どうも信じていた仲間から追放されました
ギルドの食堂で男二名、女三名のパーティーが話をしている。
「アルク、お前には俺達のパーティー『世界の頂点』を今日限りでやめてもらう」
金髪で見るからに冒険者っといった風貌のパーティーリーダーキリオンが、赤黒い色のローブを着た黒髪の男、アルクにそう宣言した。
「嘘だろお前、ホントに言っているのか?」
「本当だ、お前には前々からうんざりしていたんだ」
「どうしてだ、俺達は故郷を出てから今まで一緒に頑張って来たじゃないか!」
「一緒に頑張って来た? 馬鹿を言うな!!!!!!!!」
そう叫んでキリオンが机を叩きつけた。
「頑張って来たのは俺達四人だけだろうが!!!!!!!! 俺達がモンスターと戦ってる間お前はいつも何をしてる!!!!!!!! 後ろの方で見てるだけだろうが!!!!!!!!」
「そ、それは―――」
「言い訳は聞きたくない!!!!!!!! 俺達はもはやAランクだ、Sランクももう目前だ。だからお前みたいな何もしないクズは俺達のパーティーにはいらない」
アルクの言葉を遮り、キリオンは持っていたガラスのジョッキを投げつけた。それはアルクの頭へと直撃し、血が床へと飛び散った。
「っツ!?」
「そうよそうよ! あんたみたいなクズはいらないのよ! 今日だって私がモンスターに食べられかけてた時に突っ立ってただけじゃない! パーティーメンバーの危機にすら何もしないならあんたなんていらないのよ!」
紫色の髪を後ろで束ねた盗賊の女、クシルは、キリオンの後ろから身を乗り出しアルクを責める。それに続くように他のメンバーもアルクに日頃の鬱憤を晴らすかのように、悪口を言い放つ。
「ていうか初めて見たときから思ってたけどあんた根暗で気持ち悪いのよ!」
そう言い金髪剣士のカリーナはキリオンへと抱き着いた。
「そうですね、私たちのパーティーはこれからこの街を代表するパーティーになっていくのです、ですのでこのタイミングでこんなパーティーの汚点を切り離しておくというキリオンの判断は正しいと言えるでしょう」
そう言って青髪魔術師のケアンはキリオンへとキスをする。
「(っち、結局そういう事かよ。結局のところ俺のことが邪魔だってだけじゃないか。仲間だと思っていたのにそんな風に思っていたのかよ!)」
「なんだよ、何か言いたいことでもあるのか?」
「いいよ、こんなパーティーこっちから抜けてやる」
アルクは席を立つ、が、その時キリオンが言い放った。
「おいおい、ただ抜けるだけじゃ今までお前がいたせいで出た被害は取り返せねえよな?」
「……何が言いたい」
キリオンはいやらしい笑みを浮かべてこう言った。
「有り金とてめえの装備、全部おいていきやがれ。それで許してやるよ」
「……いいだろう」
そうしてアルクは持っていた金と装備を置いてギルドを出て行った。
「はっはっはっはっは!!!!!!!! これであのクズがいなくなった! 今日は飲むぞーーーー!」
「「「おーーーーー!!!!!!!!」」」
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