいるアレンがt倒れた。
「…ア、アレン……?」
アレンは動かなかった。しゃがんで、揺り動かしても、反応がなかった。まさか死んで………
「おやおや、君がヴァファイア君ですか?」
俺は顔をあげた。
「真っ赤な眼……とても綺麗ですね」