第11話洞窟(襲撃)
段差がありますよ、気をつけてください。
「うぉ、サンキュー坊主」
そこ滑りやすいです。
「わかったっす」
僕はカルロたちに転びやすい場所を教えながら洞窟を進む。
よし着いた。
今僕たちが着いたのは洞窟の最奥、魔絋鉄鉱石が採れる場所だ。
魔絋鉄鉱石は鉄鉱石が大量の魔力を浴びて生成されるもので、鉄鉱石よりもはるかに硬い。
当然、魔絋鉄鉱石は魔絋鉄に加工されるが、魔絋鉄は鉄と似たような重さで鉄よりはるかに硬いので、冒険者にとって大切な武器や防具によく使われる。
「にしてもなんでこんなにあるんだ」
カルロが驚愕しながら叫ぶ。
それは一般の冒険者からしたら当たり前である。
魔絋鉄は生成に大量の魔力を使うため、希少性がもともと高い。さらに様々なもの(例えばかなり贅沢だが食器や調理器具、また少量で補強としても使わる)に使われるためさらに入手困難になっている。
だが、この洞窟はそんな人々、特に冒険者からしては宝の山である。
足下はもちろん壁や天井、見える洞窟の奥まで全て紫がかった魔絋鉄鉱石が光り輝く。
カルロたちは魔鉱鉄鉱石を
「ふぉう」とか「お金」とか「よっしゃあ」とか言いながら必死に集めているが、キトは希少性はわかるが、そこまで驚かずいつものペースで集めていた。
ちなみにキトはこの魔絋鉄鉱石大量生成の理由はゴブリンスマートたちによる魔力漏れの影響ではないかと思っていた。
確かに間違ってはいないがこの認識は後々キトを多いに驚かせることになる。
しばらくしてカルロたちが大人しくなってからはみな静かにやっていたが………しばらくして急にその静粛を破ることが起こった。
「ヒュン」、「ヒュンヒュン」
「ヒュンヒュンヒュンヒュン」
突然洞窟奥から丈夫な矢が飛んできた。
一見、人が作った矢のようにも見えるがよく見ると木の部分が少し紫色に染まっている。
まぁその時、それはカルロたち突風のメンバーでさえ気づかないほどの僅かな差であったが…
キトは反応が遅く、七発目の矢が飛んできたあとにやっと動けたがカルロたちはもうすでに武器を構え、洞窟奥を威嚇している。
流石冒険者とも言えるが、これには反応速度以外に経験の問題もあるかもしれない。
これはキトは動けるようになってからも少し尻込みしていたことから分かる。
それは置いといて洞窟奥からは矢の音の後、
「カチャ」、「ガチャ」、などの音がしながら、見覚えのある見た目が見えてくる。
洞窟奥から現れたのは人間の構えるような武器を腰にさしたゴブリンスマートたちだった。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
こんばんは。今日はどうにか投稿できそうだったので1話投稿しました。
この洞窟編?も計画通りだと、あと1話で終わります。
明日は余裕があるので3話投稿します。
12時頃、18時頃、21時頃にそれぞれ投稿予定なので是非ご覧ください。
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