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親友に裏切られた私が彼氏のために夜道を爆走する話

作者: 仲詩 嘉埜
掲載日:2026/02/13

 まさか旅行先で彼氏が風邪をひくなんて思ってもいなくて、私は慌ててホテルの外へ飛び出した。


 真夜中の二時頃の話だ。薬局やドラッグストアなんて開ているはずがない。

 貧乏大学生でも泊まれるような安いホテルを選んだので、駅前のようにコンビニが乱立しているわけでもなく、私は充電切れ間近のスマホを片手に、知らない街を走るしかなかった。


 コンビニがないわけではない。

 ただレンタル自転車やその類が周りになくて、自分の足だけで向かうには少し遠い場所にある。


 観光地から数駅離れただけなのに、この街はとても暗い。

 冬だから寒いのは当たり前だけど、街そのものが死んだように冷たくて怖かった。

 画面の中のホラーゲームは怖くないのに、今目の前に広がっている薄ぼんやりとした世界は、異常なまでに私の心を締め付けて離さない。


 白い息が短い感覚で私の口から漏れる。

 歯がカチカチと忙しなく動くのは、心と身体のどちらが現実に負けたからなのだろうか。


 でも、彼氏が風邪をひいたのは自分のせいだ。

 昨日は私の誕生日で、折角の誕生日だからと彼氏は短期バイトをいくつも掛け持ちしてお金を作ってくれて、二泊三日の旅行をサプライズでプレゼントしてくれたのだ。


 走る、走る、走る。

 走れ、走れ、この恩知らず!


 とにかく走って走って走りまくった。

 今日この瞬間だけは、私は世界一の陸上選手だったに違いない。


 幼稚園から十年以上付き合いがある親友に研究のテーマを丸パクリされた挙句、ゼミ生が集まる中で一方的に泥棒扱いされて、事情を知らない教授から猛バッシングを受けた私は、正直鬱に近かった。

 毎日「死にたい」と彼氏の腕の中でボロボロ泣きながら呟いていた。


 それが、今はどうだ。

「あのクソ優しい彼氏のために心臓破裂で死ぬなら悪くないよね!」と心の中で何度も叫んで自分を奮い立たせるくらいテンションが高く、狂っていた。

 生まれてこの方病気になったことがないことが自慢だった彼氏が、私なんかを慰めるために必死になった結果、高熱で倒れてしまったのだから、ブレーキが全壊するのも当然だろう。

 私が彼を追い詰めてしまったのだ。


 ホテルを出る際にフロントの男性から「この時間帯は出歩かない方が!」と静止の声をかけられたが、完全に頭に入らなかった。

 正直闇の中から嫌な視線を感じないわけでもなかったが、気のせいだと振り切って走った。

 通り魔でも化け物でも何でもかかってこい、私は自殺未遂n回目の無敵の人だぞ、と本当に無我夢中で走り続けた。


 目当てのコンビニが目の前に現れた時、私の心臓は本当に口から飛び出そうなくらいバクバクと尋常ではない跳ね方をしていた。

 暗闇の中で明るく輝く人工的な光を目にして、安堵すると同時に足から力が抜けて、一気に全身から汗が吹き出した。


 冬なのに熱い。熱くて仕方ない。

 ここでマッチのように一瞬で燃え尽きてしまうのかと怖くなるほど熱かった。


 震える足で自動ドアの前に立つと、一瞬妙な冷たさが横を通り過ぎた。

 誰かに追い越されたような変な気分だが、当然周りには何もない。


 本当に、何かにつけられていたのだろうか。

 不審者やそれ以外の何か……後ろを振り返ると夜の闇が更に色濃くなっていて、今にも私を飲み込もうと大きく口を開けて迫り来るように見えた。


 しかし、


「っしゃっせー」


 やる気があるのかないのかわからない女性の声で我に返った。

 嫌な考えから引き戻されたというか、強制的に首根っこを掴まれて後ろに引っ張られたような強引な感覚で、実際に私の身体は完全にコンビニの中に入っていた。


 小型な店舗だった。

 夜間バイトらしき若い女性が一人だけレジカウンターに立っていて、ずっとスマホを弄っている。


 幸い風邪薬は置いてあったので、すぐにレジへ持って行った。


 しかし、QRコード決済で払い終わったその次の瞬間、スマホの画面が消えた。電池が切れたのだ。


「え、え、うそ、やだ、やだ! 道わかんない、帰れない、帰んないとヤバいのに帰れな……道、道わかんな……やだ、マジで帰れないった!」


 終わった。帰れない。

 ある程度ビルや背の高い建物が多いこの近辺で、無我夢中で走ってきたのだ。

 スマホのナビがなければ戻れない。

 そもそも街灯の光が少なすぎて、現在地どころか自分の足元すら全然見えなかった。


 明るいコンビニの中にいるせいで、自動ドアの向こう側が本当に真っ暗な底なし沼みたいに見えてしまって、もしスマホが生きていたとしても一歩踏み出すのに躊躇してしまうかもしれない。


 しかも最悪なことに、数年前にこの近くで通り魔事件があったと出発前に実家の母親から教えられていた。

「女の子の夜歩きは本当に危険だから、絶対彼氏君と歩くんだよ」と耳にタコができるくらい言われた。


 そういえば彼氏からも「絶対に夜に一人で出歩くなよ。何かあったら俺が行くから、マジでやめてくれ!」と普段から嫌というほど注意されていた。


 確かに私は過去に一度ストーカー被害に遭い、車に連れ込まれそうになったこともある。

 そこを命懸けで助けてくれたのが今の彼氏で、彼曰く「お前、マジで変なのに好かれやすい体質なんだからさ、もうちょっと警戒心持てよ!」とのこと。

 神社に行くたびにお守りを買い与えられているが、そんなにも私は厄を招く体質なのだろうか。


 思い返せばホテルの部屋を出る時も後ろから何度も「行くな!」と呼び止められた気がする。

 軽率と言えばそう。

 勇敢と無謀は全然別物で、私は考えなしの愚か者だ。


 後は帰るだけなのに、私はコンビニのカウンターの前から動けなくなってしまった。

 早く戻って薬を飲ませてあげたいのに、手も足も震えて止まらない。


「ちょ、おねーさん、どうしたんすか?」


 あまりに挙動が不審すぎたのか、レジの向こうから声を掛けられた。


 バイトの女の子が私を見ている。

 切れ長の瞳と細く長い指が印象的な、とても綺麗な子だった。

 私も背が高い方だが、更に高い。

 長い髪を緩く一つにまとめただけのやる気のない姿のはずなのに、それすらも様になるようなモデル体型の美人さん。


「なんか困りごとっすか?」

「道が……道が、わかんないんです。◯◯ホテルまで帰りたいのに、そこから走ってきたのに、道がわかんないんです……」


 見知らぬ他人の前で、私は情けないことに遂に泣き出してしまった。

 息ができないくらい馬鹿みたいに泣いてしまった。

 何度もコートの裾で拭いても、涙も鼻水も止まらなくて辛かった。


 あの最悪なゼミの発表会の時に、親友の用意周到な根回しのせいで孤立してしまった私は、思わず恐怖から泣き出してしまったが、それすら泣き落としの演技だと非難する教授やゼミ仲間の姿があまりにも怖くて、泣くことにすらトラウマを抱えてしまっていた。

 私の話を最後まで聞いてくれる彼氏の腕の中だけが安全地帯。この場所でだけ安心して泣くことができた。


 一気に蘇る最低最悪の記憶。

 それに加えて今のどうしようもない恐怖によるパニックで、私は私を制御できなくなっていた。

 早く帰らないと彼氏が死ぬ、風邪が悪化して肺炎になって死ぬ、救急車を呼ばなかった私のせいで彼氏が死んじゃう、と次々と支離滅裂に口走ってしまう。


 しかし、女の子は一度もスマホに視線を戻さずに、私が何も言わなくなるまで待ってくれた。

 自分より挙動不審な奴を前にすると逆に冷静になるのだろうか。


「おっけ。ちょい待ち」


 女の子はスマホを操作しながらカウンターから出てくると、私の手を引いてプリンターの前までやってきた。


 なんだか冷たい手だった。

 温かい店内にいるとは思えない冷え方をしている。

 氷を触っているみたいだ。

 ゲーム脳であえて嫌な言い方をするのであれば、まるで死体に連れ歩かれているみたいだった。


 しかしパニックになりすぎて自分でも思考の意味がわからない私をよそに、女の子は慣れた様子でコピー機の液晶画面とスマホを交互に操作をしていた。

 何をしているのか尋ねるよりも先に、機械の小さな駆動音とともに一枚の紙が排出される。


「はいこれ」


 差し出されたのは、地図だった。

 地図アプリでこの近辺をできるだけ拡大した画面をそのままカラーで印刷してくれたらしい。


「うちがここで、多分あんたのホテルがここ。ここ通ってあーしてこーして……あ、ここはマジで暗くてヤバいから通るのなし。ちょい遠いけど、絶対こっちの道通ってよ」


 ゆっくり話しながら、女の子は店のボールペンで目印をつけてくれる。

 何度も何度も、私がちゃんと飲み込んで頷けるようになるまで、何度も繰り返し道を教えてくれた。


「あ、ありがとう! 本当にありがとう!」

「いいっていいって! んじゃ気ぃ付けて帰れよ〜帰りはマジで一人だからな〜」


 まるで行きは誰かと二人で来たかのような意味不明すぎる言葉だったが、私は気にしなかった。

 いや、こんなことを気に留めていたら折角教えてもらったルートを忘れてしまいそうで怖かったから、思考を完全に一本化していたのだと思う。


 簡単なお礼しか言えなかったけど、私は女の子の好意に最大限甘える形でコンビニを出て、教えられた道を爆走した。

 行きの時より時間がかかったような気がしたが、無事にホテルへ辿り着いた。


 フロントの従業員さんが私の姿を見るなり「どこに行っていたんですか! 死にたいんですか貴方!」と心配しているのか怒っているのかわからない絶妙な怒り方をしてきた。

 それが客に対する態度か、と腹を立てられるくらいには落ち着くことができていた……のかもれない。

 ただ従業員の「あの連続通り魔はまだ捕まっていないんですよ。お願いですから、貴女のような若い女性は絶対に一人で出歩かないでください。私の娘のように、帰らぬ人になっては何もかもが遅いのです……」とあまりにも悲痛な声で訴えてくるので、流石に怒りを口にすることはできなかった。


 ちなみに私に大激怒しているのは従業員さんだけではなく、部屋に戻るなり彼氏にも真っ赤な顔で「こういう時こそ使えよ救急車!」とブチギレられてしまった。


「ご、ごめんで……で、でも、薬、買ってあげたくて……」

「……わかってる。わかってるよ。でもな、危ないことはしないでくれ。マジで頼む」


 風邪を引いている自覚があるからなのか、彼氏はいつものように私を抱きしめてくれなかった。

 ただただずっと手を握ってくれて、薬が効いて寝落ちするまでそばにいてくれた。

 私が看護しているはずなのに、寄り添われているのはどっちなのだろうか。


「この薬、一生大事にする。ありがとな」と大事そうに握りしめてくれて嬉しかった。

「早く飲んでよ」と冷静に突っ込んだ私を見て嬉しそうに笑ってくれたから、私も後から安心して眠ることができた。


 早急に薬を飲んだことが良かったのか、朝のチェックアウトまでに彼氏の体調は戻っていた。

 体温計で正確に計測したわけではないが、症状的にはインフルエンザも疑われる大変な高熱だったのだが、朝のバイキングでいつも通り山盛りで食べている彼氏を見て、凄く嬉しかった。


 今日で旅行最終日だったこともあって、手荷物以外を全て宅配便で自宅に送り、最低限の手荷物だけ持って私たちはホテルを出た。


 観光自体は昨日までで全て終えている。

 今日は元々移動するだけの日だったので、最寄り駅へ行く前にあのコンビニに寄ることにした。

 深夜バイトのあの女の子がいるかわからなかったが、それでもお礼の手紙ぐらい預けられるのではと思って彼氏に相談したところ、コンマ一秒で快諾された。


 あの夜の帰り道と同じルートを、二人で通る。

 ちょっと遠回りだが、比較的大きな道で信号機もそれなりの数があった。

 店舗も多く、朝までやっている居酒屋などがある程度の間隔であった。


 反対にスマホで彼氏と確認した道は最短ルートだが細い道が多くて、信号機も街灯も殆どない。

 本当に闇に飛び込んでいるような危険な走り方だったと思う。


「ってことは……あ、やっぱり壊れてるな」

「え?」


 コンビニに着く直前に彼氏が私のポケットから落ち掛けていたイヤホンケースを指差し、困った顔で「また買い足さなきゃなぁ」と深々と溜め息を吐いた。


 実はあの夜も持っていたイヤホンケースにはストラップ用の輪が付いていて、そこにこの旅行の時に買った安全祈願のお守りを着けていたのだけど、よく見ると不自然な破れ方をして壊れてしまっていた。


 初期不良品だろうか。

 買ったばかりなのに壊れるなんて縁起が悪い。

「すぐ外して。これあげるから」と彼氏に勧められるまま別のお守りと交換し、壊れた方は彼氏が自分の尻ポケットに勢いよく捻じ込んでいた。


「ここなんだよな?」

「うん」


 コンビニに入ると、やはりあの女の子はいなかった。

 絶対に見間違えるはずがない。

 本当に綺麗な人だった。

 お昼に近い今の時間帯だと何人か従業員がいたが、全員男性なので流石に間違えるわけがない。


 でも、その中で一人、あの女の子とよく似た顔の高校生らしき男の子がいたので、思い切って声をかけてみた。


「あの、すみません。なんかこう……切れ長の目と細い指がすっごく綺麗で、モデルみたいなめちゃくちゃ美人な大学生くらいのお姉さんとかいませんか?」

「斬新すぎるだろ、その聞き方」


 確かに雑な聞き方であったが、男の子の方はすぐに合点がいったらしく、「なんで姉ちゃんを知ってるんですか?」と怪訝な目でこっちを見てきた。


「いや、その……昨日の夜にめちゃくちゃお世話になったので、帰る前に挨拶したかったというか、お礼の手紙書いてきたので良かったら受け取って欲しいというか……」

「は? き、昨日? 何言ってんですかアンタ!」


 警戒というよりは驚きが優ったような顔の男の子だけど、私は私で、どうしてもお礼を伝えたくて仕方なかったので、できるだけ詳しく昨日のことを話した。

 どうしようもないくらい真っ暗な夜の街で動けなくなってしまった私を颯爽と格好良く助けてくれたことを、本当に覚えている限り話し尽くした。


「そんな……ありえねぇ……ありえねぇ……なんで……そんなわけねぇのに……」

「え、なんでそんなに泣くの? ごめん、ごめんって。あのすみません、私不審者じゃなくてですね……」

「お、俺のねぇちゃんは……」


 数年前に通り魔に殺されたんだ、と震える声で男の子は真実を告げた。


 彼曰く、あの女の人は数年前に夜間バイトから戻る際に帰り道で通り魔に襲われてしまった。

 今日みたいな真冬の寒い夜のことだった。

 近道だからと街灯がほとんどない裏道を……私が行きに通ったあの道を使ってしまったため、殺されてからその朝まで誰にも発見されず、長い間冷たいアスファルトの上に横たわっていたそうだ。


「ねぇちゃんは、俺のせいで……俺が新しいシューズ欲しいって駄々こねてたから……」


 大学生になったばかりでお金がなかった女の子は、弟への誕生日プレゼントを買うために深夜バイトを立て続けに入れていた。

 殺された日は最後のシフト日で、次の日にサプライズのために友達とシューズを買いに行く予定だったらしい。


「ねぇちゃん……もしかしたら、あんなヤバい道を走ってるアンタが気になって、ついて行ったのかもな」


 男の子の中で姉は成仏できていないらしい。

 いや、未練に囚われているのは間違いなくこの子の方だろう。


 実は昨日の夜中は店長がシフトに入っていたが、流石にこんな夜中に誰も来ないだろうと高をくくって、バックヤードで仮眠をとっていたらしい。


 ふと気になって、私は昨日のレシートを出した。

 そこに書いてあった担当者の名前は男の子の苗字……あの夜に助けてくれた女の子の苗字だった。

 地図も取り出して男の子に見せたら、◯の書き方が間違いなく姉のものだと言っていた。


「すんません、そのレシート……レシートだけでも俺にくれませんか?」

「地図じゃないなら……はい、どうぞ」

「ありがとうございます……ありがとうございます……」


 夜中に地図と一緒に必死に握りしめてくしゃくしゃになってしまっていたレシートだが、これも形見の一つなのだろう。


 私と男の子はお互いに礼を言い合った。

 何故か彼氏がホテルで追加で買っていたお土産のおまんじゅうを「手を合わせに行くのはやりすぎかもしれないんで、これだけ備えてあげてください」と渡していた。

 最後にこれも何かの縁だと思って連絡先を交換し、他の店員からクレームが入る前に別れた。


「まさか幽霊に助けられちゃうなんてね」

「百回のうち一回くらいは助けられてもバチは当たらねぇよ」


 あの真っ暗な夜が現実離れしすぎて未だに上手く飲み込めない私とは逆に、彼氏は新幹線の座席に着くなり次に行く寺社仏閣の検索を始めていた。

 まだ付き合い始めて一年未満だけど、御朱印帳が二冊目になるくらい二人で出かけている。


 この勢いだと、本当に全国の寺社仏閣を二人で制覇してしまうかもしれない。

 なんて考えると少しだけ笑えた。

 笑えるくらいには普通に戻れたと思えた。


 でも、神様が本当にいるなら残酷だ。

 知らない土地で親切な人に助けてもらう展開は漫画やドラマでよく見かけるものだし、結末も大団円にしてくれたらよかったのに……と先日は彼氏の留年回避を願ったばかりの相手を恨んでしまう。


「悪いな、折角の旅行だったのに最後の最後でヘマして」

「ううん、そんなことない」


 私は首を横に振る。

 小さな肩掛けバッグの中を占領する御朱印帳……そこに大切に挟んだ最高の地図とそれをくれた世界一綺麗な女の子の姿を思い浮かべながら、「最高の旅行だったよ」と言った。


「友達になりたかったなぁ」


 どれだけ神様に願っても、新しい友達とはもう二度と話すことはできない。

 私から語り掛けて、返事を都合良く幻聴するだけ。


 でも、彼氏の献身をたくさん受け取っても未だに親友の裏切りを消化できていなかった私にとって、彼女は間違いなく新たな光だった。


「次に来る時は、良い知らせを持ってきてあげたいよね」

「俺たちの結婚報告とか?」

「それも良いけど! やっぱ最初はアレでしょ!」


 男の子が教えてくれた三回忌まで、あと半年。

 私が塞ぎ込んでいる間に、彼氏や私を信じてくれる人たちが動いてくれていたみたいで、もうすぐあの親友もどきをギャフンと言わせることができそうだ。


 ねぇ、暗闇の中のヤバい奴からも逃げ切ったし、裏切りクソ女にも一発かましてやったよ。


 そんな風に笑顔で教えてあげるためにも、もうちょっと頑張って生きてみようと思った。




拙作を読んでいただき、ありがとうございます!

今回はリハビリ作で、お題「夜・地図」での作成でした。

現代日本のちょっぴりホラー風になりましたが、いかがだったでしょうか?

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

もしよろしければ、評価やご感想など残していただけると嬉しいです!

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