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—第46章:機械天使教

「終わった…」


「そうだな」


力を全て使い果たして脱力する。アモンはゆっくりとあたしを抱き抱えたまま降下し、着地する。それと同時にアモンが地面に仰向けで倒れ伏す。


「ちょ、ちょっとアモン大丈夫!?あんた、死ぬなんて言わないでしょうね?」


不安げに膝でアモンの腰を支えて抱きしめる。


「悪魔は腕を失ったくらいじゃ死なねぇよ。しばらくすれば治る。」


それを聞いて心底ほっとする。アモンを抱きしめて、先ほどしてくれたように今度は自分から額を合わせる。


「あ…」


アモンが少し驚いた表情を見せる。


「そういえば、これって一体なんなのよ?」


さっきはそんな事を聞いている状態ではなかったが、不思議に思っていた。一体この動作はなんなのか。


「さぁな…」


「ぷっ、また?なによそれ。」


自然と笑みが溢れる。なにはともあれ、アモンとあたしも無事でよかった。ひとしきり休憩した後、外の様子が気になる。


「そういえば外はどうなったのかしら?」


「もうしばらく時間が経っているからな、見てみようぜ。」


教皇の間から崩れ落ちた瓦礫を伝い屋外に出る。その手前で、先ほど援護してくれた教皇に近づくが、既に息絶えていた。マリアが「教皇様、最後までありがとうございます」と祈りを捧げていたので、あたしとアモンもそこで一緒に祈りを捧げた。


「マリア!ヴェルヴェット!無事か!」


レオンが駆けつけてくる、その姿が悪魔の返り血を大量に浴びていた。マリアが「レオン!よかった無事だったのですね」と安堵の言葉を漏らす。


「レオン、大丈夫無事よ。その格好、あたしがあんたと出会った時みたいね」


「ああ、大量の悪魔を切り倒したからな。ん?おいアモン!その腕…」


アモンの腕に気づき震えた事で腕のないところを指をさす。


「ああ、しばらくしたら生えてくるから気にすんな。ただ疲れたけどな」


「そ、そうか」といまいち理解ができなかったようだが問題ないというのを聞いて少し安心して冷静さが戻る。あたしが肩を貸してる姿を見てムッとするがアモンは今腕がないのだ、さすがにこの状態であーだこーだと文句をつけるのはあまりにも大人気ないので納得しないながらもその行動を見守る。


そして屋外に出る。そこから見下ろした光景は、既にメカストリアの本隊も到着し、悪魔達を殲滅していた。もう夜が明け、太陽の光が鋭く差し込んでいる。


部隊の者たちはこちらの姿に気づき、武器を掲げそれぞれが雄叫びを上げていた。


それと同時に特に神官達から大きな声が上がる。


「天使様…いや、聖女様!?聖女様だ!しかし先ほどの神々しいお姿は…」


神官達は困惑しながらも瞳から涙を流し、あたしを見てひざまづき、両手を握って祈りを捧げる。


騎士や住民も同じようにひざまづいている。


—高位の神官達は皆亡くなられました。信仰を統べる者がいなければ、これから先、聖王国は混沌を迎えるでしょう。そしておそらく次の大侵攻には耐えられない。


「そうか…ならさ、あたし達がトップになればいいんじゃない?」


単純に考えた結果、それしかないという風にマリアに伝える。


—ですが、私たちは指名手配に…


「なに言ってるの、見なさいよ。これで捕まえる奴なんて出てこないわよ。それに放っておけばまた子供達が危険に晒される、そんな事になっちゃだめよ」


—ヴェルヴェット、あんたという人は…いえ、そうですね。私たちがこの国を支えましょう。


マリアが小さい声と共に祈りを捧げる。あたしの口の周りに小さい魔法陣が浮かんだ。


—声を増幅させる低位魔法です。このくらいなら私の意思だけで発動できるようですね。


ヴェルヴェットはアモンから離れ、一人で王城の端に立って民衆を見下ろして答える。


言うべき事はなんだろうか。国の王になる?導く?天使?大それた感じだ。少し違う気がする。


周りを見渡す。そこには一緒に突撃してくれた部隊員達が大勢いた。皆いまだに天使の羽の機械を背負ってこちらを見上げていた。そして傭兵パーティの自分の職業を思い出す。


「ギアの天使…そうね、あたしは…」


そして魔法の力で増幅させた声で高らかに宣言する。


「あたしは機械天使ヴェルベット・マグダレナ、今この時をもって機械天使教を設立する!」

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


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