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駄目というならその逆が良いのだろうか

 ものすごく極端ですが、テンプレはいや、という言葉を素直に受け止め、その逆を考えてみましょう。

 もっとも簡単に思い浮かべる事ができるものの一つであろうからです。

 単にテンプレの内容を反転していくだけなので、大したことではない。

 その分、分かりやすく簡単にテンプレ以外のものになるかと。


 まずはテンプレというか、定番というか、そういったものが、


・異世界転移や転生

・主人公最強

・ハーレム


というものとします。

 他にも色々あると思いますが、とりあえずこのあたりが基本だろうという事で。

 何にせよ、何かしら基準を決めておかないと何も出来なくなりますから。

 そして、これを逆転させます。


・現実世界

・主人交最弱

・独身、もしくは恋人や配偶者をとられる


 ものすごく簡単に考えるとこういう事でしょうか?

 なんというか、まさしく底辺ではないかと。

 これ、書いてて楽しいのか、楽しくできるのかと思いました。

 それに、読みたいという人もどれだけいるのでしょうか?

 いるにはいるかもしれませんが、それほど多くは無いような気がします。

 あるいは、潜在的な需要があるのかもしれませんが。

 しかし、これなら別に創作ではなく、世間に散らばる体験談を拾い集めるだけでよいのではないかと思います。

 それこそ、創作物など絶対到達できないリアリティというか、事実がそこにあるわけですから。



 これはさすがに極端にすぎるにしても、おおむねこんな調子の話を書いたとして、それをどうやって面白くするんでしょうか?

 結構難しくなりそうに思います。

 とりあえず、個人的にはそれほどうまく話を作れる気がしません。

 俺の能力不足が最大の理由でありますが。

 他の方なら上手くやれるかもしれません。

 それも保証されてるわけではありませんが。



 テンプレ嫌い、テンプレ否定の方々もこういうのが読みたいのかどうかわかりません。

 今回は分かりやすくテンプレと言われる要素を逆転させて考えてるだけです。

 本当に真逆の内容を読みたいわけではないかと。

 ただ、分かりやすくするためにやってみました。

 しかし、やってみると自分でも「なんとまあ」と驚いてしまいました。

 なるほど、こうなるのかと。



 ここまで極端でなくても、こういった条件に近いところでいくと、本当に普通な話になっていくかと思います。

 普通に生活して、普通に生きていく。

 そういった情景を淡々と連ねていくことになるんじゃないかと。

 日常系といえば日常系になるでしょうか。

 ただ、日常系という作品も、なかなかありえないことが起こったりするので、完全な日常風景というわけではないような気もします。

 なかには本当にごく普通の日々を本当にそのままに表現してる作品もあるのかもしれませんが。

 残念ながら、俺はそういった作品を知らないのでなんともいえません。



 あと、テンプレや定番展開を逆転させた上記の条件ですが、これって最近よく見るNTR(寝取られ)というものとほぼ内容がかぶる気がします。

 ただの偶然ではありますが、そういったものに興味があるという事なのかな、とも思いました。

 だとしたら、昨今は様々なNTR作品があるので、そちらをご賞味すればよろしいかと。

 まあ、さすがにそういうつもりでテンプレ反対や定番否定をなさってるわけではないでしょうが。



 ただ、本当にこれが疑問というか不思議というか分からないことであるのですが。

 つまり、テンプレ否定なり反対というのは何を求めてるのだろう、というのがどうしても疑問として出てきます。

 否定したり反発したりというなら、何かしらなじめないものがあるのでしょう。

 人間のそりが合う合わないがあるのでこれは当然だと思います。

 では、いったい何を求めてるのか?

 そこが全く分からない。

 否定や反対なんてのはそんなものです。

 これ、結局は否定して反対してるものに頼ってるのと同じではないでしょうか。

 だって、否定・反対してる存在がなくなれば、この意見も消滅するのですから。

 否定や反対というのは、それをしてる対象があるからこそ存在しているからです。

 もちろん全てがそうだというわけではないかもしれませんが。



 しかし、

「では何がしたいんだ?」

という疑問は常につきまといます。

 だって、「これが欲しい」という部分が全くないのですから。

 そんなんじゃ、何を提供してよいのか分かりません。

「こういうのじゃないのが欲しい」

ではだめなんですよ。

「こういうものが欲しい」

というのでなければ。

 否定では注文はできません。

 注文するなら、しっかりとした指名が必要です。

 少なくとも俺は否定だけから何が欲しいのかを当てる自信はありません。

 当てるにしても、かなり長い時間がかかるでしょう。



 欲しいのは提案です。



 否定や反発などから分かるのは、その人がこういうのが嫌いなんだなという事くらいではないでしょうか。

 でも、それは提案にはならないでしょう。

 ならないから、何も提示されない。

 提示しようと思っても、何を求めてるのか分からないから出しようがありません。



 ……否定や反発だけが目的なら、注文や要望などはないのかもしれませんが。



 なんにせよ、これは嫌いというだけでは形になりません。

 参考にしようにも出来ません。

 もし多少なりとも何かが欲しい、こういうのが良いというのであれば、それを発表しなくちゃならんでしょう。

 それこそ、記号の羅列でもかまいません。

 小説家になろうで基本的に用意されてるキーワードをいくつか並べてみるだけでも違ってきます。

 ジャンルである「恋愛」「ファンタジー」「歴史」「SF」などでもかなり形がはっきりしてきます。

 公式キーワードなでをいくつか並べるだけでも大きなものです。

 こういう記号の羅列だけでも、何が求められてるのかが見えてきます。



 これらが分かってくると、何が求められてるのかが見えてくる。

 見えるから作りやすくなる。

 大雑把でも方向が分かってるから、それに沿ったものを作っていける。

 これが分からないから、市場調査などが必要になるのではないかと思います。

 分かっていれば、そちらに向かっていけばよいと考えられるのですし。



 いわゆるテンプレや定番がはやってるのは、ここにも理由があると思います。

 どういうわけか分かりませんが、昨今はこういったものが人気があるようです。

 ならばそちらになびくのが人情というものでしょう。

 なにせ、それが人気ある、求められてると分かってるのですから。

 求められてるものを提示して何が悪いのか、とも思います。

 それがよほど公序良俗などに反してなければでもあるでしょうが。

 もっとも、グロや反社会的なことを扱う作品もあるので、これらが絶対とはいえません。

 なんにせよ、求められてるのが分かってるからそちらに向かっていけるのは確かかと。



 テンプレ否定や反対・反発の方々は、それはそれでかまいません。

 ですが、せめて、

「テンプレはいや」

で止まるのではなく、

「こういうのが読みたい」

まで出して欲しいです。

 こちらとしても、需要があると分かればそれに応じようとも思いますし。

 手を出す余裕があるかどうかは別ですけど。

 それでも、求められてる、少なくとも一人は読者がいてくれるならやりがいもあります。

 もちろん、そんな要望を出す必要性とうか義務はありません。

 強制や強要も出来ません。

 その場合、何がしたいのか、何が欲しいのか分からないので、残念ながら無視するしかなくなります。

 くみ取りようがないからです。



 話がかなり飛んでしまいましたが、反対や反発、否定といったものについて俺が考えることの一つがこれです。

 求められてるのは何かと暗中模索してるよりは、明確に何か提示してくれたらなとつくづく思います。

 そうなれば、もう少し建設的に何かが進められるとも思うのです。



 まあ、確実にうまくいくとはさすがにいえません。

 世の中何がどうなっていくかなんて分からないのですから。



 それでも、こんな文章が多少は何かの役に立てばなあ、と思ってはいます。

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