第42話剣術大会本戦 第2試合 キトvsジーク
トーナメントは運良く、アリアとは決勝まで当たらずだ。しかし3回戦目準決勝が3人戦になってしまった。
そう、実はこの剣術大会の学年別では参加者が2の倍数にならないため、各学年に一回ずつ3人戦が導入されている。
それに選ばれてしまった。注意だな。
まぁそもそもそれ以前に2回勝ち抜かなければいけないが、そこは勝ち抜いてみせる。
本番は決勝だからそこまで力を温存できるようにしよう!
まずは第三学年の試合だからその間はリラックスだ。
一旦観客席に戻って観戦していよう。
面白い選手いるかなー?
第三学年の試合が終わった。
キラくんという子の優勝だった。
戦い方は主に短剣による急所攻撃で、速さもとてつもなく速かった。僕よりも年下なのにあまりの技術で驚いてしまったよ。準優勝の大剣使いも凄かったけど、彼は3人戦で相手2人に囲まれてかなり消耗したらしく、全力が出せていなかった
と思う。それも運のうちだと思うけど、あれは惜しかったなぁ。多分あれが逆だったらキラくんが負けて大剣使いが勝っただろう。いやでも、勝ったのはキラくんだし、素直にキラくんは賞賛だ。もちろん準優勝の大剣使いくんもだ…
とそんなことを思いながら2人の授賞式を見た。
大会はそれぞれ各学年が終わるごとに授賞式だ。
最後にやる方が効率がいいだろうが、疲れた参加者を早めに帰らせるとかの配慮もあってのことらしい。負けても授賞式は参加しなくちゃいけないからね。
そんなわけで、第三学年の学年戦が終わり、ついに僕ら第四学年戦が始まった。参加者いや選手はステージ横の特別席に座って観戦する。
席は自由席なので、遠慮せず試合がよく見えるところに行く。と思ったら隣にアリアも座った。
僕は第二回戦だから第一回戦を見て、終わったら席を立ちステージ前で待つ。
「キト」
「はい」
名前を呼ばれたら、礼をしてステージに上がる。
相手も
「ジーク」
「はい」
名前を呼ばれたら、礼をしてステージに上がる。
お互い剣を抜き、前に構えると、審判が上げた手を下げる。
「試合、始めっ」
試合が、始まった。
まず開始の声と同時に僕とジークの身体が消える。
ちょうど2人の剣は2人の開始地点の中間地点で交わり火花をたてた。ジークは剣を頭に上げての垂直に斬り下げ、僕は左からの横一文字薙ぎ払いだ。火花が収まりながらもそれぞれ剣に力を込めてしのぎを削りあう、が、お互い力で押し込めないと一瞬で判断すると後ろに跳ぶ。
なかなかの強敵だ。
今度は剣を相手の右肩から左腰に斬り下げ、横に薙ぎ払い、左下から斬り上げ、ジークは剣の腹を狙って攻撃を逸らす、逸らす、逸らす。
僕が剣を弾かれて次の攻撃のために剣を引き、剣尖の向きを変えると今度はジークが隙を逃さず攻撃してくる。
それに相手は変えたばかりの僕の剣尖の反対側、右側を薙ぎ払い、僕は後ろに腹を引いて攻撃を避ける。
ジークは続けて左上からの斜め斬り下げ、僕は鞘を右手で持ち、剣を左上向きにして放した左手で剣身を支える。
またもや2人の間に火花が散った。
左手が自身の剣に侵食されるのを感じながらも、受け続け、相手が剣を離した瞬間を見離さず追撃する。
左薙ぎ払い、右上斜め下げ斬り、左下斜め上げ斬り、相手も体を引き、剣を斜めにして両手で支え、受け続ける。
しばらく僕たちは斬り、受けあった。
しばらくしても試合は終わらず、まだ終わらないのかと思い出した頃、相手にも動揺が起こり剣尖が一瞬鈍った気がした。
その瞬間剣を斬り上げ、斬り下げ、相手の両手と剣を斬り飛ばした。
キトが勝利した。




