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ウル
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ウルと呼ばれていた人狼は、時々思い出す――白緑の瞳持つ不思議な神を。
夢では無かった事を確かめるように、時々、〝龍の鱗〟を取り出して眺める。
決して醜く朽ちる事無く、常に瑞々しい輝きを放つ――光の当たる角度によっては七色に。
この世界には龍などと言うものは存在しない。しないし、物語の中では退治されて当然の悪者だ。
不思議な世界だったな。
そう、ぼんやりと考えていると、愛しい彼女が隣で言った。
それは何?
それが何か、言わなければ良かったのかも知れない……人狼がそう思い返すのは、更に遠い未来の話。
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作品の感想、お待ちしております。(本編、番外編)
第六話の幕間として書いたけれど、載せなかった短編です。
ウルくんの物語は、別作品として頭の中にあります。
とある有名ロックバンドの、ある時代ある場所の少年少女を描いた歌から着想を得ました。
もし、書くとするなら、タイトルは考えてあります。
『滅びる最期の僕たちは』。