第4話交渉と宿
冒険者ギルドのカードは簡単に偽装できない。
さらにこの会員証は冒険者にとって身分証のようになりとても大切なものだ。
これをストラに預けるのならストラもカルロたち信用できるかな?
「それなら考えてもいいがお前たちはどうなんだ」
ストラさんがカルロたちに聞く。
ストラは納得してそうだ。
あとはカルロたち次第だ。
「うーん、でもなぁ。ギルドカードはなぁ」
よしいけそうだ。
もともと僕もストラのことを信用してこの話を言っている。
信用できない人間にギルドカードを渡したらいろいろと問題があるのは当たり前だ。
大丈夫ですよ。それは僕が保証します。
これは胸を張って言える。
「でもなぁ、悪いけど出会ったばかりの坊ちゃんを保証にするのはなぁ」
カルロが困ったように答える。
…
「いいんじゃないか(ぼそ)」
ここで意外な助け舟が出る。
この声は今までずっと黙っていたランスのゼロの声だ。
「うん、僕もいいと思うよ。この人たち悪いようなオーラを感じないしね」
弓使いのユミルも賛成だようだ。
「ちょ、お前ら」
でもカルロはまだ納得がいってない。
「私も信用していいと思う」
ここでサラも賛成の意向を示した。
どうですか?カルロさん、僕たちのこと信用できませんか?
……
「わかった、みんなギルドカードをこの門衛に渡してやってくれ」
カルロも決心したようだ。
それに対して他のメンバーも
「はーい」「ああ(ぼそ)」「うん」
と返事を返しながらギルドカードをストラに渡していく。
…
「では頼んだぞ」
カルロがストラに念入りに言う。
「ああ、預かった。この町を出る時に取りに来い、それまでは許可証なしで出入りさせてやる」
ストラもそれにビシッと答える。
「よし通っていいぞ」
一回閉めた門をストラが開き僕らを通らせてくれる。
……お疲れ様です。
門の通りぎわに小声でストラを労っておく。
それにストラも
「ああ、小僧こそお疲れ様。夕食たべられるといいな」
と返してくれる。
………やばい完全に忘れていた。
まぁしょうがないか
ちなみに宿の当てはあるんですか?
歩きながら少し気になったことを聞いてみた。
セントは門限が早い、そのため宿も早く埋まってしまう。
「辺境なので宿は少ないのでは?」と思うかもしれないが宿自体の数も少ないのである。
「ああ、その問題があったわ」
ユミルが驚きながら反応する。
ユミルは弓使いだがグイグイきそうな性格だ。
さっきも助け舟を出してくれた。
ちなみにユミルのその表情からして宿のことは忘れていたようである。
一応確認。
えーと、確認ですが宿の予約とかはとって……ないですか?
「ああ、完全に忘れていた。」
これには見た目偉丈夫のカルロも途方にくれている。
気のせいか、さっきまで綺麗に立っていた小さいヒゲも萎れてしまっている。
「どうするっすかね。」
レオが呟く。
これでは門を通れても元も子もない。
………
夕食がある、早く帰らなければ
……
……
……
仕方ない飯の為だ。
助け舟を出すことにした。




