第八十八話 創星者
光に包まれたその世界に、俺はただ1人立っていた。
転生する前にいた天使と話したところとはまた少し似てはいるものの違う部屋。
そこに一つの人影が現れた。
「ミラ……?」
俺は思わずそう呟いた。
あまりにも、後ろ姿が同じくカガリの元で修行したミラに似ていたのだ。
「ライト……イーサンを助けてあげて、
もう、解放してあげて……」
ミラは振り返り、口角を上げてこちらにそう告げてきた。
その笑顔はあまりにも儚く、自分を偽っているものだった。
「……やってみるよ。」
――――
城から少し離れた建物の屋根の上、
アスが、死相である阿久津の襟を掴み肩を振りまくり文句を言っている。
「おい!何してんだ!?」
「何って、、言われた通りしたんだよ、ライトの!」
阿久津はアスの手を掴み、緩めるように頑張るも、アスの拳は固く開かない。
同じく死相の来もアスを止めに入る。
が、あまりにも強すぎる力に、全く歯が立たない。
「アスタロト、離れないと……」
来の呼びかけにも全く応じないアス。
「お前、さっき!
撃ち抜けって、ライトに言われた時、できないよ……
みたいに言ってたくせに!何余裕に3発も撃って、一発ヘッショかましてんだよ!」
「仕方ないだろ!
つい、血が騒いだ!」
「やかましい、、」
そんなこんなで争っている一同、
ライトはイーサンの戦闘の最中誰かに撃ち抜かれた。
だが、これこそがライトの最終手段。
――――
倒れたライトに近づくイーサン。
彼はまるで、ライトを見下すかのように見つめている。
「……それが君の最後か、残念だ。」
イーサンはそう言って、その場を去ろうとする。
残ったロイ、リアナはライトの方へと近づく。
イーサンはそんな2人を無視してその場から離れる。
「……どうした?イーサン、終わってないだろ」
ライトは立ち上がりながらそう言った。
ライトは復活したのだ。
銃で空いた穴は、綺麗に再生され塞がる。
そのライトの見た目は水色の髪に、水色の瞳、
黒いボロボロなローブに身を包む。
神のオーラ、
イーサンはその姿に驚愕した。
あまりにも想定外だったからだ。
解析をかけるも、神のオーラは感知できない。
魔力とはまた違った種類だからだ。
「どうなってんの、」
「飛躍しすぎてわからないぞ……」
ロイにリアナも目の前で起こっている現状が理解できていない。
ライトはかけた。
人間は一度死にかけると、なにか第六感のようなものが芽生えることがある。
現実の世界でも実際にある、後天性サヴァン症候群。
脳に何かしらの強い衝撃を負った際、芸術や音楽など幅広いジャンルで能力が開花すること。
ライトは元始祖。
一か八かにかけたのだ。
保険なんてものはない。
逆行も取られた。だが、ライトはその賭けに勝ったのだ。
「……終わりにしよう、イーサン。」
ライトは手を前に出し、イーサンに向けて指を鳴らす。
「抽出。」
その瞬間、イーサンからスッとなにか能力が抜ける。
それは、逆行魔法だ。
イーサンが所有した逆行魔法は元の持ち主である、ライトに戻った。
そのため、逆行はもはやイーサンの味方をしない。
助けるのは、ライトだ。
「魔法が、取られた。」
「お前ら下がれ、」
ライトはリアナとロイを下がらせる。
そうして、ライトはイーサンに向かって歩く。
イーサンは剣を握りライトに向かって走り、剣に魔法を宿す。
氷魔法、
だが、ライトの目には全ての解析が済んでいた。
そして、、
「消失。」
その瞬間、世界から氷魔法が消えた。
星界律は全ての魔法の源。それが覚醒した星界律、又の名を”創星者”
そして、抽出、消失などは全て星界律が生み出した魔法のみに適応され好きに弄ることができる。
そして、この世界の魔法はほとんどが星界律から生まれた。
そのため、魔法が思いのままであり、これが、星界律が禁呪と言われる理由の一つ。
「終わらせるぞ、イーサン、」
「そう来るか、ならここから本格的に実力行使だ。
ライト、」
超越者の方が強いよ!
当たり前だけど!




