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カオスポイント

作者: 尚文産商堂

立木があるとしよう。

その立木を伐るとき、その点を超えたら、戻すことができなくなるという瞬間がある。

軌道修正ができなくなる瞬間、それをカオスポイントと呼ぶそうだ。


人の関係もそうだ。

あるところまでいくと、そこから後戻りできなくなる瞬間が訪れる。

「結婚、してくれる?」

ある日彼に言われた言葉。

これが、私にとってのカオスポイント。

あとはずぶずぶと彼におぼれた。

結婚して、子供も作って、そして先立たれて。

それでも、彼と一緒にいて幸せだったと思う。

あの時の決断は、間違いなかったと思う。

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