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10月10日

渋谷のヤフオフの前を歩いていたら20代ぐらいの男に声をかけられた。

「すみません、あなたが今一番興味を持っている事はなんですか」ひどくひげの濃い男だった。

彼は僕の方に斜めに向きながらボールペンと大きな手帳を持って、上目使いで横歩きしながらついてきた。蟹のようだった。スマホでなく手帳であるところに感心して僕は一言だけ答えてあげる事にした。

「セックスです」 これはほんとの事だ。彼は怪訝そうな目で僕を見つめた。それから鼻をひくひくさせた。そのあと馬鹿を見る目になった。

正面ををむいて歩き出した僕に「そうですか、それだけなの」と投げやりに聞いた。

「もちろんですよ、僕はそれ以外にかんがえることなんてないんです。他の人もそうだと思うんだけど。おにいさん蟹みたいですね、横歩き」

彼は世も末とばかりにかぶりをふり、他の通行人にぶつかって、「失敬」などといいながら去っていった。いまどき「失敬」というのも、どうかと、僕は思った。

そして目的のヴィレヴァンは閉店・・・。

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