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蝶と造花と
蝶々の羽が上下した
花の蜜を吸う優美な姿
落っことした声を集めて添えてみる
それだけで変わる何かに期待して
スケッチブックと向き合った
好きだから好き
菜の花畑を飛び出して
たった一輪
プラスチックの葉にとまる
今日も君がやってきた
青紫の造花に純白の羽
果たして君は何が欲しいのか
好きだから好き
菜の花畑の友だちが
忠告しても
透明の粒が輝く場所へ
人工の雫は造花を飾る
僕も君も儚い存在に思える
さよならの時間かな
空っぽの部屋で探した
何もない
あの人も好きだった花すらも
通りすがりの女がつぶやいた
「嫌だわ、蝶の死骸が……」
スケッチブックには菜の花畑
窓辺の蝶々と一輪の造花
そして
『好き』と