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勝利と正義と更なる予感

「戦闘終了。お疲れさまでした」


「終わった……」


疲れが急にドッと押し寄せてくる。俺はふらつき仰向けに倒れた。

なんだか今日はわけがわからない日だ。

謎のデバイスは変身するための装置だったし、スターヒーローに襲われるし、そのスターヒーローの正体は出来の思いか生んだ怪人だったし。

一瞬で一週間たったような疲労感だ。


「大丈夫かい正義くんッ!」


相変わらず遠くから叫んでいる出来。


「大丈夫にみえる?たぶん大丈夫だよ」


なんて言い返しながら出来の方をみると……縛られていた。

そういえばそうだったとたった今思い出した。


「ならお願いがあるんだけど、この縄をほどいてくれないかい?」


当然のお願いを聞き入れ、俺は出来のもとへ行き縄をほどく。

あまり固く縛られておらず、縄自体はさっと外すことができたのだが、もし出来が縄抜けの術初級編でも身につけていたら助けなくとも抜けられたのでは?なんてほどのゆるさだった事に驚いた。

やっぱりスターヒーローはスターヒーローだ。

結局憧れのヒーローのままじゃないか。

俺はそれが嬉しくて、思わず微笑んでしまう。


ヒーローにとって強いことは重要じゃない。

大事なのは、本当に守りたいものを守れたかだ。


さきほど響いて聞こえたあの言葉を俺は思い出した。

俺はきっと守れたんだよな。大切な友達を。

でも、本当に守りたいもの……か。

スターヒーロー。俺、見つけてみせます。ヒーローとしてじゃなく、俺として。本当に守りたいものをもっとたくさん。それで全部守ってみせます。

誰かのヒーローになるために。


「なぜ笑ってるんだい?そんなに俺の格好は面白いかな?」


「そうじゃない。別件の私笑」


「そうか。ならいいか」


そんな感じで、命がけの戦いの後とは思えないような会話をした後、俺と出来は廃工場を出た。

正直、こんなに外の空気を美味しいなんて感じたのは始めてかもしれない。

あれから数分たってなお、あの経験を本当だっただなんて未だに信じきれていない。

俺は本当に変身して、本当に戦っていたのだろうか。実は全部夢だったなんて落ちだけは本当に勘弁してほしい。


「しかし、まさか思いが怪人になるなんて思いもしなかった。だれもしらない未知の現象とはこれほど恐ろしいものはない」


「これって自然現象ってやつなのかな」


「いえ違います」


アプリさんの会話を遮った一言は、これが大きな事件になっていくであろうことを察するのに、一秒もかからなかった。


「これは誰かが偶発させた現象であり、自然発生は決してありえません」


しかしこの時、この事件がありきたりを越えたラスボスによる世界支配のシナリオをなぞっていく事になるなんて、俺たちには予測することなんてできなかった。



???


「怪人が消えた?」


暗い部屋の中で報告を受けていた男が、疑問を口にする。

その男の顔は見えない。しかし彼に使えているであろう五人ですら知らないことなのだ。

それでも使えているということは、何かしらの理由があるのだろう。

ただ一つわかるのは、洗脳されている……と言った訳ではないようだ。

本人たちの意思でここに集まっている。

なんとなく、そんな気がするのだ。


「はい。強力な怪人だったことは確かですが、さきほど反応が途絶えました」


五人は立って後ろで腕を組んでおり、その中で真ん中の男が顔もわからぬ男に報告している。


「怪人が自然消滅するなど、絶対にあり得ぬことだつまり……計画の邪魔をしようとするものが表れたと考えるのが妥当だろう」


「しかし問題ありません。計画は順調に進行中であり、もしその邪魔をしようものなら……」


少し間を置いた後に真ん中の男……生徒会長である彼がこう言った。


「我ら正徒会執行部が秩序のための裁きを下します」

本日二回目。今日は特にすることがなく、かといって何かしようともせず、ただだらだらと時が過ぎていくのみ。

正直なにかしたくともやる気がわかんのです。

これが燃え尽きてるってやつかー

次回もよろしくお願いいたします。

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