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籠から棄てられた鳥は①

本編のその後のお話です。

 山の稜線をなぞるように灰色の雲が覆い被さる――其処はヒトの世から隔絶された神の住まい。

 灰色の雲が無数の小さな光を煌めかせ、一つの大きな塊と成って滔々と流れるように動き出す……見る間に雲であったものは青い龍へと変化し、山を残して空へと翔け昇った。

 龍は東へ東へと翔ける――何も遮るものが無い空を疾駆すると心持ちが清々し、この時ばかりは今までの憂さなど忘れ去ってただ、翔ける――小さな子どものように。

 やがて龍は緑濃き森の上空から一気に翔け降りると、すうっと灰色の雲と成り、更に男の姿へと変化した。

 龍神の兄神――タカオ神は、久方ぶりにオオノ神の神境を訪れていた。

 神境の入口で(おとな)いの声を上げる……返事が無いと見ると、そのまま結界を通って中へと歩を進めた。

 龍神の館よりも小さ目の、オオノ神が住まう館へと歩いて向かう。

 玄関の戸を叩いて再度、訪いの声を上げるが、反応は無い。

 無遠慮に戸を開ける。

 寝て居るのか、と思い、ずかずかと中へ入って寝室へと向かい、勢い込んで戸を開ける。

 「おい、何時(いつ)まで寝てる……」

 中の様子が目に入った途端、言葉が止まった。

 オオノ神は狼の姿で寝台に横たわり、眠り込んで居る……その狼を抱き枕にして、賦神――ジンが、白い夜着を身に着けて横たわり、寛いでいた。

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