表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

赤眼の男の子2

「うわっ、さむ」

想像した以上の寒さ。9月半ばというのに、結構寒かった。

「あー、星綺麗だなぁ…」

今日は新月らしく、月がない。たくさんの星が空で瞬く。俺は家の前にあるベンチに腰かけた。

「お兄ちゃん何してるの?」

ん?子供の声?こんな時間に?辺りを見渡したが誰もいない。空耳かな?そう思って前をみた。

「うわ!」

いつのまにか、6,7歳の男の子が立っていた。

「どうしたの?こんな時間に……」

ここら辺では見ない顔だ。なんか、不思議な感じがした。んーなんだろう。

「お兄ちゃん、このお話知ってる?」

「ん?なーに?」

急にこんな小さい子どもから何の話だ?

「赤眼の男の子のお話」

………。話ってなに?俺の事?

「し、知らないなぁ。どんなお話?」

「教えてあげるよ」

男の子はそう言って俺の隣に腰かけた。

「むかーしむかし、あるところにね、赤色の眼を持った男の子がいたの。その子は国の王子。とっても、かっこいい王子だったの」

王子様か、ホッと胸を撫で下ろす。そして、男の子は淡々と話を進めた。

「その王子の周りの人はみーんな笑顔。誰もが幸せだったの。その子は、自分以外のみーんなの夢を叶えられるの。なんでも」

それって、俺と全く一緒じゃないか。

「誰もがみーんな幸せで、国も元気だった。でもね、人間達はもっともっともーっと叶えてほしくて、その事だけしか考えなくなったの。誰も働かなくなって、どんどんみーんなおかしくなって、国も荒れてきた。でもね、誰もそんなこと気にしなかった」

まぁ、人間は欲の塊だからね……。

「王様もお妃様もみーんなおかしくなった。そしたら、あるお婆ちゃんがきたの。その人は、夢とかそんなのに興味なくて、その王子に言ったの。「お前が悪いんだ。その赤い眼が」って。そしたら王子は、このままじゃダメだって思ってある塔に隠れたんだって。誰に何も言わずに」


スゲーばあちゃんだな……。


「そしたら国のみーんなはもっとおかしくなった。赤い眼の王子がいなくなったって。そして王子は二度とこんなことが起きないように、自分の眼を忌みとして書き記したんだって。そしてやっと終わったときに、国の人達が来て、その王子を殺して、眼を抜き取ったんだってさ」


え………。すごい結末。マジか。だから、今まで赤い眼は忌みとされたんだ……。

「そして、その王子の生まれ変わりが……君なんだってさ」


…………………。男の子はそう言って走っていってしまった。最後になんて言った。俺が……生まれ変わり?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ