表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/162

本日も王宮での目覚めですわ


 結局、本日も王宮の一室、三人は寝られそうな豪華な天蓋付きベッドの上で目覚めた私は、ここでもタイミングを見計らって入ってきた侍女にぎょっとする。

 今朝の担当は黒髪で頬にそばかすのある小柄なビビだった。


 部屋に監視カメラでも付いていないかと見回してみるが、もちろんそんなものはなかった。察知能力、これが侍女力なのか、すごい。


「お目覚めですか? 洗顔の用意とお水をお持ちしました」


 着替えてから鏡台前で髪を整えてもらっている間に朝食が運ばれて来ていた。


 相変わらず私には見慣れた普通の日本人顔の柴崎菜央が映っているのだが、侍女たちはいつも今日も朝から美しいだの、絹糸のような赤い髪が眩しいだとか、全力で褒め称えてくれるのだから、他の人にはアンジェリカには見えているのだろう。

どう見ても日本人体型には着こなせないドレスが、あら不思議、ちゃんと着ることができるのだから、体型もアンジェリカになっているのだろう。


「朝食が冷めないうちにお召し上がりください」


 私の準備を整え終えた侍女のビビがペコリと壁際に下がった。


 部屋のテーブルセットの上に並べられた朝食は、オムレツとベーコン、パンに果物と貴族としては軽い食事内容に思えたが、それがまだ貴族生活に慣れない私にはありがたい。

王宮貴族ならば朝から骨付き肉とか出てくるのかと思っていたが、そんなことはなかった。


「お嬢様、今日の予定ですが」と食後の紅茶を差し出しながら本日の予定を教えてくれる。


 午前はシャリル王子の執務手伝い、午後からはリゼル王子の婚約者候補によるお茶会、と読み上げられて私は手を挙げる。


「午後のお茶会って、私は関係がないと思うわ」


 だってリゼル王子の婚約者候補から外れるってあれだけ主張したし。

 だがビビは無情にも異議を唱える。


「いいえお嬢様。リゼル王子殿下から、必ずお嬢様を出席させるようにとのご命令を受けてございます。もしお嬢様がお出にならなければ、私たち侍女はとがを受けることになります」


 嘘でしょう!?


 候補解消を願い出た小娘をお茶会に出すために人を罰するとか常軌を逸脱している。こんな横暴な命令ある?


(ああ、私の中でリゼル王子の株が暴落していますよ)


 推し一番だったのに、がっかりしましたよ王子様。


 ため息を引き連れてシャリル第二王子の執務室へ行けば、今日は眼鏡の奥の瞳を期待に輝かせたエバンスがガバッと立ち上がった。


「グラデュラス公爵令嬢! 待っていましたよ、ささ、机も用意しましたのでこちらへ」

 歓迎ムード満載過ぎて、逆に怖いわ!


(なんか机まで用意されているけど、私の分だけってことは人員の増員はないってことか)


 いくら効率を上げようとも、この仕事量は多すぎる。

 王はどうやって日々これをこなしているのだろうか?

 だがそんなことを考えている暇はないことは、昨日より書類の量が増えている状況を見れば明らかだ。

 刻一刻と書類が増える。細胞分裂でもしているかのように。


「今日もよろしくね、アンジェリカ嬢」


 爽やか笑顔の成瀬をもってしても、隠しきれない疲労感を見せる笑顔で挨拶をしてくる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ