第5話お泊まり
みなさん僕の家に泊まりませんか?
僕の家は訳があって広い。
あまり他人を家に止めたくはないが、まあカルロたちを連れて行けば帰るのが遅れた言い訳になる。
それにカルロたちに聞きたいことがある。
「いいのか?お前の家族に迷惑かからないか?」
いいですよ、部屋も余っていますし。
「じゃあ今日はこの小僧に甘えて、泊まらせてもらうか」
カルロが嬉しそうに突風のメンバーに確認する。
それに対して
「「「「うん(うっす)(ああ)」」」」
とユミル、サラ、レン、ゼロも賛成の意を示す。
決まったようだ。
これで母さんの大目玉を喰らわなくてすみそうだ。
…よかった
そうと決まれば早速行きましょう。
泊まるところが見つかって喜んでいるガロンたちに話しかける。
「でも飯を食ってからじゃねーと。流石に飯まで用意してもらうのはなぁ」
ガロンが言う。
サラたちもそれには頭を縦に振っている。
だが、その心配はない
逆にここではガロン達にご飯を食べないで来てもらわないと困る。
善意………いや僕の為だ
カルロ達が寝る雰囲気では鬼の母が僕のご飯を用意してくれなそうだからだ。
まあとにかくここはそのまま帰らなければ。
いいですよ。て言うか早く帰りましょうよ。寝所がなくなりますよ。
ガロン達をしれっと脅しておく。
「まぁそこまで言うなら(裏がありそうだけど)」
納得したかな。少し嫌なことは聞かないでおく。
よーし。では帰りましょう。
カルロ達の先頭を歩いてうちまで帰った。
家の前の庭に着いた。
僕の家は戸建てだ。
平民には珍しく3回建てのなかなか大きい建物となっている。
家まで帰ってきてホッとするが、嫌な予感しかしない。
「おい小僧どうした?」
カルロが緊張感なさげに聞いてくる。
………
「おいどうした?」
カルロがさらに聞いてくる。
………
よし。ここで立ち止まっていても仕方ない。
行くことにした。
「なんでもないです。」
平然のように装ってカルロに答えておく。
(ちなみに後で聞いた話だが、僕はその時とても汗まみれでとても平常ではなさそうだったそうだ。)
「キィーィーィ」
扉を開けた。
そこには今まで見たこと中でも最上級に怖い母が立っていた。