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怨恨でしょうか?

 その馬車の中には彼女が身につけていた髪飾りが捨てるように残されていた。


 繊細な金と銀の細工が施され、黒のオニキスと細かいダイアモンドが散らされた相当高価な髪飾りなのだ。これに目を付けず捨てるようにおいていくのだから、金品目的でないと思われた。


――怨恨か。


 それはアンジェリカ本人に対するものか、それともグラデュラス公爵家に対するものか、それとも王家に対するものか。


(正直、どれもありそう)


 などと捜査に加わった人たちに思われてしまう哀れなアンジェリカだった。


 宴がお開きとなった時、一緒に来た者、従者、下僕、とにかくいなくなった者がいないかを詳しく聞き取りが行われたが、結局どの家門にもいなくなった者は一人たりともいなかった。



 王宮内の一室で国王はゆるりとリゼル王子に問いかけた。


「それで令嬢をどのように探すのか」


 婚約者を発表するので父にも臨席して欲しいと早馬が届いた時、初めは応じないつもりだったが、共に視察を行っている宰相から、あまり我が儘も言わず普段関わりも薄い王子の頼みなど滅多にあることではない、ぜひ聞いてあげてくださいと、やけに強く勧められ、さらに風の魔法を利用した早馬車まで用意されてしまったため無理矢理に日程調整をして急ぎ戻って来た王は、慶事のはずがとんでもない不吉な事件に巻き込まれてしまい疲れを隠せない表情だ。


 もう、休ませてくれ、と言いたい表情がありありと見て取れる。だが相手がグラデュラス公爵令嬢である以上、おろそかにはできない案件であることも承知なのだ。


「捜査の全権を私にお与えください。早急に軍を動かして迅速に令嬢を救出いたします」


 たかが一令嬢のために国軍を動かすのは、いささかやり過ぎと思われ、軍と聞いた途端にシャリル王子もエバンスも、会議に参加している捜査関係者、さらに軍部関係者の皆が一瞬シーンとして息を呑む。


「軍か……」


さしもの国王も難しげな表情で悩む姿勢を見せたが、リゼル王子の補佐官のオースチンが、恐れながら、と口を挟んだ。


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