どうもポーションを受け取りに行くことになりました
アルクは今日のこと思い出し一人夜道を歩き、今後のことを考えていた。
「とりあえずあいつらにはいつか仕返しをするとして、今後のことはどうしようか」
アルクはキリオンに誘われて冒険者になっただけなので、別に冒険者という職業に思い入れというものはない。とは言っても、故郷に帰ろうにも先ほど所持金を全てキリオンに渡したので帰ることが出来ないので、ひとまず借りている宿に帰ることにした。
「お、アルクさん早い帰りですね!」
宿に入って真っ先に声をかけてきたのは宿主の娘のアリア。この宿は冒険者の街『ラグリオル』の中でも穴場も穴場、飯は美味くて最安値、それに金髪碧眼の可愛い看板娘が居る『マスト』という宿だ。
「何か浮かない顔してるけど大丈夫ですか?」
「いや、さっきキリオンにパーティーをやめさせられてきたところなんだよ」
「はぁ? あのスケベクズ、アルクさんやめさせたんですか?」
「いやスケベクズってなんだ」
「実際あいつ碌な噂流れてないし半分事実じゃないですか」
「九割だけどな」
「残りの一割は?」
「もっとマイルドになってる」
そんな話をしてからアルクは本題を切り出す。
「で、俺はパーティーをやめさせられたから。もう故郷へ帰ろうと思うんだ」
「え? なんでですか? 見返してやりましょうよ」
「復讐しようとも考えたんだけど、あいつらの言っていることも事実だしな。ま、どっこいどっこいってところだろ」
「えー、何があったかは知りませんけど釈然としないなー。もっとお喋りしたかったのに」
「別に明日帰るわけじゃないからね? 帰ろうにもお金が無いからね」
「あ、そうそう! 一つ頼みたいことがあるんでした、帰る足しになるかわかんないですけど少々の報酬も出しますよ」
「なんだ?」
「実は家で今度からポーションの販売も始めようと思っていましてね、それで明日届くんですけど」
「行動が速いな、流石女将さんだ」
「母は何も考えてないだけだと思いますけどねぇ。まっ、それで一人で運ぶのが大変なので手伝ってほしいってことです」
「別にそれぐらいだったら報酬いらないよ、なんか悪いし」
「いえいえ、お客さんを働かせるんですからそれぐらい当然です。それに受け取りがギルドなんですよ、ここまで結構遠いので」
「まあそれじゃあ有難く受け取ることにするよ」
そういってからアルクは自分の部屋へと入った。部屋に入るとアルクは力なく椅子に座る。
「……キリオンにしっかりと説明をしておけばこんなことにはならなかったのかな……俺の能力『呪い』を。だけど、それは出来ないし、してはいけない。こんな能力なんて」
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