第七十四話 死相の親
ごめんめっちゃ短い
「……なにこれ?」
机の上に置かれた一通の手紙。それを開いた瞬間、思わず声が漏れた。
黒い蝋で封印され、妙に冷たい気配を纏っている。
中には──見慣れない紋章と文言。
ていうか、え?
机の上に誰が置いた?侵入されてる?
まぁ、そんなことは後でいい、、
手紙にはこう書かれていた。
『ルクサニア王国への正式なご招待──ヴェノム御一行様』
「ご招待……? 何のことだろう、」
違和感しかない。胸がざわつく。
《罠だろ》
ヴルドの呆れきった声が聞こえる。
その表情には“言うまでもねぇだろ”と書いてある。
「いや……俺も思ってるけどさ。
でも、ここまで露骨だと逆に……いや、それでも罠だよな。」
手紙には差出人の名前も印も無い。
魔力の痕跡を探るため解析魔法を展開するが──
「……読み取れない?」
魔力の流れが途中で途切れている。あえて“消されている”感じだ。
《解析阻害の魔法。だな、》
ヴルドが肩を竦める。
「……見透かされてるみたいで腹立つんだけど。」
俺の性格を把握した上で、“調べても無駄だぞ”と挑発しているようにしか思えない。
その時、俺は呼んだ。
「リフト、来い。」
「は、はいっ、呼びましたか!」
すぐに現れた死相・リフト。いつもより動きが硬い気がする。
「聞きたい。ルクサニア王国ってどんな国だ?
……それと、死相がいるのか?」
俺の言葉にリフトはこくこくと頷き、少し声を張った。
「ルクサニア王国は……最近は音沙汰ないですが、
かつては“最先端都市”と呼ばれたほどの技術と魔法文化を持つ国です!」
「最先端……ね。で、死相は?」
「死相……かなりいます!」
「元気に言われても困るんだが。」
語尾に妙な力が入りすぎてて、逆に怪しい。
「でも、死相って普通、その国に一人なんじゃないの?」
俺が眉を寄せると、リフトは両手を胸の前でぶんぶん振りながら説明した。
「えっとですね! 死相には……“親”となる存在が居るんです!
ルクサニアには、その“親”がいます!」
「……ちょっと待て。親?」
勝てるか?
《なぜ戦う前提でお前は居るんだよ、》
「リフト。お前ら死相って、ただでさえ一人でも手こずるんだぞ?
その親ってことは……格が違うってことだよな?」
「……はい。僕なんか足元にも及ばないほどの、超上位存在ですよ!」
言った後、リフトは小さく震えていた。
最先端の王国。
死相が“わんさか”。
そして、その親まで居る。
「………やばいな。」
静かに息を吐くと、背中にうっすら冷汗が伝った。
これが罠なら──
向こうは本気で俺達を取りに来ている。




