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●ノック


 僕は寮へ駆け込み、すぐに自分の部屋へと急ぐ。学生証に書かれた番号を確認すると、僕の部屋は4階の403号室だ。エレベーターは廊下の一番奥にある。


 僕は廊下を走り抜けエレベーターの前で少し考えて、横の階段を駆け上る。エレベーターの中は、逃げ場が無い気がして避けようと思った。今日は朝から、階段の上り下りばかりで太ももがパンパンだ。


 うぅ……キツイ……途中フラフラになりながらも、何とか4階にたどり着いた。


 辺りを見渡すと、フロアマップが通路の壁に貼ってあったので確認する。このフロアは「王」の字のような形に通路が通っている。「王」の字の縦線の一番下がエレベーターで、僕の部屋は中央の通路の左奥だとわかる。


 床はカーペットが敷いてあり、通路は校舎の廊下よりも広い位だ。壁には絵画が飾ってあったり、所々観葉植物なども置いてある。まるでTVドラマで見た、高級ホテルのようだと思った。


 それにしても、このフロアは妙に静まりかえっている。ここは、特待生専用フロアらしいけど……みんな部屋に居るのかな?


 そんな事を考えながら、僕は疲れた足で自分の部屋に向かう。そういえば……さっきドクター・メイは、誰と会話していたんだろう? まさか相手はミキキなのだろうか? 屋上での出来事を考えると、保健室の会話も現実味を帯びてくる……。


 ミキキがもし殺人犯の仲間だったら……どうしよう……。いや、僕はミキキに会うために、この学園に入学したんだ。どんな事があるにせよ、ミキキに直接会って話をしてみない事には、始まらない!


 ふぅ~ 


 僕は自分の部屋である403号室の前で立ち止り、大きく深呼吸をした。周りを見渡し見てもミキキらしき女子は居ない。


 コンコン…… 応ノックをしてみるが返事はない。


 ミキキは、部屋には居ないのか……?


 僕は学生証でもあるカードキーを取り出して、ドアの溝に通す。ピッ! と音がして扉のロックが外れる音がした。僕は覚悟を決めてドアを開ける。


「し、失礼しま~す……」


 誰もいないだろうけど、一応……声を掛けてみる……。ドアの中に数歩入るとすぐに左に通路が曲がっていて、トイレと脱衣所のドアが左右にあり、その先が部屋になっている。部屋の中は、ベッドが2つ、左右の壁に寄せて置いてあった。やはり誰も居ないようだ。


 はぁ~ 僕は左のベッドに座って大きく安堵のため息をついた。


 そして改めて、部屋全体を見渡してみる。15畳程の広さの部屋には、ベッドの他に、小さめの机とタンスもあり、それぞれのベッドの脇に置いてある。冷蔵庫にトイレとお風呂場もあり、テレビがあればホテルの一室のようだろう。


 ベランダに出られる大きな窓もあり日当たりも良さそう。部屋の中央のスペースには、幾つものダンボール箱が積み重ねて置かれている。送り先を見るに、実家から送った僕の荷物だ。


 窓際には、折り畳まれたダンボールが並べて置いてあるのに気づいた。すでにミキキが来て、自分の荷物を片づけたのだろうか? いつの間に?


 右の机の上には本やノートが山積みにされており、キャリーケースなども置かれている。とりあえず僕の机は、左の奴らしい。自分の荷物を片付けないと……。


 ダンボール箱と言えば、ミキキが保健室で死体をどうとか……言っていたよな……。この箱は、そんなに大きくないしガムテープが外された形跡もない。でも、まさかとは思うけど……僕は一応、ダンボール箱から距離を取る。


 部屋には大きな時計が壁に掛けてあり、カチカチと微かな音を鳴らしている。


「もう14時15分か……」僕はつぶやいた。今日は色々ありすぎて、頭が付いて来られずにいるみたいだ。


 ミキキは、今どこに居るのだろうか? いや……それよりも屋上での出来事……あれは、実際に起きた事なのか?


 校舎の屋上が見えるかもしれないと思い、僕は窓を開けてベランダに出てみた。ベランダは狭く、1人が何とか歩ける位のスペースしかない。風の中に少し煙たい感じ……例えるなら、焼き肉屋のような匂いが微かにした。まさか近くで、誰かがバーベキューでもやっているのだろうか?


 景色はと言うと、正面には街並みが一望出来て、眼下では桜が咲き乱れている。最高の景色なのだろうけど、残念ながら今は浮かれられる気分ではない。


 正直、さっきの屋上での出来事は……見なかった事にしたい……。でも……本当に華菊さんが撃たれたとしたら、放っておく訳にはいかない……。


 僕は、携帯を取り出してアンテナをチェックする。やはり圏外だ……。何か妨害電波でも出ているのだろうか? トイレの前だけ携帯が通じるなんて……。ドクター・メイは、まだあの場所に居るのかな?


 携帯を出したついでに、先ほど校舎の屋上で撮った画像を確認してみる。ひょっとしたら、僕は寝ぼけて夢でも見ていた可能性も、ゼロではない……。しかし……残念ながら、意外とよく撮れた衝撃的な画像が保存されていた。

血だまりと、そこからポタポタと続く血痕。そして、それを踏んで歩いた足跡。この血の量は間違いなく、ただ事では無い様子が伝わるだろう。


 やっぱり先生に知らせて、警察に連絡はしないと……。僕は1人で頷く。


 そういえばドクター・メイに着せられたこの制服……。絶対に脱ぐなと言われたけど、これは……脱ごうとすると爆発したりするのだろうか?ロボットを作れるくらいの科学者なら、爆弾も簡単に作れそうだ。


 少し冷静になった僕は、今着ている怪しい制服が気になって、鏡で確かめる為に脱衣所に向かう。そこには、大きなダンボール箱が台車に乗せられて置いてあった。


「ん? ミキキの荷物かな? なんで脱衣所に?」


 僕は1人で呟きつつも、その邪魔なダンボールの脇を通って鏡の前へ……。ふと、左手のドアが開いていたのでお風呂場の中を見る。


「うっ! うわぁぁぁ!」


 そこで目に入った物を見て、僕は思わず叫んでしまった。僕の目の前には……真っ赤に染まった特待生の白い制服が掛けてあった。


 はぁはぁはぁ……はぁ……僕は、必死に息を整える。


 こ、これはミキキの物なのか?


 確か華菊さんが言っていた。ミキキは、特待生の制服が汚れたから、一般生徒の制服を着ていたと……。


 汚れたって……これは血? 血なのか!?


 すぅ~ はぁ~ 僕は、大きく深呼吸して落ち着こうを試みる。ほっぺたを、両手で思い切り叩いてみた。しかし、どうしても震えが止まらない……。


 それでも僕は、なんとかお風呂場に足を踏み入れた。制服は、壁にかけてあるシャワーヘッドに、ハンガーで引っかけてある……。赤い色は間近で見てみると、もう乾いて茶色くも見えるが……やはり血液っぽい。


 制服自体に破れや傷は無いので、ミキキが怪我をしたのではないだろう……。という事は……返り血? なのか? 僕は、保健室で盗み聞いた話を思い出していた……。ミキキが誰かを殺したとか……死体を僕に運ばせるとか……。


 ハッと僕は振り返り、脱衣所にある大きなダンボールに目をやる。


「こ、これ……中身は……まさか……」


 僕は急に全身の力が抜けて、お風呂場にしゃがみ込んでしまった。


 し、死体? だ、誰かの死体が……入っている!? もう、そうとしか考えられない! そう思うと、ちょうど良い大きさのダンボール箱だ。小柄な人なら、膝を抱えて座れば入れそうな大きさに思える。


 ダンボール箱は、ガムテープが貼られ閉じらているが、何度か剥がしたのか、すぐ剥がせそうな感じで端の方がめくり上がりっている。


 でも……怖くてとても中身を確認出来ない! いったいこの学園で何が起きているんだ?


 なんで僕がこんな目に……ミキキは何処へ行ったんだ? 僕はこんな状況でも、ミキキの事を考えると少し冷静になれた。


 そうだ! 僕がこの学園へ来たのはミキキに会う為だ。もしミキキが殺人犯だとしても……いや、違う。僕は最後までミキキを信じる!


 うん! 僕は覚悟を決めて立ち上がった。


 そして脱衣所に向かい、そこに置いてある大きなダンボール箱に近づいた。

良く見るとダンボール箱の側面には、赤い手形がいくつか付いている……。


 怖いけど……それでも、とにかく中身を確認しておかないと……。僕は、ダンボール箱の蓋を止めてあるガムテープを、ゆっくりと剥がし始める。テープは抵抗なく剥がれるが、手が震えて上手く剥がせない……。背中を冷たい汗がつたる……苦労しながら、何とかガムテープを剥がし終わった。蓋を慎重に開き、覚悟を決めて中身を確認する。


 僕は思わず目を背ける……ダンボール箱の中身は……真っ赤だった……。おそらく血で赤く染まったタオルが、何かを隠すように被せてある……。駄目だ……これ以上は……僕はダンボール箱の蓋を閉じた。


 この中身を目に焼き付けるのは、精神的に耐えられないと思った……。もう充分だろう……この中身は、きっと誰かの死体なんだ! 


 僕は少しダンボールから距離を取り、お風呂場に掛けてある、赤く染まった白い制服を眺めながら考えた。


 今、ミキキは、一般生徒と同じ緑の制服を着ているんだよな……。


 屋上に書かれていた落書きは、恐らくミキキが書いた物だと思う。だとすれば、ミキキが僕より前に屋上にいた事は間違いない。今この部屋に居ないという事は、まだ校舎の中にいる可能性が高いのでは?


 今は、ほとんどの生徒が部屋で待機しているはずだから、見かけた女子生徒全員の顔を確かめれば、比較的簡単にミキキが見つかるかもしれない。ドクター・メイの事を警察に連絡するのは、ミキキを見つけてからにしよう。ミキキが何かしらの事件に関わっているのは、間違いなさそうだ。


 もし……僕が見つけるより先に、ミキキが警察に確保されてしまったら話ができない……。華菊さんには悪いけど……どうしても僕は、ミキキと会って話がしたいんだ! 僕は、何となく自分の考えをまとめて頷いた。


 よし! とにかくミキキを探そう! 


 僕は大きくうなずき立ち上がると、部屋から出る為にドアのノブを掴んだ。



 ――と、同時に外からドアがドンドンと叩かれた!


「ひぃ!」


 僕は情けない声を上げてドアの前で、ひっくり返った。覚悟を決めた所で、当たり前だが、急に強い男にはなれないらしい……。


 ドン! ドンドン……


「だ、誰か居ますの? お願い! ドアを開けていただきたいの!」


 切羽詰まった感じの声が聞こえる……震えた女子の声だ。


 うぅ……僕はドアを開けるのを躊躇う。死体が入っているかもしれないダンボールもあるし、何よりお風呂場には、血で真っ赤に染まった制服が掛けてある。それに……今この学園は殺人事件が起きていて、犯人が捕まっていない状況だ。僕も襲われる可能性がある……正直怖い……。


「お、お願い! 開けてくださいまし! 誰か居られますよね?」


 さっきの悲鳴を聞かれてしまったのだろう。居留守は無理か……。


 僕はドアに近づき慎重に声を掛ける。


「だ、誰? 僕に……な、なんの用?」

「え? 男性の方? やだっ! ど、どうしましょう……」


 どうしたのだろうか? 僕の声を聴いて、急に動揺した感じがする。


「と、とにかくドアを開けて、中に入れて頂けないでしょうか?」


 物凄く焦っているみたいだ!


「だ、だから! 君は誰?」

「こ、琴葉野です……409号室の……」

「え? 琴葉野さん!?」


 僕は朝、廊下ですれ違った、黒髪の可愛い女子を思い出していた。


「す、凄く困っているのです! お願いします! ドアを開けて頂けますか?」


 僕は、咄嗟にドアのカギを開けようとして、再び思い留まった……。ここで、焦っちゃいけない。琴葉野さんは、誰かに脅されているのかもしれない……。


「ぐすっ……お、お願い……」


 ほとんど泣き声に近い感じだ。


 いったいドアの向こうで、何が起きているんだ? ますますドアを開けるのが恐ろしい……。けど、いつまでも放っても置けない。


「こ、琴葉野さん。今は……1人なの?」

「は、はい……私1人です。お願いです。早くドアを開けて!」


 琴葉野さんであろう女子は、いよいよ切羽詰まった感じで、叫ぶ。


 ど、どうしよう……。女子が1人で、僕の部屋に執拗に入りたがる状況が理解できない! いったいなんで!? 何かあるんじゃ……。


 ドアにのぞき穴が無いのが恨めしい!


「お、お願い……もう……ぐすっ……」


 ドンドン! 琴葉野さんが泣きながらドアを叩いている。


 もう、考えていても仕方がないか。僕は覚悟を決めて、慎重にドアのカギを開けた。その瞬間にドアが押し開けられて、何かが勢いよく飛び込んできた。


「うわっ!!」

「きゃっ!」


 気付くと僕は、押し倒されていた……柔らかい何かに……。


「うぅ……」

「ご、ごめんなさい……ぐすっ……」


 顔に冷たい何かが触って、くすぐったい。僕は思わず閉じていた目をゆっくり開ける。


「あ……あの……あれ?」


 何故だろうか? 気づくと僕の上には、琴葉野さんが乗っかっていた。

顔に触っていた物は、琴葉野さんの濡れた髪の毛だった。


 え? どういう状況? 僕は頭が混乱していた。琴葉野さんは、耳まで顔が真っ赤でうつむいている。


「うっうわ!」


 僕は、琴葉野さんの格好を見て、大声を上げて驚いた。なんと彼女は、白いバスタオルを巻いただけの姿だったのだ!


「す、すみません……あの、私……」

「な、ななな……なんで……!?」


 僕は、思わず琴葉野さんを押しのけて、四つん這いで部屋の奥まで逃げ出した。


「きゃ!」


 琴葉野さんが小さく悲鳴を上げ、ドアを背中に尻もちをつく。


「ご、ごめん!」


 僕は背中を向けたまま、膝を抱えてしゃがみ込み、とりあえず謝った。


「い、いえ……わ、私こそ……こんな格好で……ぐすっ、すみません……うぅ……」


 すすり泣く声が聞こえる。格好はむしろ嬉しい位なんだけど……一体、琴葉野さんに何があったんだろうか?


「あ、あの……な、何があったの……かな?」


 僕は後ろを向いたまま、安心させるように、なるべく優しく聞いてみた。


「私……自分の部屋でシャワーを浴びた後、髪を乾かしていたのですが……」

「う、うん……」

「そ、そうしたら……うぅ……天上から……。す、すみません……怖くて……」


 何かに酷く怯えている様子だ……。


「あ、あの、とりあえず落ち着いて! ゆっくりでいいから」


 琴葉野さんの姿にドキドキしていたけど、僕は少し落ち着いてきていた。


「くしゅん!」琴葉野さんが小さく、可愛いクシャミをする。


 髪も濡れていたし、あんな格好で廊下にいたんじゃ風邪をひいても仕方ない……。あんな格好……。僕は背中越しに居るであろう、琴葉野さんの格好を思い浮かべる……。っぱり今後ろを振り返ったら怒られるんだろうか?


「あ、あの……貴方のお名前を……お伺いしても?」

「うわっ、ご、ごめんなさい!」


 変な想像をしていたから、咄嗟に謝ってしまった……。


「針乃……タ、タカシです」

「え? えっと……針乃……あ! テンさん?」


 琴葉野さんは立ち上がって、僕の横にあるベッドに座ったようだ。僕は相変わらず、背中を向けたまま問いかける。


「あ、うん。テンでも……いいや。少しは落ち着いた? で、何があったの?」

「くしゅん! あ、すみません! 私……」

「た、たしか髪を乾かしている時に……何かあったんだよね?」

「え、ええ。それで……」


 琴葉野さんが少し考え込み首を振る。


「あの……突然押しかけておいて申し訳ないのですが……まずは、髪を乾かさせていただいても、よろしいでしょうか?」

「え? あ、ああ。そうだよね。まず髪を乾かした方がいいよ。うん!」


 僕は、うわずった声で思わず答える。


「すみません。少しのお時間、洗面台をお借りします」

「う、うん……」


 いったい何があったんだよ~ 気になる! 僕は適当に返事をした後に気が付いた。


 ん? ちょっと待てよ? 洗面台だって!?


「ちょっ! ちょっと待って!」


 僕は叫びながら振り返ったが、もう琴葉野さんの姿は見えなかった。そして、その代わりに叫び声が響き渡る。


「キャアアアア!!!」


 しまった! 僕は急いで脱衣所に向かった。そこには大きなダンボールの側で、しゃがみ込んでいる琴葉野さんがいた。


「テンさん! あっ、あ……あれは……?」


 怯えた顔で僕の方を見て、お風呂場に掛けてある血だらけの制服を指差している……。さっき、お風呂場のドアを閉め忘れていたみたいだ! いやそれよりも、まずはあの制服を隠すべきだったか……自分の迂闊さを悔やむ。


「あ、あの……えっと……」


 僕は咄嗟に何と言って良いか分からなく、アタフタしてしまう。琴葉野さんは胸元でバスタオルを握り締めて、すっかり怯えきった様子だ……。


「ち、違うんだ……あの……ビックリしたと思うけど……」

「いやっ!」


 僕が手を差し出すと、琴葉野さんはさらに体を丸めてしまった。


 困った……どうしよう……とにかく誤解を解かないと……。でも……そもそも……誤解なのだろうか? 真実は僕にもわかっていないのに……。


「あ、あの! とりあえず、落ち着いてもらえるかな?」


 僕は苦手な笑顔を作って、なるべく優しく言ったつもりだ。


「な……なに? あれは! 血? 血ですの?」


 琴葉野さんは警戒しているのだろう。威嚇する猫のように凄い形相で僕を睨む。


「うぅ……ご、誤解なんだ……」


 僕は両手を上げながら廊下まで下がった。


「と、とりあえず話を聞いてほしい……」


 脱衣所の巨大なダンボールの向こう側で、琴葉野さんは隠れるようにしゃがみ込んでいる。薄暗いけど、今にも泣きそうな顔をしているのが分かる。


「あ、あの……琴葉野さん? 大丈夫……?」

「ぐす……うぅ……」


 返事はないが、あまり大丈夫じゃないみたいだ。どうすれば良いのだろうか……まずは適当な事を言ってでも安心させるべきか?


 いや……安心も何も……僕も不安で仕方ない状況な訳だけど……。


「と、とりあえず……琴葉野さん?」

「ぐすっ……」


 琴葉野さんは恐怖からなのか寒さからなのか、膝を抱えて震えている。


「あ、あの……風邪をひくから、まずは髪を乾かそう……ね?」


 琴葉野さんは、僕の方を睨むだけで動こうとしない。やっぱり僕に対して、警戒しているんだろうな……。とにかく嘘でもなんでもついて、安心してもらうのが先決だ! 僕は、頭をフル回転して言い訳を考えた。


「じ、実は、あれは血じゃないんだよ? ケ、ケチャップなんだよ!」

「え? え?」


 琴葉野さんが驚いたように顔を上げ、そしてお風呂場の制服を見つめる。


 うぅ……さすがにケチャップは厳しいか……でも言ってしまったものは仕方がない!


「お、同じ部屋の……ミ、ミキキって子が、料理が下手でさ~ ア、アハハ……」


 我ながら、物凄く乾いた笑いだったと思う。でも琴葉野さんは信じてくれたらしく、スクっと立ち上がり深々と頭を下げた。


「お、お騒がせいたしました! 私、てっきり……その……誰かの血かと……」

「あ、う、うん! ケチャップなんだ……うん」

「そうですわよね。制服があんなに血まみれなんて、本物だったら事件ですもの……」


 確信を突かれ僕は、一瞬動きが止まってしまう。そうだ、何かの事件が起きているんだ。


「ア、アハハ……。ご、ごめんね。なんか言いづらくて……」

「もぅ~! ビックリして損しましたわ! ドライヤーお借りしますね」

「う、うん……」


 琴葉野さんが純粋な子で良かった……。僕の下手な嘘を信じてくれたみたいだ……。脱衣所からガーガーとドライヤーの音が聞こえてくる。


 はぁ~ 僕はベッドに座って大きく溜息をついた。


 ミキキを探しに行きたいけど……。とりあえず琴野葉さんが、どうして僕の部屋に来たのか聞かないと……。


 ガタッ! 脱衣所の方から、何か物音が聞こえたと思った矢先に、叫び声が響き渡る。


「キャアアアアァァ!!」


 うわっ! 今度は何だ? ビクビクしながら、僕は再び脱衣所に向かう。


 脱衣所をのぞき込むと、大きなダンボールの横で琴葉野さんが倒れているのが見えた。


「琴葉野さん!」


 僕は叫ぶも、タオルがはだけそうなまま倒れている琴葉野さんに近づけずにいた。


 どうしよう……まさかダンボールの中を見てしまったのだろうか? 僕は箱の中身を見ていないけど、琴葉野さんが気絶するほど、恐ろしい物が入っていたのか!?


 ドン! ドンドン!


「ひぃ!」僕はまたしても思わず悲鳴を上げた。再び入口のドアが、外から激しく叩かれたのだ。


「アヤお嬢様! 居るんですか! アヤお嬢様!」


 悲痛な女子の、叫び声が聞こえる。


「針乃君! 居るの? 何かあったの?」


 今度は聞き覚えのある声だった。この声は……鏡さん?


「あ、あの! えっと……」


 僕は混乱した。一体、この状況をどう説明すれば良いのだろうか? 


 脱衣所で気絶したまま琴葉野さんは起きる様子が無い。しかもバスタオルがはだけている!


「もう! ドア開けるからね!」


 そう外から声が聞こえた瞬間、ピッと音がしてドアが勢いよく開かれた。


 え? なんで? 驚く間も無く、ドアから我先にと入ってきた2人の女子に、圧倒され僕は尻餅をついた。


「きゃ! ちょっと~! 和高ワダカさん! 押さないでよ!」

「ご、ごめんなさい鏡さん。ア、アヤお嬢様は!?」


 朝、出会った琴葉野さんと一緒に居た眼鏡の子と、こちらも眼鏡の鏡さんだ。


 うぅ……な、何でみんなして僕の部屋に?


「ちょ、ちょっと! 針乃君! 大丈夫?」


 鏡さんが、座り込んでいる僕の手を引っ張って起こしてくれた。


「うぅ……あ、ありがとう……」


 僕は訳も分からず、とりあえずお礼を言った。鏡さんが握っていた僕の手を振りほどく。


「い、いつまで握っているのよ!」

「え? あ、ごめん」


 思わず謝ったが、僕はまだ状況が読み込めない。


「き、きゃあああ!!! アヤお嬢様~」


 今度は、脱衣所を覗き込んだ眼鏡の子の悲鳴が部屋に響き渡った。どうやら、倒れている琴葉野さんを見つけたらしい。


 いや? ひょっとしたら血まみれの制服を見られたのか?


 僕はヤレヤレと思いつつも、かなり落ち着いていた。殺人現場を見た後だからか? いや、もうどうでもよく思えてきたのかもしれない。


「え? 何よ? 和高さん! どうしたの!?」


 鏡さんも脱衣所を覗き込む。


「きゃ! や、やだ!? 何? 大丈夫?」

「襲われたのよ! あの変態に!」

「そ、そんな……針乃君がそんな……」


 僕は、殆ど放心状態で2人のやり取りを聞いていた。


「あぁ! アヤお嬢様! 何てこと……」

「落ち着いて! 和高さん! とりあえず救急車を……」

「何言っているの! 警察よ! これは婦女暴行事件だわ!」

「そ、そんな! とりあえず針乃君と話を……」


 鏡さんが、僕の方をチラチラ見ながら、必死に弁解してくれている。


「冗談じゃ無いわ! 私達はこの部屋から出るわよ!」

「ちょ、ちょっと和高さん! 無理しないで!」

「警察に連絡するわ! 鏡さん! 貴方はあの変態が逃げないように見張っていて!」


 和高さんと呼ばれていた子は、バスタオル姿の琴葉野さんを何とか背負って、脱衣所から出てきた。僕は壁に張り付き、通り道を譲り、無言でドアを開けて2人を見送る。


「絶対に許さないから! この変態野郎!」


 和高さんと呼ばれていた眼鏡の子が、僕を睨みながら吐き捨てるように言う。そして琴葉野さんを背負ったまま、よたよたとエレベーターに向かって歩いていった。恐らく3階の、和高さんの部屋に向かったのだろう。


 時間を確認すると15時だった。――慌ただしかったフロアが急に静まりかえる。


「だ、大丈夫? 何かの間違い……だよね?」


 鏡さんが、ベッドに倒れこんだ僕の方を見て心配そうな顔をした。


「ぼ、僕も……ど、どうしてこうなったのか……」


 鏡さんは、僕の向かいのベッドに腰かけてキョロキョロ部屋を見渡す。


「スゲー」と小さく呟くのが聞こえた。


「――あ、そうだ。これね。教室に置きっぱなしだったでしょ」


 そう言って鏡さんは、肩にかけていた鞄を床に置いた。どうやら僕の鞄らしい。


「え? あ、そうだったかも……ありがとう」


 鞄の存在なんて、すっかり忘れていた。


「遅れてきた針乃くんは知らなかったと思うけど、皆は自分の部屋に朝、荷物を置いてから入学式に参加していたのよ」


 不思議そうな顔をしている僕に、鏡さんが説明をしてくれた。


 そうだったのか……。みんな随分早くから登校していたんだな……。


「少しは落ち着いた? 大丈夫?」


 鏡さんは、僕の顔色を伺うように覗き込みながら聞いて来た。


「う、うん。でも……警察が……」

「もう! バカ! 和高さんの言っていた事なんて、放っておきなさいよ!」


 確かに馬鹿正直に捕まる必要はないよな……。僕はベッドに座り直し冷静に考える。そうだ。少し混乱していたけど、僕は実際に何もしていないじゃないか。


「何か事情があったんでしょ? 私は針乃くんを信じているから……」

「か、鏡さん……あ、ありがとう!」


 僕は思わず鏡さんの両手を取ったが、すぐさま鏡さんに手を振り払われた。


「ちょ、ちょっと、もう……大げさなんだから……」

「あぁ、ご、ごめん」


 僕は、初めて出来た友達との接し方がわからないでいた。手を握るのは大げさだったか……。


「それにしても、なんで琴葉野さんが針乃くんの部屋の、しかもバスルームにいたのよ」


 鏡さんが少し怖い声で聞いて来た。まぁ……それは気になるよね。


「う~ん、それが僕にもよくわからなくて……。ドア越しに助けてくれと言われて、ドアを開けたら、あの恰好で飛び込んで来たから……」

「どういう事? 本当にあの恰好で、彼女が自分で来たの?」


 僕は何度も首を縦に振る。


「何かしらの理由で、お風呂の途中で部屋を出る事になってしまって、オートロックだから戻れなくなったという事かしら……」


 鏡さんは、あごに指を添えて目を閉じて推理する。


「なるほど……この部屋に彼女の服が無いって事は、そういう理由ね」


 おぉ! まるで名探偵みたいだ。一切、僕を疑わない鏡さんに感動する。誰かさんは、変態扱いだったのに!


「でも、部屋で何があったかまでは、わからないわね……」


 そうなんだよな……。琴葉野さんの部屋で一体なにが……。


「――ところで……」


 鏡さんが背筋を伸ばして向き直り、改まって話し始めた。


「本当に私の事、覚えていないの? 小中と一緒のクラスだったのに……」

「う、うぅ……ごめん。あまり人の顔とか、見ないように過ごしていたから……」

「そう……私は、針乃くんと、何度か話した事あったのに……」

「そ、そうだったんだ。僕が覚えている女子といえば……え~っと……」


 そういえば、1人だけ覚えている女子がいる……。僕は、小学校の修学旅行には行く気になれなくて、ドタキャンしたのだけど……そんな僕にお土産を買って来てくれたり、グループで活動しなければならない時に、誘ってくれたりした女子がいたんだった。


 ――その子の名前は……。


「確か……え~と、もち子さん? だったかな?」

「ちょ、ちょっと待って! あ、あの……そ、それが私なのです……けど……」

「えぇ? うそ? 本当に? もち子さん?」

「その呼び名は、やめて! 小学校の頃、今より太っていたから……クラスの男子がみんなで私の事を、鏡餅って言いだして……。その頃は、本当に学校が嫌だったの……」


 鏡さんは窓の外に目を向けて、遠くを見ながら話を続ける。


「でもね……針乃くんが、縁起が良さそうだね。って言ってくれて……それから、からかうつもりで言っていた男子達が、あだ名で呼ぶのを止めたの……」


 素敵なエピソードっぽいけど、僕は全く覚えていない。というか僕は、本当にもち子という名前だと思っていたんだけど……。そんな事が言える雰囲気ではないな……。


「その……そんな事もあったような……無かったような……」

「あったの!」


 鏡さんが僕の方を向き直り眼鏡を直しながら強めに言った。僕は頷くしか出来なかった。


「確か……小学校の時は、眼鏡を掛けていなかったよね?」


 僕は、記憶にうっすら残る、もち子さんを思い出していた。


「そうだったわね。ちょっと時間がかかったけど、思い出してくれて嬉しいわ」


 鏡さんは眼鏡を外してニコっと笑う。


「と、ところで針乃くん。今日ヒラ……いえ、ミキキちゃんから、手紙とか貰ったりした?」


 僕は下駄箱に入っていた、ピンクの封筒を思い出す。まぁ、一応あれも手紙だよな……。


「う、うん。貰ったには貰ったけど……一言だけしか書かれていなかったよ……」


 しかも結局、屋上に行っても会えなかったし……。代わりに、トンデモない瞬間を目撃してしまったとは、鏡さんには言えない……。


「そう……。まぁ、内容はともかく、読んだならいいわ」


 ん? なんで鏡さんが、ミキキからの手紙を気にするのだろう?


「鏡さん? ひょっとしてミキキと会って話したりした?」

「う、うん……。まぁ、ちょっとだけね。ミキキちゃんは、針乃くんが手紙をちゃんと読んでくれているのか、気にしているみたいだったから……」

「え? それって、いつ?」


 僕は、詰め寄るように鏡さんを問いただす。


「ちょ、ちょっと。怖いわよ」


 鏡さんは両手を前に出し、のけ反りながら僕をなだめる。


「ご、ごめん。僕、まだミキキに会えないから……ちょっと焦っていて」

「そ、そんな気にしなくても、もうすぐ会えるわよ」

「う、うん……」僕は力なく返事をする。


 普通に考えれば、そうなんだろうけど……。


 僕は、華菊さんの事やドクター・メイの存在を知っているだけに不安でならない。それに、まだ鏡さんは気付いていないけど、バスルームには血まみれの制服や中身の分からない、怪しいダンボール箱が置いてあるのだ。


「ところで針乃くん。手紙と言えば……もう1つ聞きたい事があるの」


 鏡さんは眼鏡を掛け直し、黒いタイツの足を組み直しながら、僕に尋ねる。


「はい……」僕はいつのまにか、ベッドの上で背筋を伸ばして正座をしていた。


「ミスミラからの手紙って……覚えているかしら?」

「……え? ミスミラ!」


 僕は、懐かしい名前に驚き、興奮気味に大きな声で答える。


「勿論覚えているよ! でも……何でミスミラの事を鏡さんが?」


 ――ミスミラというのは、小学校の頃に何度かもらった、手紙の差出人の名前だ。中学の時にも1度だけ、家のポストに届いていた事がある。手紙の内容は主に、健康に関してとか、無理するなとか、気遣ってくれる内容が多かった。


 でも実は、僕はこのミスミラの正体を知っている。


「ひょっとして、鏡さんも、ミスミラから手紙をもらった事があるの?」


 僕は、鏡さんに聞いてみた。


「え? えぇ……そ、そうなのかも……そうか……覚えていてくれているんだ……」


 鏡さんは驚いたように、何故か曖昧な返事をした。


「実は僕……ミスミラの正体を知っているんだよね」


 共通の知人の話が出たような嬉しさがあり、思わず口走ってしまった。


「えぇ!? うそ! え? あ、あの……」


 鏡さんは驚いて、何故か急にそわそわし出した。


「そうか……鏡さんにも手紙が……懐かしいなぁ。ミスミラ元気かな……」

「あ、あの……針乃くんは、本当にミスミラが誰か……知っているの? かな?」


 鏡さんは、ハンカチで額の汗をぬぐいながら、僕の方をチラチラ見ている。


「えぇっと、う~ん……もう言っても良いかな。小学校の時の生活指導の先生だよ」

「せ、生活指導の先生? え? なんで、その先生がミスミラだって思うの?」


 そうか~ 鏡さんは、生活指導の先生になんて関わりが無かったんだろうな……。


「僕、小学校の時にみんなと上手くやれなくて、何度かその先生にお世話になったから」

「お世話になったからって、なんでその先生がミスミラなのよ?」


 鏡さんは、ちょっと苛立っている気がする。僕がミスミラの正体を知っていた事が、気に入らないのだろうか?


「えっと……だって、その先生の名前が……三住みすみ らんだから……」


 先生の名前を知っていれば、誰でもわかるペンネームだと思う。


「みすみ……ら……ん……」鏡さんが小声で呟く。

「あ、先生の名前を知らなかったのなら、気付かなくても仕方ないと思うよ」


 鏡さんがベッドの上で、くるっと背中を向けて肩を震わせだした。最初、泣いているのかと思ったけど、どうやら笑いを堪えているようだった。


 そんなにミスミラの正体が、可笑しかったのだろうか? まぁ、三住先生は真面目でそういうキャラじゃなかったし、意外ではあるけど。


「あはは……。あ~ なんか気が抜けたわ~」


 そういうと、何故か鏡さんはスッキリしたように笑う。


「じゃ、これ。渡すわね。多分、ミスミラからの最後の手紙よ」

「えぇ? ミスミラからの手紙?」


 なんで鏡さんが、ミスミラの手紙を僕に届けてくれたのだろうか? 僕がミスミラからの手紙を開けようとすると、鏡さんが慌てて手紙を取り上げる。


「ちょ、ちょっと。手紙というのは1人で読む物だと思うわよ。大事な手紙は特に……ね」

「あ、うん。そうだね……後で、ゆっくり読む事にするよ」


 僕は、鏡さんの言う事はもっともだと思い、手紙を上着のポケットに入れる。


「ところで鏡さんはどうして、和高さんだっけ? 彼女と一緒に僕の部屋に?」


 僕は、突然2人が、この部屋に来た事が不思議でならなかった。本当に偶然だったのか?


「和高さんとは、さっきそこで会って軽く自己紹介しただけよ。彼女は琴葉野さんの部屋を探していたわ。確か409号室って言っていたかな。でも、突然悲鳴が聞こえて……和高さんが、琴葉野さんの声だって言うから……」


 それで2人揃って、悲鳴の聞こえた僕の部屋に来たのか……。


「えっと、ところで……あの、華菊さんって一緒の部屋だったよね? 何しているかな?」


 僕は、もう1つの気になっていた事を、鏡さんの様子を見ながら聞いてみた。


「え? ええ。やっぱり針乃君も華菊さんが気になるんだ~ ふ~ん。別にいいけど」

「い、いや気になるというか……さっき校舎で見かけたので……ちょっと」


 さすがに、華菊さんが殺される瞬間を目撃したとは言えない……。


「華菊さんなら、こ……あ、いえ、えっと、食事の後に用事があるって、部屋から出て行ったのよね。まだ戻っていないと思うけど……たぶん……」


 鏡さんは眼鏡を直しながら顔を背けたが、一瞬、目が赤く光るのを、僕は見逃さなかった。


「あの、ひょっとして……鏡さん。何か知って……いる?」


 僕は小さな声でそれだけ伝える。僕の耳には、まだ華菊さんの最後の叫び声が残っていた。


「え、えっと、ごめんなさい。ちょっとわからないかな? あはは」


 鏡さんは、少し大げさに困ったように、赤い目で微笑んだ。

そして「やば、余計な事言っちゃった」と小さく呟いた。


 いや、聞こえているし……。ひょっとしたら鏡さんもドクター・メイに脅されているのか?


 僕が俯いて黙っていると、鏡さんは何を勘違いしたのか「頑張ってね」と小さく言った。


「あ、私そろそろ戻らないと。なんか、色々と準備があるみたいだからさ」


 そう言うと鏡さんは、すくっと立ち上がり部屋の出口に向かう。僕は鏡さんを見送って扉を閉めた後、その扉を見つめて少し考える。


 そういえば……鏡さんは、自分で僕の部屋の鍵を開けて入って来た。鏡さんは本当に脅されて来たのだろうか? 華菊さんの事も知っているのか?


 はたして鏡さんは……僕の味方なのだろうか?

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