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家族

「俺らの家の子供じゃない」


何を言っているの兄さん。そんなことー

「んなわけないじゃん、兄さん」

どう考えても嘘じゃない雰囲気。でも 、信じられなかった。信じたくなかった。そんな家族じゃないって。

「嘘じゃない。本当だ」

………沈黙が流れる。

「本当?父さん」

さっきから、兄さんばかり話している。父さんの口からは聞いていない。父さんはうつむいている顔を上げ、口を開いた。

「ああ、本当だ」

本当なのか。

「ヴァファイアが、0歳の時に俺らの家の前に置かれていた。この子が16歳の時に本当の事を話してくれというメッセージつきでな。ヴァファイア、お前の眼の色は何色だ?」

「俺の眼の色は……赤だ」

周りで赤い眼の人は俺しかいない。でも、不思議だとは思わなかった。人はそれぞれいるだろうし、眼の色など、誰が気にするのだと思っていた。

「お前のその眼の色はお前の本当の国では忌みとされている。誰もが嫌う眼なのだ」

「……だから、棄てられたの?」

父さんは頷いた。

「しかし昨年、その眼は一変して貴重品とされた。よってその国の貴族達が、お前を求め始めたのだ」

「なぜ、この眼が……?」

「その眼はな、自分の望みを叶えるとされている。人は、欲望の塊だ。そりゃあ、欲しいだろ」

俺の眼はそんな眼だったのか。

「ここを、貴族達は嗅ぎ付け、何度もお前を差し出すように言われた。しかし、そんなことは出来ない。だから、お前にはここから出ていってほしい。」

え………?そんな、まさか家を出ろって言われるとは思わなかった。やっぱり、誰も傷つきたくないのか。俺がいなくなればいいのか。家族ってそんなものだったのか?

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