第1話日常
「キト!」
また今日も新たな1日が始まった。
Ms.マリーの声の怒鳴り声が教室に響く。
僕はそんな怒りっぽい先生を軽くいなす。
「なんですか!、これ」
先生は昨日の僕の宿題をどーんとみんなに見せながら叫ぶ。
確か将来の夢を書いたんだっけ。
それがどうしたんですか?
「僕の夢は発明家になるとはどういうことですか?」
どういうことってそのままなんだけど、、、?
なっちゃいけないんですか?
「なっちゃいけないもなにも…」
「ふっ、ふふふふ……」
また今度は笑い出した。
「ははは」
そしてそれにクラスメイトたちも同じく笑い出す。
は、は、は…
こんな日々が僕の毎日。
僕はキト。アストレア王国のしがない庶民だ。
当然、名字はない。
性別は男。年齢は13歳。
学校に行っている。
行ってる学校は…
今日の朝の学校のことと交えて説明しよう。
まず、朝、実はMs.マリーは理不尽に僕を怒ったわけじゃない。
学校でMs.マリーは生徒に慈悲深い先生として有名だ。
「共感性がある〜」とか「怒らない〜」とか言われている。
でも贔屓はせず、公正なところにも人気な先生だ。
だけど僕は怒られた?
なぜか?
簡単である。
僕が通っているのはアストレア王国平民第三学校軍事部•••
ここまで言ったら分かるかな。
僕は軍事学校に行っているのだ。
当然勉強するのも軍事関係
文学とか理化学とかは専門外だ。
Ms.マリーはいい先生なのだ、生徒を学校の「正しい」道に導く。でも僕はそれに反するような気持ちを持っていた。
よって僕はMs.マリーに怒られた。
しょうがない。
学校に行って、軍人しかも国を率いる将校になるための教育を受け、給金までもらっている。
まぁ、だからと言って、夢を諦める理由にはならないけど。
相手の言い分は間違ってないってことだ。
そう思うと自然に頑張ろうって思えるし、この結論で締める。
つらい話はやめよう。
今日の講義も終わったし、いつもの日課をおこなう。
僕の日課は学校の講義終了から始まる。
講義はほとんど軍事系•体育系のものだ。
軍事系の講義は戦法とかを学び、体育系の講義はサッカーやバスケなどの実技を習う。
軍事系は結構面白い。
敵方には悪いけど、味方が敵方を壊滅する戦いとかを習うとものすごい熱狂してしまう。
逆に味方が大敗すると心が最低温度まで、冷却されてしまうことはあるからこれだけは注意だ。
体育系はサッカー、バスケ、剣術まではいいが跳び箱、走り高跳びとかまだ来ると完全に飽きてしまう。
ということで、日課をするために街の市場まで来た。
僕の日課は街で新しいものを見つけていろいろ解明すること。
…
よし今日もいいもの見つけた。
学校の講義でもらえるお金の4分の1くらいを使って黄色のと緑色のを一粒ずつだけ買う。
今日買ったのは異国の豆。
大豆と言うらしい。
なかなか高かった。
でもおじさんが黒色のをサービスしてくれた。
ありがとうございます。
日課はあっさりと終わり、さて帰る。
6日に1回くらい買い出しに行くが今日はその日じゃないので、行かなくていい…馬車が来たので乗る。
さてあれはどうしようか。
馬車に乗りながら、今日の豆について考える。
あの高い豆を食べるのは心が痛む。
でもまいても育つ気がしない。
買った後に悩むんじゃねーよと頭で誰かが言っているが、
後の祭りである。
どうしようかわからないけど、
「まずはいろいろ観察してそのあとでいいか。」
と決着をつける。
眠くなったからだ。
僕は眠気を我慢する人間ではない、素直に寝る。
おやすみー。
だいぶ経った後、起きた。
しばらく、ぼうっと外を眺めている。
そうすると突然揺れが止まる。
街に着いたようだ。
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