第二十三話 花火
どうしても周りと比較してしまう、数じゃないのはわかるけど、ブックマーク数とか少なかったりして面白くないのかと自信をなくすことがたまにありますよね、それが今の僕ってわけ。
前回までのあらすじ〜
国滅ぼしたよ⭐︎
死相とかいうめんどくさいやつが仇討ちにくるよ⭐︎
だったら、それよりも前にこちらからいこう
目撃情報があった学園に潜入だよ⭐︎
ライトはコウキへ
シドウはドウジへ、
アスはアスカへ姿も名前も変えて潜入調査!
一体これからどうなっちゃうの!?
以上です。
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教室には、午後の陽光が斜めに差し込み、机の上に淡い影を作っていた。
チョークのこすれる軽い音が、魔導理論を語る先生の声に混ざる。
「……で、あるからして魔法というものは、、自分の想像したことを、魔素を使いできる限り自分に合ったように具現化させることで……」
ほぉ、さっぱり意味がわからない。
黒板には魔素の流れを示す複雑な魔法陣が描かれているけど、俺の頭の中ではただの芸術作品だ。
俺は教室で、他の生徒と一緒にクラスで先生の魔法についての授業を受けているのだが、、
さっぱり授業内容がわからない。
おかしい、
これでも前世は、平均点をまぁまぁ取ってクラス順位は中間あたりだったのに、全く魔法についてわからない。
《お前、どうやって勇者になって俺を倒したんだよ》
心の中で文句を言ってくる、魔王。
独学に決まっているだろう、
まぁ第二の勇者とか居るぐらいだし、
多分他にももっといるだろうと思うんだが、、
あの天使様が、俺を倒すために色々送り込んでるみたいだしね?
魔法は独学だし、星界律なんていつの間にか身についてものだしな、
お前はなんか油断したとか言って負けたんでしょ?
《油断なんて、、まぁ少ししかしてないがな?
弱体化してただけだ、!》
弱体化て、なぜ?
《いいだろう、教えてやる。話が終わったら、授業はちゃんと聞けよ?》
いい奴かて、
いいだろう。
聞いてやる。
《あれは、確か160年前……》
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160年前
古めかしい玉座の間。
分厚い石の壁にトーチの炎が揺れ、燻んだ赤い光が床に波紋を作る。
ヴルドが、玉座へと座っていると門がきぃ……と不吉な音を立てて開いた。
そこには、刀を持った、着物を着た女性。
足元からふわりと土埃が舞い、まるで旅の果てから転がり込んできたような疲労感を纏っていた。
髪は、首元で揺れる短い黒髪。
前だけが少し長く、片目を隠すように流れている。
その片目を隠す前髪の奥から、ぎらつく殺気だけが覗いていた。
「ふむ、見慣れない服装……なんだ?その武器は、、」
ヴルドは玉座から降り、ゆっくりと近づく。
その巨躯が歩くたび、床石がわずかに軋む。
女性は静かに刀を構えた。
包帯の巻かれた腕、胸、そして片目。
戦いの傷が新しく、息をするたび包帯の下から血がにじみそうだ。
「変わった勇者だな、王国から雇われたか?
まぁ、よい。来い……」
言い終わる前、
彼女の姿がふっと消えた。
次の瞬間、肉が裂ける鋭い音とともにヴルドの腕が宙に舞った。
(速い……!)
ヴルドの象徴的な赤い髪を揺らし、巨体を揺らしてもなお、
女性は怯むことなく迫り、次の刃を突きつける。
ヴルドはすぐに腕を再生させ、拳を突き出す。
空気が爆裂するほどの拳撃だが、女性は刃の光だけを残して横に滑り、
ヴルドの胸を容赦なく貫いた。
魔力を収束させ撃ち返すも、
刀に纏わせた炎がそれを切り裂き、散らし、無効化してしまう。
そして、炎が宿るその刃でまたしても片方の腕が切断されてしまった。
(くっ!やはり、能力者か!?
炎で再生が遅れる……)
ヴルドは、近づく彼女の刀をなんとか見切り、
刃を掴み――握り潰した。
骨が軋むほどの怪力で、破砕音と共に刃が砕け散る。
「見事だ!ここまで楽しめたのは、お前が初めてかもしれんな!」
(敬意を持って、苦しまずに殺してやる……)
ヴルドの腕が残像を引き、
女性の頭部が粉砕され、血飛沫が円を描いた。
やがて静寂。
ヴルドは胸の傷を抑えながら、
ふらりと玉座に戻り腰を下ろした。
「ふぅ、、くっ……少し危なかったな、、
何者だったんだ、?」
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《……という事があった、
今思えば、あやつは一番最初の転生、いや、転移者なのかもしれんな、、ましてやお前が俺を倒せたのも、お前の体を俺が乗っ取れないのも、あやつが胸を貫いたあの傷が原因かもしれん。今でも痛むわ……》
ヴルドがここまで言うなんて、珍しい。
よっぽど強かったのだろう。
160年前となると、江戸時代あたりか?
侍とかが居たのかな……
「おい、コウキ!ちゃんと聞いてるのか?」
おっと、teacherが来てしまった。
「ああ、すみません。」
こう言うのも、今となっては懐かしい。
《授業はちゃんと聞け。》
すみません。
「コウキ……」
「あの人は……」
アスカやドウジも近くの席に座っており、俺に呆れていた。
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授業が終わり、図書室にやってきた。
高い天井、壁一面の本棚、魔法灯が浮かび、
どのページにも光が行き渡るように調整されている。
紙の匂いと静けさが心地いい。
ここには、学年問わず、色々な生徒がいる。
ここなら、死相とかいるかな、と思ってきてみたが
全く影すら見えない。
そもそも死相は、生徒なのか、教師なのか、
この学園で目撃情報があっただけだしな、、
と、俺が考えていると、目の前の棚にあった古そうな本を手取った。
「おお、魔導書とかあるのか……」
俺が感心して辺りを見回すと、
ひょい、と肩を叩いてくる指先。
「コウキじゃん!さっき怒られてたね〜」
鋼谷彩だ。
明るい肩にかからないくらいの短い金髪を揺らし、笑顔のまま近づいてくる。
爪はきらきらで、制服もなぜかオシャレ仕様。
異世界のくせにギャル文化は強い。
俺が苦手なタイプ、ギャルだ。
「何しに来たんだ?」
「別に〜、コウキが居たからついてきた。」
「ストーカか、」
……と、そのやり取りを遠くの本棚から見つめている影があった。
「ぐぬぬ……誰だ!あの女……」
「その、、図書室ではお静かに……」
「うるさい!」
「ひゃ!」
アスカは、図書委員を颯爽と追い払ってしまった。
髪を揺らし、怒りで顔を真っ赤にして。
「おい、アスカ何してんだ?」
「ん?ドウジか……
見てみろ、あの女!誰だ……」
「クラスメイト、だろ?
主人の自由にしてやれよ」
ふぅ、とドウジがため息をつきながらアスカを連れ出す。
「………」
その様子を、図書館の棚の影に隠れた一人の男が見つめていた。
そんな感じで、俺たちの学園生活はなんだかんだエンジョイしていた。
――――――
それから2週間。
放課後。
訓練場の夕日が地面を朱く染める。
「ほい!どう?剣技も、魔法も上手くなってきたと思わないかい?」
「ああ、上手くなってきた。
呑み込みが早いな、」
「だろ〜、いずれコウキも倒しちゃうかも?」
「ハハ、期待してる。」
彩は汗に濡れた頬をぬぐいながら笑う。
その笑顔がやけに眩しい。
だが、もう2週間経っている。
不味いな、残業は嫌だ。
死相が未だに見つからない。
だが、彩と過ごすこの放課後も最近気に入りつつある。
と、その時。
遠くの街の上空で、ぱん、と花火が打ち上がった。
「そう言えば、今日はレイン王国の建国記念日だった……」
「彩は、この王国の出身?」
「そうだよ、、そうだ!
なんか技教えてよ!私でも簡単にできそうな強いやつ!」
困った。
そんな便利屋みたいな俺オススメの技、なんてない。
そうだ......
「花火好き?」
「好きだよ。」
なら、
《何をするんだ?》
いい質問だ。
応用だよ。
俺は魔法の授業を思い出した。
魔力を消費し、自分に合った形で具現化する。
俺は星界律での、火星を応用し、空高くに火の玉を撃ち上げ――爆散させた。
夜空に大輪の炎の花が咲く。
「綺麗……」
「彩の能力、魔法は、衝撃波とか生み出せるやつだよな?
火があれば…花火みたいな応用技が出来るぞ?」
「うわお……すごいね!コウキは、、」
彩は、目を輝かせてこちらを見つめる。
なんだろう、少し可愛い。
その日は、そうして寮へ戻った。
残り2週間、
死相探しに俺達は苦難を強いられていた。
結構上手く書けたと思います。
お気に入りの回です。




