表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

職業②-「運」とは

-これから先、どうすべきか。。。一人で脱出することはできるのか?それは無理だろうな。仮にこの島を船か泳ぎで出ることが出来ても船の操縦が分からない。泳ぎは考えるまでもないか。この世界は地球とは違って強力なモンスターが存在する。多分海にも存在するだろうし当然襲われて死亡するだろうな。そもそもどの方角に向かっていけばいいのか分からない。脱出するなら船の操縦者と現在地から大陸の接岸ポイントは必要不可欠だ。脱出を願う若しくは目論むメンバーとの合流だな。


 トマスは考えながらふと思う。


 -俺みたいなガキをそもそもメンバーに加えるか?もし俺が犯罪者みたいな連中の立場だったら躊躇するな。スキルの説明をして戦力に加えてもらうか?だが、現在の現状把握の状況だとそのスキルも役立たないと見られる可能性があるか。。。だとしたら俺が今もっている能力で役立てそうなものは・・・・


 「バリス、職業って好きなタイミングで変更できるのか?それと職業によって取得できるスキルにも傾向とか補正ってあるのか。」


 

 「職業はステータスに載っているのであればステータスプレートで変更できる。補正ももちろんあるぞ。剣士なのに魔力が以上に伸びるってのも変な話だしな。ただ、注意しないといけいことが1点ある。レベルによる補正に関してだが、例えば魔法使いの職業の人間がレベルあがる手前に職業を剣士に変更したとする。その結果どうなったか「力」「体力」は殆ど上がらず「魔力」「知性」が上がるそうだ。こういった方法で色々と確認したみたいだが、結論として経験値を得てレベルが上がるというのはあくまで「経験」値なのだから、レベルが上がる間のソイツの経験を元に補正されているというのが今の通説だ。スキルもそういう感じらしい。シェフが剣術覚える為にレベル上がりそうな直前に剣士になって剣術やったって「力」が上がるわけでもねぇ。というか、普段の鍛錬でもステータスプレートには変化が現れたりするんだから、その通説はあながち間違っていないと思うし、俺も正しい説だと思っている。」


 「それじゃあ、シェフなのに剣術の練習ばっかりしてレベルが上がったら、剣術スキル覚えたりスキルレベルがあがるの?」


 「疑問に思うとこだが、そういうことだな。というか、世の中にはザラにそういうタイプはいるから、変に喧嘩売ったりするなよ。優しそうな村長の杖からいきなり複合魔法飛んできたりする事もあっからな。」


 「それじゃあ、あくまで「経験」に対して職業の補正がかかっていて、レベル自体はきっかけにすぎないのかな?」


 「そこまでハッキリしているわけでもないんだ。ただ、方向性は間違っていない。「経験」対して職業補正が掛かって、レベルは別で恩恵を受けてる側面がある。だから剣士なのに「知性」「運」があがったりする。関わっている場合もあるが連動していないこともある。そういう考え方がいいと思う。」


 「なるほどね、それじゃあ2人同じレベルとして剣士としてレベルを上げた者と、めちゃめちゃ肉体を鍛えまくった喜劇役者だと「力」「体力」はどっちが上?」


 「一概には答えられないが、恐らく同じレベルであれば喜劇役者が上だ。毎日鍛えて「力」「体力」を上げているからな、ただ、実践経験やそれこそ武器関係のスキルは剣士が高いから戦闘になれば剣士になる。「力」「体力」高くても武器持っているやつに勝つにはどうしても戦闘経験や「運」なんかも必要だしな。」


 「そういえば「運」って何なの?これ平均ってどのくらいなのか?」


 「運か、俺も調べたことがあるがこれは諸説存在していてな。まず逆に質問するが。「運」と聞いて君はどう考える。」


 「そりゃ、運の数値が高いと運が良いとか幸運とか強運とかがソイツにはある。みたいなイメージを持っているよ。」


 「そうだな、この国の国民全てが最初はそういう認識だったんだが、学者が司法とか教会と協力してな色々と分からないことが浮上してきたんだよ。受刑者のステータスを確認して分かった事だったんが、ステータスの平均は13だったんだ。これは国民500人の平均とほぼ同じだった。犯罪者や国民で稀に20越えの人間も現われるし、5以下の人間もいたが、彼らが特質幸運だったかどうかというのも彼らの半生を聞いても何か変わったことがなかったんだ。そして、幸運な事があった者を対象に調べても数値はバラバラだった。つまり、幸運とか不運とかに左右される話ではないというのが大方の考え方になっている。」


 「そ、そうか。」


 「まだ続きはあるぞ、そこからある学者が言い出したことだったんだが、「選択肢を増やせる可能性」ではないかと。数値が高い者と低い者の半生に着眼点を置いて検証を始めたら彼らには割と明確な分岐点が見え始めたらしいんだよ。さっきの答えに戻るのだが「運」の数値が高い者は過去にから現在に至るまでに多くの選択肢があったみたいなんだ。それに対し「運」の数値が低い者は選択肢が限られているという場面が多かったみたいなんだよ。つまり、その学者が言うには「選択肢の多さがステータス上の「運」なのではないか。」ということだ。だから犯罪者や国民の現時点を見ても答えはでなかった。現在の犯罪者や一般の国民を見ても現時点の結果しか見えてないし、数値の高い当人に聞いてもなかなか分岐点の答えが出てこなかった。「人は自分の行動を基本的には正しい」と思い行動しているから分岐点などと考察するものは少なかったのではないかと。」


 「難しい話だな。おまけに結論も出しづらい。」


 「まぁな、それとは別にもう一つ提唱されてるんだが。。。これは突拍子もない話なんだが、今から何千年も昔は人族も魔人もエルフもドワーフも亜人族も全て運の数値は高かった。それは神の扉をくぐる資格を持つ者の証という説だ。昔の人々は皆、神に仕えその証明するものとしてステータスプレートを提示していたという壁画が魔人族の祠にあるらしい。それがステータスの中の「運」の数値だと提唱しているんだ。だが、これは称号やスキルで何かを証明している可能性もあるし、もしかしたら単純に犯罪者を確認している壁画かもしれないということでこの説は燻っているのが現状だな。」


 「なるほど。まぁそうなるだろうな。レベルで運が上がったりするのか?」


 「上がることもあれば下がることもあるらしい。また、レベルとは関係なしに気が付いたら上下していた場合もあるのを確認している。もちろん「力」や「魔力」も鍛えてればレベルに関係なく数値は上がったりするから自然なことなんだが、「運」に関しては上下する理由が分からないそうだ。」


 -正直、今考えても助けにならない可能性がある内容だな。ただ、選択肢が増える可能性か。。。。


 トマスは自身の職業の多さと「運」の数値が高い事実を考察し、前者の内容を踏まえることにした。そして徐に職業選択の欄から武道家を選択した。


 -武器が無い以上、現状は格闘家を選択し身体を鍛えていこう。それと同時にまずは魔法を使えるようにならなければ現状での戦闘は厳しいはず。


 ー----------------------





 名前:トマス・フローディア


 年齢:13歳


 LV :7


 職業:武道家





 力 :13


 体力:13(+2)


 魔力:8


 知性:51


 運 :21





 スキル:チャンバラLv9 剣術Lv1 体術Lv2 多感Lv1


称号 :「親殺し」「記憶の残滓」 


 ー----------------------


 -僅かに体力が上がったか。


 ステータスプレートと睨めっこしていると、廊下の奥から「コツッ、コツッ」と足音が聞こえてきた。一人のようだ。


 「おお!おお!ブロディアスのガキはまだ生きてるみてぇだな。」


 牢獄越しに現れたのは青く輝く鎧を着た王国騎士の人間だった。



なかなか前に進めない。。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ