10月14日
僕はたまに自分が他人だと錯覚する事がある。なぜなら、考える前に言葉が溢れ出てきて、気がつく前にしゃべり始めている。しかも僕の立場を悪くするようなことばかり言うのだ。僕を陥れようとする他人。あなたは、いったい、だあれ?
アヤミ 「ミスズと、ラクロス部のカミジョウ君付き合ってるの知ってるでしょ」
僕 「うん」
「あんな二人どうおもう」
「どうおもうって?」
「だから、学校とかでも、いつもいっしょにいるでしょ、ごはんとか、行き帰りも」
「そうだっけ」
「そうよ、あんたはあの二人みたいにいつでもラブラブ(彼女はホントにこういった)っていうか、あんなの、嫌い?なんか、いつでもどこでもドキドキとかできてるんじゃないかなって、私思うの」
「どこでもドキドキか、いいね。どこでもドアみたいだね。ドラえもんに、お願いしなきゃね。どこへ行くのもホントにいっしょになるね。電車に乗らない分時間が節約できるね。退屈もしないだろうね。事故にも遭わないし、もし飽きてもすぐ帰れるもんね。飛行機に乗れないのはちょっと残念だけど。僕はあの離陸するときの不安さがとても好きだよ。興奮してるって分かるんだ自分で。ドキドキしちゃうよね、またドキドキっていう言葉が出てきたよ。ほら...」
「あんたはいつもそうやってまじめにこたえない...いつも...いつも」」
「違うんだよこれは僕が喋ってるけど実をいうと、ほらこいつ、いやちがうんだ、喋ってるのは僕じゃなくてほらほら、今脳から逃げてきたでしょ、指先に。だからほら、勝手に手が。畜生!」
手が勝手にアヤミのおっぱいを触ろうと・・・・。
アヤミは僕の手を振り払い、
「私はマジではなしてるの。いいかげんにして!」
行ってしまったアヤミの言葉が僕の頭でくるくる廻る。まじではなしてるのいいかげんにして・・マジデハナシテルノイイカゲンニシテ。
初めて聞いたどこかの外国語のよう...。
そして他人のあいつの言葉がアヤミの言葉を頭の中で犯すように、「ざまあみろ」
畜生!