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—第39章:3大貴族1

「次に、今回の作戦に深く関わることになる3大貴族を紹介する」


王の紹介により、3人の貴族が目の前に現れた。


一人は、いつもの大貴族フリードリッヒ・テクノバーグ。


「まずは大貴族フリードリッヒ・テクノバーグだ。彼は大都市テクノビレッジを治めている貴族で、主にメカストリア国全体のインフラに従事している、といってもお前はテクノバーグ家に厄介になっているようだから、説明するまでもないだろう」


一歩前に出てきたフリードリッヒは、「厄介になっているなどそんなことはない」と言いたげな顔をしているが、特に声に出して反対の意を言う場ではないことはわかっているので、そのままでいる。


「次にマルクス・アームスウォードだ。彼もまた大貴族で、主に大都市アームズフォージを治めている。メカストリア国全体の兵器生産に従事している」


一歩前に出てきた男は堂々と立っていた。


彼は強靭な体格を持つ戦士でもあり、精巧にデザインされた武器を模した重厚な鎧に身を包んでいる。その鎧は、金属の輝きと繊細な彫刻が施されており、まるで彼の存在自体が武器のように感じられる。


彼の髪は淡い金色で、力強い顎と整った顔立ちが特徴だ。顔には冷静さと決意が宿り、目は鋭く、その姿勢は、ただの武器生産者ではなく、国の安全を担う戦士としての自負を表しているかのようだ。


鎧の中には機械的な部品が組み込まれており、彼の存在はまるでこの国の防衛の象徴であるかのようだ。マルクスはまさにその名の通り、機械の国全体の武器生産に従事する大貴族として存在感を放っていた。


彼はこの場において、国の未来を支えるための力強い意志を持って立っている。その姿は、まるで鋼鉄の意志を持つ戦士のようで、見る者に強い印象を残していた。


マルクスは、ひざまづいたままのあたしを凝視している。本来であれば、マリアの美貌を持つ容姿をしているのだ。男ならこんな表情はしない。もっと穏やかに、美しいものを見るような目で見てくる。


しかしこの男は違った。これまでの戦いを繰り広げてきたからだろうか、まるで戦力の値踏みをするかのように鋭い目つきで凝視してきている。


しかしその目つきがあたしは気に入らなかった。傭兵同士であれば、そのような目つきで凝視してくるのは喧嘩を売っているようなものだからだ。あたしは同じく鋭い目つきでマルクスを睨み返す。


マルクスは若干驚いた様な表情を見せた。マリアの容姿で威圧するような睨みをしてくるとは思わなかったのだろう。このような目でみてくる理由は容易に想像ができる。きっとこの男は自分で見ないと信じないタイプの人間なのだろう。


こういうタイプは、特に戦闘に限っては多くいるのだ。何を感じ取ったのか「ふんっ」と鼻を鳴らし、マルクスは普通の目つきになる。認められなかったのか、値踏みが終わったからなのかはわからないが。


「最後にエリナ・オートメイアだ。彼女は機械の国全体の自動人形に従事している大貴族で、主に大都市オートマタスプリングスを治めている。メカストリア国全体の自動人形生産に従事している」


一歩前に出てきた女は、王の間に佇む優雅な貴族であった。彼女の姿は、その美しさと洗練された風格をもって周囲の目を惹きつける。流れるようなドレスは、白と青を基調にし、機械的な装飾がふんだんに施されている。特に、腰周りや裾にあしらわれた歯車の模様が彼女の地位と役割を象徴し、見事なまでに調和している。


エリナの長い金髪は優雅に流れ、顔立ちは整っており、その瞳は明るい光を湛え、何か思慮深いものを感じさせる。彼女の表情は柔らかく、優雅さの中に自信を秘めている。


機械的な装飾が施された豪華なネックレスが輝き、彼女の存在感をさらに引き立てる。王の間の高い天井の下で、エリナはまるでこの国の自動人形たちの守護者であるかのように、その優美な姿を堂々と示していた。彼女は機械の国の発展に欠かせない重要な役割を担っていることを、静かに、しかし確固たる自信で表現しているのだった。


自動人形は先ほどの2つと比べて少し特殊だ。オートメイア家だけはしっかりとインフラと軍事両方の仕事に従事している。ただし自動人形は高級品なので、一部の店や金持ちの家、軍事でも全体ではなく一部の仕事などに使われているそうだ。


3人の簡単な自己紹介が終わる。細かい説明をされないでも、あたしにはなんとなくだが感じ取れた。それぞれがそれぞれに類い稀ない才と努力をしてきたのだと、一瞥しただけで理解できる。そういうプレッシャーをひしひしと感じる。そこらにいる人間より明らかに雰囲気が違うのだ。


「この者たちが主戦力として大隊をそれぞれ受け持つ。ヴェルヴェットよ、お前は突撃部隊として1000人を与える。それらを指揮するといい。と言いたいところなのだが…」


1000人と聞いて驚愕する。あたしが1000人の隊長?そんな大勢を引きつれて戦争ができる自信はやはりない。そもそもその1000人というのは兵士なのだろうか。あたしは傭兵だ。そこまで兵士と交流があるわけでもない。やはり断ったほうがいいのではないか。脳裏に浮かぶが、王が言い淀んだ様子に気づき静かに続きを待つ。


「我が国の兵士を貸し与えようと思ったのだが、お前たちが来る前にこの話をしたところ、お前の部隊に志願したいという者たちが大量にいるのだ。兵士、騎士、傭兵、魔法使い、機械技師を問わずだ」


目を丸くした。なぜ志願者がここまで多いのか。しかしすぐに結論に辿り着く。今までの戦いの結果だと。自分を憧れて、崇拝して、信用しているという者たちということだ。これは今までの傭兵のときと同じだ。お互いを信じ、信じられる。そのような者たちだからこそ一緒に戦ってこれたのだ。

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