第20話突風の出発
遅くなりました
カルロたちが来てから3日経った。
今日はパーティ突風がこの町ロントから出発する日だ。
昨日の夕食時、彼らから突風が早朝から町を出ることを聞いた。
僕も休日が終わって、また今日から学校があるのでその点ではちょうどよかっただろう。
時間的に僕が朝一の馬車に乗って学校に行く、半刻前ほどだ。
なので僕は今いつもより早く起きて、朝ごはんを食べているが、目先にはカルロたち突風のメンバーがいる。
……
こうして見ていると自然と目が熱くなる。
僕は短い時間だったが、彼らととても仲良くなった。
昨日の夕食後の後も平然と振る舞ってきたが実際はいろいろと思うことがあった。
例えば、僕はまだ彼らといろいろとしたいことが沢山ある。
前とは違う洞窟だが、前の洞窟と同じように沢山貴重な金属が採れる洞窟に行ったり、カルロたちの生い立ちを聞いたりしたかった。
本当はカルロたちを引き留めたい。
だが彼らだって依頼があるし、そのために町に滞在している。
僕が引き留めることは当然できない。
これは僕のわがままにすぎないからね。
もし僕が彼らを引き留める力があったとしても彼らはそれを望んでいないだろう。
しかし、彼らは冒険者だ。
ここで別れてしまってはいつ会えるか分からない。
この後一生会わないかも知れない。
そうすると、やっぱり引き留めたくなってしまう。
「バシバシ」
自分で自分の頬を叩く。
涙が出そうになった。
この調子ではずっと堂々巡りだ。
昨日の夜もそれであんまり眠れなかった。
一旦考えるのをやめよう。
それがカルロたちのためであり、自分のためにもなるから。
「じゃあな!」
カルロが強めに背中を叩いて背中を向ける。
その目の先には他の突風のメンバーがいる。
今はもう町の門の外だ。
考えるのをやめたら時間がすぐ経った。
しかしもうここまで来たのだから考えるのをまた始めた。
そうしたらカルロが僕から目を逸らした瞬間、すぐに涙が溢れてしまった。
「ポタッ、ポタッ」
涙を止めようとしたけど、なかなか止まらなかった。
止めた後、残りの涙が続けて溢れだすのを我慢するが、どうしても溢れそうになる。
そしたら、カルロがさりげないふうに一回転し同時に僕の涙を拭き取ってくれた。
…ちょっと驚いてしまったが、嬉しい。
そしてそのままカルロはレンたちの方へ歩き出す。
涙を見られたことは恥ずかしかったけど、カルロ含め突風のメンバーが見えてないようにしてくれて嬉しかった。
やっぱりカルロたち突風のメンバーは優しかった。
彼らとはすごく短かい期間しか一緒ではなかったけど、貴重な経験を得られたと思う。
………
僕はカルロたちの後ろ姿を見ながら
また会えるといいなぁ
と感傷に浸り、考えていたのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
遅くなりました。
眠い中書いたので誤字、脱字があるかもしれません。
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