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第53話剣術大会本戦 療養所にて(間話)


「大丈夫⁈、キト。」

アリアが脇から声をかけてくる。

丸椅子に座って彼女は僕を見つめていた。

「アリア⁈はい、大丈夫だと思いますけど…。」

「それならよかった。」

アリアが微笑む。


そもそもここはどこなんだろう、そしてなぜアリアがいるんだ?



試合後、疲労と出血で観戦席前で突然意識が無くなり、さっき起きたら、自分が白いベットで寝かせられていた。


周りはオレンジがかった白い天井、周りは白いカーテンで囲まれており、隣にはアリアが丸椅子に座って僕を見ていた。


彼女は僕のことを心配そうに見ている。

まだ、僕が起きたことは気づいていないようだ。


ふと、気になって左手を見つめてみると、ある。

治癒魔法を受けてくっけられたようだ。


そしてその動きでアリアが僕が起きたことを気づいたようで今に至る。


「えっと…ここはどこですか?」

「療養所…って言ってもわからないわね、臨時で設営されたテントよ。」

療養所⁈、保健科関連だろうか。

「臨時って、怪我人は保健所に送られるんじゃないですか?」

「そう、それが普通なのよ。だから臨時。」

「それはどういうことで…?」

「えっと…どう説明すればいいかしら?

うーん…基本、怪我をした選手は保健所に送られるのじゃない、」

「はい」

「でも、それは敗者の方で、勝者は観戦席で受けるじゃない、次の試合に参加できるように。」

「そうですね」

「で、たまに気を失う選手がいるじゃない、」

「いますね、第三学年の試合でもありましたし…。」

「そう、その場合って保健所に送られるけどその場合ってた大抵敗者じゃない。」

「そうですね。」

「だけど、もし勝者で倒れた人がいたらどうすると思う?」

「それは僕のようなパターンですね。

そうですね…その場で寝かせるとか?」

「それはあんまりよろしくないわね、でもその場合基本保健所に送られて次の試合は棄権負けになるのよ。」

「なるほど…じゃあ僕は棄権負けになりましたか?」

「なってないわ、なったとしたら私の優勝だけど。」

「準決勝勝ったんですね。おめでとうございます。

さすがアリアです。」

アリアを褒める。

やはりアリアは強い。

「まあ、それほどでもないわ。」

アリアが顔を少し顔を赤くして、そっぽを向く。

少し経ってから顔を戻して続ける。

「…それで、でも気絶してもそれが準決勝勝者であることって少ないのよ。」

「そうなんですか?」

準決勝、決勝といえば実力者同士がぶつかり合って泥沼になりそうだが…。

「そうなのよ、決勝はあり得るけど」

そんなことはないらしい。

「そう、だからややこしいことになって…当初大半教師陣は私の不戦勝にしろって言ったんだけど、マリー先生がそれはダメだって言って反抗して争ってね…」

「大変ですね…。」

「他人事のようね、そうよ、あの論争は激しかった。

でも、それを見たエリトル伯爵が第五学年の試合の決勝戦まで待ってそれまでに起きたらその後しようって言ったのよ」

「なるほど。で結局はどうなったんですか?」

「エリトル伯爵の意見が採用されたわ。それは1番の出資者だしこの地の領主だからね。」

「なるほど、鶴の一声ってやつですね。いろいろわかりました。ありがとうございます。」

「いいえ、当然のことよ。」

アリアは謙虚だなー。

「ちなみに今はまだ第五学年の試合中ですか?」

「そうよ、今は第7試合中ね。第五学年の試合中に無事回復してよかったわ」

アリアがまた嬉しそうに微笑む。

「そうですか、それはよかったです」

「ええ」

アリアが頷く。

「ちなみにこれからどうすればいいですか?」

第7試合と言うと決勝までまだまだだ。

どうしよう?

「とりあえずあなたが起きたこと伝えた方がいいけど…しばらくはここで休んでいてもいいんじゃないかしら?」

「そうですか、でもここにずっといるのも迷惑では…?」

「言い忘れていたわね、これは完全にあなた専用のベットよ。それにここの方が試合観戦にも向いているし…。」

「そうなんですか?…そういえば今の試合はどこでやっているんですか?あの試合会場ですか?」

「ええ、一旦第五学年用にして…選手用観戦席に座っていた選手は全員一般観戦席に映ったし…」

「なるほど…あとは何でここの方が試合観戦に向いているんですか?そもそもこのテントはどこにあるんですか?」

「そうね。」

「ザァァッ」

カーテンが真ん中で開かれる。

ステージは丁度下側にあり、とても近い。

「伯爵観戦席のすぐ隣よ」

アリアが言った。


間話です。

アリアの決勝戦はたぶん明後日ごろになります。

明日はこの間話の続き(つまり間話ですね)を投稿します。

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