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第34話カリィー


「美味しかったー」

結局僕はそれぞれ1杯ずつの全大盛りカレィーと大盛りカレィーを食べて食堂を出た。


2杯のカレィーは絶品だった。


しかし1杯目は(米とカレィーの)全大盛りと言う注文が辛味も大盛りという誤解を招き、偶然にも辛味をとにかく注ぎ込んだ激辛カレィーを食べることになってしまった。


流石にあの辛さは身体に応えた。

意識も朦朧としてきて食べきれないとも思ったけど、食べてみると案外すぐ食べきってしまう。


結局満足しきれずに1杯目から学んで辛さを指定した米とカレィーの大盛りカレィー2杯目を注文することにした。


そうして2杯目を完食して、食堂を後にした。

口は真っ赤っ赤で、舌は未だにヒリヒリする。


腫れている口を触りながら講堂へ歩いているとその先には朝僕に声をかけた子が…。


まずい!!

こんな状況をクラスメイトに見られたら爆笑必須だ。

隠れて行こう!


僕は誰にも見られないように障害物の後ろを静かに歩いた。

途中で盛大なくしゃみをして、危なかったが、うん気にしない。


こうして僕は人に見つからないように隠れ隠れ講堂に帰ったのだった。




「ふふふっ」

「どうしたサジ?」

「うぅん、何でもない」

「ならいい」


ちなみにそんな学生をこっそり見ていた魔法使いがいたとか

いないとか…。




講堂に戻ってしばらくするとMs.マリーを含む教員たちが5人分の机と椅子そして無地の木板を移動し始めた。


教員たちはいそいそと机と椅子をステージの後ろより、観客席側に向けてに配置し、木板をまとめたものを机のそれぞれ横に置くと、すぐに両幕の内側に下がる。


それと入れ替わりでサムを中心に至福の昼飯(ランチ)のメンバーが向かって左側の幕から出てきてそれぞれ席に座る。


トムが中央、僕から見てサムの左がトム、トムの左がサァジ、サムの右がマリア、マリアの右がダンである。



「交流会後半は朝言った通り、俺たち至福の昼飯(ランチ)各メンバーへの個別の質問時間とする。」

トムが言う。


そんなわけでお昼休みは終わり、交流会の後半が始まった。



始まるとやはり至福の昼飯(ランチ)のリーダーのサムとチーム唯一のA級冒険者ダンに質問者が殺到した。

列はステージをとうに越えて観客席のところまで来ていた。

生徒の大半が、この2人に来ていると言ってもいいだろう。


2人の次に混んでいるのが、珍しく、軍で重宝される回復職のマリアだ。

彼女への質問待ち列も2人と同様、ステージを優に越えていた。


そして次が、斥候のトム。

役職自体は珍しくないものの斥候は軍でも重宝されるため、

人はそれなりに来ている。

列もステージをちょうどはみ出すくらいだ。


そして最後に魔法使いのサァジ。

彼女のところには誰1人来ていない。

しかも本人もショックなのか、少し泣いてしまっている。

その隣ではトムが質問受けながら、助けを出そうか迷っているようだ。


でもしばらく見ていても残念ながら助け舟は出せていない。


理由はいくつかありそうだが、やはり1番は助け舟を出そうとすると、トムが列に並んでいるアストレア王国平民第三学校軍事部の生徒に睨まれるからだろう。


僕はあまり気にしないが、この学校そして生徒はそういう自己主張が控えめな人や気が弱い人に厳しい。


Ms.マリーは控えめというか、常識人だから泣いている生徒がいたら慰めるが、他の教師の中では見つけたらその生徒だけ廊下に1日中立たせるとか、大声で数刻叱りつけるのが当たり前ってくらいだ。


正直これには僕もどうにかと思う。



まあとりあえずそれは置いといて、人が居ないなら質問するいいチャンスだし、行ってみるか。


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