表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/28

客に媚びる、売れ線を狙う、商業主義……これって普通じゃないか?

 表現は様々ですが、タイトルのような言葉を用いての否定を聞いてたりすると、首をかしげたくなります。

 いったい何が問題なのかが見えてこないからです。

 言ってる方々が何を憂い、何を危険視し、何に継承をならしてるのか。

 残念ながらそこが見えてこないから何とも言えません。

 これらの言葉にも、その原因があり、それによって引き起こされる問題があり、だから悲惨な事になる前にどうにかしようという意図があるのだと思いたいのですが。

 困った事に、

「客に媚びる、売れ線を狙う、商業主義」

といったものの問題点を俺は知りません。

 おそらくどこかにそういったものがあると思うのですが、ありかが分からないから知りようもない。

 いずれ知る機会が巡ってくるのを待つしかないと思ってます。



 ただ、これらに何の問題があるのかは正直分かりません。

 極めて当たり前であり、否定する要素が全く感じられないからです。

 商売として、食い扶持として文章を書いてるならば、客の動向、ひいては市場の流れを見て売れそうなものを作るのは極めて自然ではないでしょうか。

 売れる物を書いて売る…………そこに何の問題も感じられません。

 極めて真っ当な、健全な態度だと思います。



 食い扶持を稼ぐというのはそういう事だと思うし、その為に客の動向や意向を知ろうとするのは当然でしょう。

 そして読んでて楽しいものをこさせていく。

 楽しいものと言っても色々な種類があるでしょうが、とりあえず多くの方に読んでもらえるものというのは、絶対外せない原則でしょう。

 儲けを出すにはなるだけ多くの人に読まれるようにしなくちゃならないですからね。



 そして、多くの方に読まれる、愛読されるというのは、それだけの価値がそこにあるからだと思います。

 読んでみたい、読み続けたいと思う内容だからこそ多くの人が買うのではないでしょうか。

 でなければ誰も手に取りません。

 誰も見向きもしない。

 それにはそれだけの価値しかなかったという事ではないでしょうか。

 言っててかなり泣けてきますが。



 手にとってもらえる、目を通してもらえる、というのはそれだけのものがあるからです。

 特に金を出しても手に入れたいと思うものなら、何らかの良いところがあると考えた方が無難ではないでしょうか。

 何の意味もないものがそうそう大量にはけるなんてのは考えにくいものがあります。

 よほど流行になってるものでもない限りは。

 もっとも、一時の流行であっても、大量にはける、人気があるというのはただ事ではないと思います。



 そう考えてるので、売れるものを作るというのは悪い事には思えません。

 客のことを考え、客に楽しんでもらうために苦心し、客が求めるものを仕上げていく。

 その為には、最低限度の完成度などが求められるはずです。

 売れるには売れるだけの理由があるのが普通でしょうから。

 なので、売り上げ目当てとか、商業主義などと言う言葉は褒め言葉として使った方が良いのではないかと思います。

 そこには買い手である相手への思いやりがなければ成り立たないものがあるからです。



 詐欺師の類でない限り、商品となる水準のものを作り出すのが売り手に求められるでしょう。

 でなければ売るにも売れません。

 もちろん宣伝の仕方や売り出し方で変わるものではあるでしょう。

 けど、これらも売れるものがあっての話。

 何もなければ売ることも出来ません。

 ……それをやってしまうのが詐欺師というものではありますが。

 だが、まともに商売するなら、売り物の用意は必要なはず。

 それも、金を出しても良いと思えるようなものを。

 それって、陳腐でくだらないものであって良いのですかね?



 などと思うので、売れてるものや人気のあるものには何かしら良いところがあると思ってます。

 意味や意義とか言っても良いかもしれません。

 長続きするようなものならば、何らかの理由がそこにはあると思います。

 だからこそ、売れるものを目指す事の問題点が見あたりません。



 というところで、小説家になろうに無理矢理からめまます。



 ランキングの上位にあるものはそれなりに価値があると思います。

 例え日間でたまたま顔を出しただけのものであっても、そこまでに至るだけのものを出してきたはずなのですから。

 それを否定する事は無理だと思います。

 もちろん埋もれてる、ランキングに出てこなくても良作はあると思います。

 でも、埋もれずに出てきたものが悪いものだという事にはならないでしょう。

 埋もれてるものの中にはランキングにあるものよりも優れたものがあったとしてもです。

 両者を比べればどちらかが優れてると言えるでしょうが、求められる水準を満たしてるかどうかという事とは関係がありません。

 読んでて楽しい、面白いといえる水準をこなしてるなら、それはどちらも素晴らしいものだと思います。

 ランキングなんか関係なく。

 でも、ランキングに顔を出すまでになってるものは、数多あるそういった優れてるといえる水準を超えてなお評価されたという事ではないでしょうか。

 不正をしてるものは当然除外しますが。



 金はからんでないかえど、多くの人が評価して点数を投入した結果です。

 その結果、多くの作品から選ばれてるのです。

 やはりそれだけの価値があると思います。

 それが客に媚びてる、売れ線である、テンプレ通りである……というようなものであっても何か問題があるのでしょうか?

 読んでる人達の期待に応えてるのであれば、よほどの事が無い限りは素直に賞賛したいところです。

 読者としてそう思います。

 書き手としては大変な事でありますが。



 もちろん評価を気にせずにやっていくのも良い事です。

 他人に見せるかどうかなんて関係なく、好きだから物語を書きたい、というのは素晴らしいものだと思います。

 それが人の目に触れた時に、周囲から多くの賞賛を得る事もあるとも思います。

 誰かに見せる事を目的としたものでなくても、人の目に触れた時に結果として多くの支持を集める事もあるでしょう。

 でも、これだけが素晴らしい、これだけが優れてるとは言いません。

 それもまた、よりよい物を作り出すための道の一つであるという事なのでしょうから。



 こんな事を言ってる理由はもう一つあります。

 他人の意見に左右されずに作りたいものを作るのは大変困難だからです。

 そんな事が出来るのは商売とは関係なく作品作りが出来る環境がなければいけません。

 となると、それなりの資産家か、全てをなげうった世捨て人でなければならなくなってしまうと思います。

 働かなくても一定の収入が確保出来る資産家ならば、創作活動での評価など気にしないで良いでしょう。

 全てを捨てた、あるいは失った世捨て人ならば、今更何かを失う事をおそれる必要もないかもしれません。

 生活に全く影響を及ぼさないという条件を満たさないと、創作だけに没頭する事は不可能ではないかと考えてます。

 ……世捨て人というか、全てを失ったら創作どころじゃなくなるでしょうが。

 ……でも、開き直って、死ぬまでの間に好きな事をやるという事が出来るかもしれない。

 言い換えると、それくらいでなければ、好き勝手に自分のやりたい事だけやるのは難しい──そう思うんです。



 例え金がからまなくても、やはり世に出すならば多くの人に見てもらいたい、評価が欲しいと思うのが人情ではないでしょうか。

 でないならば、作った作品を自分の部屋に置いておくだけで良いのですから。

 小説を小説家になろうに掲載する事もないでしょう。

 これだけが目的ではない人もいるでしょうが、それが目的ならそれなりの行動をしていくべきでしょう。

 少なくとも誰かに楽しんでもらえるような努力は必要なはずです。

 それが客に媚びるという事ならば徹底的に媚びるべきでしょう。

 何が問題なのでしょうか?



 欲望に突き動かされているというならその通りでしょうが、何が問題なのでしょう。

 人間、清廉潔白で純真な思いで動かなければ全て駄目なんでしょうか。

 それはとてつもなく難しいかと思います。

 何らかの欲求によって動いてる、それで誰かが幸せになり、被害は全く無いなら万々歳ではないでしょうか。

 そうではないというなら、何が良いものなのかを提示してもらわねばなりますまい。

 どんな理由があろうと、これが出来ないなら説明にはならないでしょうから。



 客に媚びる、売れ線を狙う、商業主義。

 これらについて何を問題視してるのか?

 これ、結構悩んでます。

 ここに書いてる事とは違った視点観点からの意見であってもかまわない、むしろそれが普通だと思うので、それを知りたいと思ってます。

 もっともこれも巡り合わせでしょうが。

 いずれ機会がある時に知る事が出来ればと思います。

 果報は寝て待つものだそうですし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ