第13話洞窟(合流)
さて助けると言ってもどうしようかな?
先程よりも明るくなった気持ちで考える。
助けると言ってもこのままだとカルロたちプラス僕まで全員が犬死になる。
カルロたちはもちろん僕も生き残りたい。
人生に未練ありありだからね。
さて攻撃手段といったら魔法と剣だが、僕は剣は持ってないし魔法もあまり使えないと言っていいだろう。
使える魔法は下級火魔法小火、火球に
中級火魔法の中火かな
ちなみに僕は火魔法適正だ。
正直、これらの魔法ではどうしようもない。
さっきゴブリンスマートたちがサラの上級氷魔法氷隕石をくらってほぼ無傷だったからね。
せめて、さらに高出力の火魔法が使えたらな…
まぁでもないものねだりをしても仕方ない。
ちなみに距離は近いからもうカルロたちの後ろまで来ている。
やはりカルロたちは血だらけだった。
カルロは左肩、ゼロは両手、レンは右腕の二の腕にたくさん血が出ている。
斬られたかなにかしたのだろう。
サラ、ユミルたちはそのようなところは見えないが多分、腹部や胸部に怪我をあっていることだろう。
全員必死で戦っているがゴブリンスマートたちで倒れているものは見えない。
全く相手になっていないのだろう。
そう考えていたら、レンが僕に気づいたようだ。
一瞬ギョッと驚いていたが、僕に怒るような様子はなく、
ゴブリンスマートたちの攻撃を受けながら話しかけてくる。
「坊主、死ぬたくなったか?」
いいえ、そのつもりはありませんよ。
「生き残る手段なんてあるのか」
少し間を開けて少し希望を見出したような感じで聞いてくる。
今のところは…ないです。レンさんたちはどうですか?
「ないな、(ザシュ)っ痛え」
レンがゴブリンスマートの攻撃を受けたようだ。
さっきの顔も元の表情に戻っている。
早くこの表情を明るいものにしたいが…
さて考えに戻ろう。
ゴブリンスマートの剣だが切れ味自体は良くないようだが、その荒さが逆に怪我を負わせやすくしている。
せめて刃を脆くできれば攻撃手段を無くせるんだが…
パキッ
突然、真剣に考えていたところに足元から軽快な音が鳴る。
なんだろうと思って足元を見てみると入り口近くで集めた魔鉱晶があった。
なんだ魔鉱晶か…
鬱陶しく思いながら思考に戻ろうとする。
パキッ
思考に戻ろうとした時にまた軽快な音が鳴る。
今度はサラの方か。
嫌だなこの音、場を壊すようで。
鬱陶しい気持ちでサラの方をチラッと見る。
うん。剣にヒビが入っただけか…
よしどうやって剣を壊すかなって
ええ!?
剣にヒビが入った?
危うく見逃しそうになった。
よく見たらサラの方のゴブリンスマートたちは少しサラと
間を開けている。
当然のようにそのゴブリンスマートたちの剣にもヒビが入っている。
だがサラは戦闘に必死そうで気づいてない。
だがなぜヒビが入った?
カルロたちの剣を当てて割ったのか?
いやそれはないだろう。
それなら他のゴブリンスマートたちの剣も破られているだはずだからな。
ならサラの魔法で…?
いやその節も極めて薄いだろう。
だってサラの氷隕石は効果がなかったから…
あっ!剣を見ていなかったからそれでは否定できない。
確か鉄には低温脆性というのがあったはず、そこで脆くなったのかしれない。
しかもいくらゴブリンスマートたちが作った剣といっても人間が作った剣よりは純度も性能も劣るだろう。
さらに低温脆性で脆くなった剣にカルロたちの攻撃をくらったらどうなるだろう?
脆くなった鉄では割れたりヒビが入るだろう。
これで合点がいく。
ゴブリンスマートたちで魔法使いは見当たらないから剣を破壊したらこっちが実質勝ちだ。
これならいけるかもしれない。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
遅くなってすいません。
今日はこれとは別で2話投稿します。
ぜひ見てみてください。
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