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第二十二話 遭遇

説明が多くなって読みづらいのはごめんなさい

「なぜ?学園?」

 シドウが眉をひそめ、いつもより困惑している。


「……そうですね、最近死相の目撃情報が出ています。どうやら男のようですが、見た目を変えれるそうです。死相は、人に化けて正体を隠していますが、僅かに魔力がまぁ、会ったらわかると思いますよ、」


(いや、知るかよ。)

 アスはあからさまにめんどくさそうな視線をバフォメットに向ける。


 なぜ学園に向かうのか──

 それは、俺たちが滅ぼしたマルシオン王国に仕えていた“死相”が、国を滅ぼした張本人、つまり俺たちが次の標的として狙われているから。

 どうせ向こうが来るなら、こちらから先に動けという理屈らしい。


「分かったけどさ、なんでバフォメットがそんな言ってくるんだ?」

 問いかけると、バフォメットが一瞬きょとんと目を見開いた。今日は妙に余裕がない。頭のキレも鈍い気がする。


「死相は、強いんですよ。死んでも復活します。まぁ、記憶はないんですけどね。元は人間なので、姿はそのまま……」


 どうやら死相にも段階があり、生まれたばかりは記憶喪失で弱い。

 その隙を突いてバフォメットが捕獲する──配下にしたいらしい。

 つまり、こっちに飛び火している厄介ごとを“片付けて来い”ということだ。...いや、なにかおかしい気がするが、まぁいいだろう。


 ―――――――――――――――――


 ということで、来た。レガリア学園。

 俺たち三人は巨大な門の前に立っていた。


 あれから1週間かけて準備を済ませ、城から数キロ離れたレイン王国へ移動。

 レガリア学園は名門校で、剣や魔法のエリートが集う場所だ。


 魔王城は今、サマエルやアヌビスたちが守っている。

 任務は1ヶ月以内に死相を炙り出して撃破し、帰還する──それだけ。

 アテナやスイ、イバラ、焔が騒いだが、1ヶ月ならと説得した。


 いよいよ潜入だ。

 ……なお、バフォメットは協力ゼロである。ほんと酷い。


 まずはクラス分け、次に入学式。

 寮は1ヶ月限定の生活で、時期が来たら脱走予定だ。


「じゃあ、主人行こ?」

 アスが声をかけるが、俺は違和感に気づく。


「主人はなんか変だな、、」

「ん?なんで?」

「俺たちは魔王という事は知られてはいけない。潜入だからね。だから、姿を変えよう!」


 というわけで、アスの魔法で姿を変える。

 俺は赤髪に青い目。

 シドウは青髪に黄色い目で、角だけ残した。

 アスは紫の長髪にオレンジ色の瞳だ。


「長い髪も似合うな」

「……ほんと?、」


 さらに名前も変える。

 ライト→コウキ

 シドウ→ドウジ

 アス→アスカ

 慣れるのに時間は掛かるがまぁ、偽造はできただろう。


 ――クラス分け――


「んん〜ではね、この水晶に手をかざして色をね、測定するのね。そしたらね、、赤が1組青が2組ね〜」


 指示に従って進む。

 魔力寄りなら青、剣寄りなら赤らしい。単純だが異世界あるあるでもある。


「わかりやした!」

「こんな簡単でいいのか?」とドウジがぼやく。


 ドウジが手をかざし、青──2組。

 アスカも青。

 最後に俺が手をかざすと──


 水晶が爆発した。


「……え?」

「コウキ……やり過ぎ、」


 いや、触っただけなんだが……?


 《少しは抑えることを学べ。》

 はいはい、ごめんなさい。


「あれれ〜?水晶古かったのかね?まぁ、2組ね。」

 雑な判定だが結果オーライ。全員同じクラスだ。


 そのまま入学式へ。

 広い講堂には多種多様な人種──人間、獣人、美しいエルフらしき者まで揃っている。

 ドウジの角に視線が向かないのも、ここの価値観のおかげだ。


「あのおっさんの話長い、」

 学園長の式辞。これは世界が変わっても変わらない。


 ふと横の席の少女が話しかけてきた。

 元の俺に似たシアンの瞳に肩にかからないくらいの金髪がきらめく、美しい少女だ。


「君が水晶を壊したっていう問題児?」

「えっと、、失礼だな。問題児じゃないよ……」


 久々に“普通の人間”と話す感覚。

 ダークは……まぁ、普通じゃない。


「そうなの〜?私、鋼谷彩(あがねやあや)、よろしくね」

「ああ、よろしく。」


 その様子を遠くからじっくり見ている男の人影が一つ、


 ――寮へ戻る。


「3人部屋、同じクラスだとしてもよく取れたね。」

 アスカがベッドに腰を下ろす。


「ほんとは無理だけどね。まぁ、そこら辺は能力でなんとか……」


「ところで、ライト……じゃなくてコウキの能力って何なんだ?」

「……」


 アスカが静かにこちらを見る。

 隠しても仕方ないか。


星界律(せいかいりつ)、それぞれの星が持ってる力とかを使える。まぁ、それだけだけど、かなり便利。でも、戦闘用とかじゃなくて日常使いみたいな能力なんだ。」


 《手札が多いからな、だいぶ強い。が、魔力の消費が極めて高い、戦闘じゃまともに使えんのだ。》


 俺は身体能力が主軸で、能力は補佐だ。


「なるほどな、」

 ドウジがようやく納得したようにうなずく。


 1日目の収穫はなし。

 名門校ゆえ魔力量が高い生徒が多く、死相の気配はまだつかめない。


「明日は、授業だ!早く寝よーぜ」

 布団に潜り込むと、すぐに眠気に飲まれた。


「なんか楽しそうだね、」

「久しぶりの授業、学生だからな!遅れるなよ!おやす……すぴー、、」


「寝るの早いな、うちの主人は……」

「だね、、」


 こうして、学園での死相探しが始まる。

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