第七十一話 チーム分け
「シドウ〜!」
中庭に響く自分の声が風に流れ、芝生の上で素振りをしていたシドウの耳に届く。
シドウは木刀を肩に担いだ姿勢から、静かに足を開き、一振りだけ構えを変えた。
そして、振り上げた木刀を真っ直ぐに振り下ろした瞬間――空気が裂けるような爆音とともに、暴風が噴き出した。
周囲の木々が一斉に揺れ、葉がバサバサと乱舞する。幹までミシミシと揺れ、もはや台風の目の中心にでも立っているかのようだ。
揺れすぎやろ、主成分ゴムかよ。
「どうしました?」
風が止んだ後、シドウは木刀を脇に抱え、落ち着いた表情のままこちらに向き直った。
今回ここへ来たのは、シドウに頼みがあったからだ。
「実はな?配下の量が増えたんだ。それで、シドウが団長として一部の配下を指揮して欲しい、」
「つまり、ライトとチームを分けてて、その一つを俺に任せるってことですか?」
「まぁ、そう言うこと。」
俺が言い終えるより早く、シドウは軽く顎を引いて答えた。
「わかりました。誰を入れます?」
ほんとに即答。物分かりが良すぎて逆に怖い。
そこから今いる配下たちを全員洗い出した。
アスタロト、酒呑童子、アテナ、クロ、
サマエル、イバラ、スイ、焔、蒼、アヌビス、
ヴァルヴィス、カイン、エルド、エレン、エル、ノクス、クロム、ロバート、雫、アル、ルル、慧、成瀬、篠原、桜井、遠野、リフト、
グレモリー。
いや、ほんとに多いな。並べるだけで息が切れそうだ。
覚えきれない。
多分、これで全部だよね?
《お前が把握してなかったら終わりだぞ?》
いやマジで不安だ。
「これ、流石にアスも指揮として入れましょう。量が多い、」
「そうだな、」
俺も即答。
そうしてアスを呼び出すと、すぐに飛んできた。
「なるほどね、指揮官……団長、、いいね!」
アスはいつもの調子でにこにこと頷いた。
この2人を抜くと、主要な配下は26人。教室1クラス分の人数である。
「1チーム9人、一つ8人が出来るな、」
そこからさらに話し合い、最終的なチーム分けが決まった。
俺のチームは、ヴァルヴィス、エル、雫、アル、アテナ、サマエル、焔、クロ、慧の9人。
シドウは、蒼、イバラ、遠野、リフト、クロム、ルル、カイン、成瀬の8人。
アスは、スイ、アヌビス、ノクス、ロバート、エルド、エレン、篠原、桜井、グレモリーの9人。
これで決定となった。
「おいちょっと待て!なんで僕のチームに犯罪者がいるんだ!グレモリーなんているか!」
アスが両手を挙げて全力で抗議している。
だが、俺はあえて聞こえないふりをした。今さら変えるほうが面倒だ。
こうして、この三つのチームでこれからの戦闘を動かすことになった。




