表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

EPISODE5.新たな始まりとイレギュラー

前回のあらすじ

希々が意識戻ったよ。

遥斗と練習することになったよ。

とても強そうな力を希々は無事解禁できたよ。

希々の一個下で高校では後輩にあたる楼梨がやってきたよ。

希々が帰った後に遥斗と藍翔が戦うことになったよ。

そして今に至る・・・


「相変わらず・・・刀の振る速度が人間離れしてる・・・でも、藍翔さんの火力も半端ないし・・・お互いすごい・・・」

楼梨が審判をしながら二人の動きに感嘆していた。

「まだまだ行くよ」

銃弾の雨は止むことを知らない。という言葉を作った人がいるとかいないとか。

「そろそろ終わりにしようか。朧影斬・弐式:時雨」

刀から鳴らないはずの時計の音が鳴った。

カチ、カチ、カチと音が鳴り続ける。

藍翔が上を見上げた。

時計の針の形をした物体が何千本も浮かんでいた。

「さすがにここで時雨は、やばい・・・っ!」

藍翔が咄嗟に右に避けてなければ、致命傷だった。

藍翔がいた場所に時計の針の形をした物体が降り注いだ。

「あ、危な・・・っていうか遥斗・・・本当に朧影斬使って平気なのか?」

「今更何を言う?本気の戦いなんだぞ?使わなくてどうする?」

遥斗の目から本気とわかった藍翔はため息混じりに拳銃を降ろした。

「遥斗がそこまで言うからなら・・・俺は、全力で立ち向かうだけ」

「やってみなよ」

 

銃と刀の戦いは激しさを増していた。

「そろそろ銃弾当たっていい頃合いだろ!」

「そっちこそ、そろそろ降参してくれよ・・・」

一進一退の攻防。どっちも引かない互角の戦い・・・だったが、爆音で鳴り響いたアラームで戦いは中断せざるを得なくなった。

「何事?」

楼梨が困惑しつつ大声で二人に伝える。

「遥斗さん、藍翔さん。試合は中断です!」

楼梨の叫び声に武器を下ろす二人。

「何が起きた?」

「緊急事態。都市部で異変発生・・・普通なら起こりえない、災厄地帯も発生・・・?かなりやばい」

楼梨の発言に二人は一瞬、言葉が出なかった。

「あ、ありえない・・・災厄地帯は都市部に発生しないはずだが・・・」

「ああ。だが考えられることがひとつだけある」

藍翔が思い出したかのように言う。

「何者かが念入りに計画を立てて、災厄地帯を発生させるための土台を作っていた?」

「そう考えるのが妥当だな」

楼梨の意見に遥斗が頷く。

「なら尚更・・・行動しないといけないね」

「私も行きます。いえ、行かせてください」

遥斗と藍翔が2人揃って行こうとしたところで、楼梨が声を上げた。

「楼梨の強さはわかってるけどさ、本当に大丈夫か?」

「大丈夫です。久々の任務ですから・・・それに、二人よりは疲れていないので、動けますし」

満面の笑みで頷く楼梨。

「よし、なら三人で行くぞ。遥斗もそれでいいんだよな?」

「ああ。大丈夫」

遥斗が頷く。

「藍翔だ。今から異変発生地帯に向かう。メンバーは俺、遥斗、楼梨の三人。座標を送ってくれ」

『はいはーい。座標は今送ります。怪我人多数で、付近では救急車などの緊急車両が走ってます。お気をつけて』

「夏帆、サンキューな。よし、転移するぞ」

「「え?」」

遥斗と楼梨の声は届かず、藍翔が転移能力を使い、目的地へ転移した。


日は降りて、夜になっていた。

本来なら退社時間のはずだが、近辺はまさに地獄絵図そのものだった。

無数の穴から敵が沢山発生しており、人々を襲っていた。

「なにこれ・・・」

「ひどい、よな」

「役割はどうする?」

三者三様それぞれの反応が返ってきた。

楼梨は怪我人や倒れている人の多さに驚きを隠せない。

遥斗は楼梨の気持ちを理解しつつ、壊れている建物などを見て呟いた。

藍翔は怪我人たちのことと目の前の惨事を割り切り、状況把握に努めようとしている。

「役割分担・・・そうだね。どうしよう・・・」

「俺が周りの敵を倒す。楼梨と遥斗で主犯格を見つけて倒す。これでどうだ?」

藍翔の提案に二人が頷く。

「それで行こう」

「わかりました」

「じゃ、決まりだな」

藍翔が銃を構え、敵を撃ち始めると同時に二人も駆け出していった。

二人の姿が遠くなっていくのを見届けながら敵に照準を向けながら銃を放つ。

しかし、敵が減る見通しがない。

「あまりにも敵が多すぎる!」

敵の数はだいぶ減らしているが、それでも多いことに変わりは無い。

藍翔はため息混じりに銃を呼び出すことを決意する。

「しょうがないな・・・全装填。フルオートで行くよ」

現れた銃の数は百を超えた。

いずれも藍翔の意思一つで銃弾を放てる体制にする。

敵が集まってきたタイミングで藍翔が息を吸い込み、ひとつの判断を下す。

「一斉掃射!」

藍翔が挙げていた右腕を下ろすと同時に、銃弾の雨が辺り一面に降り注いだ。

「人々の安全のために、俺は戦う!だから、ここで倒させていただく!」

藍翔が誰にも見せたことがない獰猛な笑顔を見せた。


「本当に分かれて行動でよかったのでしょうか?」

「大丈夫・・・だと思うよ。藍翔はあれでも複数の敵の殲滅力は今のЯEBIRTH CODEの中で一番と言われてるからね」

遥斗の自信満々に楼梨が「そうですか」と頷きながら走り出す。

「今のと言いましたか?では昔のЯEBIRTH CODEの一番は誰なのでしょう?」

「蓮唯一択」

「即答ですね」

遥斗の回答速度は楼梨が質問してからわずか一秒で回答した。

「だって、おかしいから・・・。なにせ蓮唯は遠距離も近距離も両方戦える変人だからね」

「それもそうですよね・・・蓮唯さんに遠距離と近距離両方使わせても勝てたのは私と藍翔さんくらいでしたっけ」

「だね」

遥斗が走り続ける後ろを着いていくことは楼梨にしてみれば容易だったりする。

走りながら違和感を口にする。

「ところで本当に怪しい人物いませんけど?」

「気づいた?」

「ええ。薄々ですけど」

楼梨が走るのをやめ、ピタッと立ち止まった。

敵の包囲網に踏み込んだことを瞬時に把握、遥斗に指示を出す。

「遥斗さん、右斜め後ろです」

「っ!!」

咄嗟の判断で遥斗が刀を構え、技を使っていなければどうなっていたことやら・・・。

敵を弾き飛ばしつつ、距離を取る。

「ふーん。人がいないように見せかけて包囲網に誘い込む手段ですか。悪くないですけど・・・あまり舐めないでいただきたい」

遥斗の静かな怒り。

「遥斗さんを怒らせたらダメなのに・・・哀れなり」

楼梨がやれやれと言わんばかりに武器を構える。

「楼梨。今日は弓なんだ」

「いつもの愛剣は家だよ。というか、これくらいの敵なら弓で十分」

楼梨が持っている弓は眩い金色の弓。

一目で見ればわかるほど、とてつもない力が秘められている。

敵がいるにも関わらず、武器について話す二人。

「そういや、弓がメイン武器まであったっけ」

「まあ、ね。んじゃ・・・ひと仕事頑張りましょうか」


一言で言えば、雑魚敵は秒殺だった。

遠距離にいる敵は楼梨が射撃し対処する。

近距離にいる敵は遥斗が朧影斬を使わず普通の剣技で対処する。

バランスが取れている。

「雑魚敵はこれだけかな」

「そうですね・・・でも・・・おかしいと思いません?」

「主犯格が出てこない・・・」

楼梨が静かに目を閉じる。

光でできた球体が浮かび上がる。

「固有能力、発動」

楼梨の能力は、光の球体を分裂させ、敵の位置を把握する索敵に分類される能力。

周囲に光の球体をを張り巡らせる。

「いた・・・三時の方角に膨大な力を確認・・・位置は、初期現場付近。距離は、結構近い!」

「それって、今回の主犯格?」

「可能性はあると思います」

能力を解除し目を開ける楼梨。

「じゃあ、行くか」

遥斗の声に楼梨が無言で頷き、最初の転移した場所へ戻ることにした。


到着してすぐのことだった。

「そこまでです!」

黒い服を着ているいかにも怪しい人物は立ち止まって楼梨の方を見た。

「あなたは一体何者ですか?」

「・・・」

遥斗がやれやれと言わんばかりに刀を鞘から抜く。

遥斗が刀を抜く時はすなわち警告を意味する。

「答えないならここで倒す」

「遥斗さん、そんなこと言ったって答えるわけないでしょ・・・」

楼梨の言葉は今の遥斗には届かない。

「五秒だけ時間をあげる。何が目的かを言え」

「・・・」

虚しくも五秒という時間は経った。

「答えないか・・・ならその首をいただくまで」

「勘違いしないで欲しいな。答えないとは言ってないよ?」

怪しい人物は服を脱ぎ捨てた。

二人の目には驚愕と同時に何故ここに?という言葉が出てきた。

「なら最初から言えばいいものを・・・ってあんたは・・・!」

「やあ・・・じゃないか・・・んー。なんていえばいいかな」

目の前の人物は考える素振りをしつつも何かを思いついたかのように笑顔になった。

「そっちは遥斗だっけ?噂は聞いてるよ。支部の方まで話は来てるし。後ろの女の子は楼梨だね」

「支部ってまさか・・・」

楼梨が目をぱちぱちした。

「改めまして。ЯEBIRTH CODE中部支部所属、鳴動雷樹(めいどうらき)です。本部からの非常要請により派遣されました」

「「それを先に言いなさい(よ)」」

遥斗と楼梨の説教が雷樹にぶっ刺さる。

雷樹は両手を振って必死に弁明をする。

「悪気は無いんです・・・ただ、僕の能力が少し特殊でマントとか服とか気をつけないと大変でして・・・間違えやすいのはわかってますし、申し訳ないと思ってます」

「弁明はもう、いい。ところで怪しい人物はほかにいなかったか?」

遥斗の問に雷樹が答えようとした瞬間、楼梨が叫んだ。

「みなさん、斜め後ろに跳んでください!」

三人がいた場所を無数の火球が襲ってきた。

「近くに敵がいるな・・・」

「さすがにわかりやすい攻撃は避けちゃうか~。侮れないね」

遥斗が暗い空を見上げると、空気抵抗を感じず、軽々と空に浮いている女性が音を立てずに地面に降りたたった。

「来るのを待ち遠しく思ってましたとも。もちろん、ЯEBIRTH CODEのメンバーの皆様をね?今日ここがあなたたちの命日ですよ」

「そんな未来・・・いらないです」

楼梨が拒絶の言葉を発する。

「さすがにЯEBIRTH CODEのメンバーを舐めすぎだ」

遥斗が刀を構える。

「パッと見は三対一で勝ち目はこちらにあるんだけど?」

雷樹が肩をすくめる。

しかし目の前の女性は笑った。

「ふふふ・・・あははははははっ。三対一?何を言ってるの?そちらが少数勢力ってこと、分からないの?」

「何を言っているの?意味がわからな・・・」

楼梨の言葉は最後まで続かなかった。

突然、楼梨の右腕から血が流れた。

「え?」

楼梨の右腕からポタ、ポタと血が流れ続ける。

「っっ!!」

楼梨はどこから攻撃を受けたかを考える。

攻撃の予兆がわからなかった・・・。

でも右腕だけから血が流れているということは・・・狙うことさえ出来れば、自身の心臓すら狙えたはずでは?でもなぜ狙わなかった?いや、狙えないのかな?これじゃあまるで、そこの場所に来ることを見越して攻撃を仕組んでいるみたいな感じ・・・

「まるで、未来予知みたい・・・」

楼梨のたどり着いた答えに遥斗と雷樹は戦慄した。

「ふふふっ。ご名答。私たちの従順な下僕を使って、放つべき攻撃を決められた時間に放てるように仕組んだの。この攻撃は精度が悪いから、さっきみたいに腕しか攻撃できなかった場合もあるけど、私は未来を見据えて動けるからそっち側は圧倒的不利だよ」

「なんですって・・・?」

目の前の女性が言うことが本当なら、勝ち筋は・・・と楼梨が回る頭で限界まで考える。

「だとしても関係ないね。勝つのはこっちだから」

遥斗が楼梨を下がらせつつ、雷樹に指示を出す。

「雷樹。楼梨に応急治療をしてあげて。ここで食い止める」

「わかりました」

雷樹が楼梨を連れてその場を離れたのを確認した。

「一人で勝てると思うの?」

「たとえ勝てない試合であっても、勝ち筋すらを諦めているようじゃ、ЯEBIRTH CODEにいる意味は無いし、ここにいる意味が無意味になる」

遥斗の覚悟に感慨を受けた女性が拍手を送る。

「素晴らしい覚悟ですこと。話はここまでにしてそろそろはじめましょうか?」

「行くぞ」

遥斗が一歩踏み出すと目に追えない速さで駆け抜ける。

「素早いし目障りね!」

いくら未来予知があっても、目に追えない速さで繰り出す攻撃は相手に通ると思っていた遥斗だったが、その考えは詰めが甘いと気づくのはもう少し先の話。

遥斗が繰り出す重い一撃をモロにくらった女性が顔を顰める。

「未来予知を超える速度の攻撃・・・ですか・・・なるほど・・・」

左腕を斬られながらも平然と佇む女性は異質で、不気味だった。

その不気味さに思わず攻撃の手を止めざるを得なかった。


「攻撃を緩めましたわね?このタイミングを待っていた」

「何を言っている・・・?まさか!」

遥斗が後ろに跳ぶと、遥斗がさっきまでいた場所に黒い物体が降り注いでいた。

黒い物体が降り注いだ場所は溶けてなくなっていた。

「まじ・・・かよ」

冷や汗が止まらない。

「惜しい・・・そこにずっといれば良かったものを」

「でもだいたいの攻撃パターンはわかった。勝つのは僕だ」

遥斗が刀をもう一本鞘から抜く。

「教えてやる。二刀流をな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ