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五月病と花模様の鎖
梅雨前線 夜の静寂
涙をこらえて立ち尽くす君
雨粒だけが降り注ぐ
慣れからくる言葉に突き刺され
一歩踏み出す勇気を奪われる
濡れた君は私を振り返った
桃色の鎖を結ぶ
小雨日和 昼の憂鬱
無数の雫 ガラス窓を伝う
指先でなぞる花模様
慣れからくる怠惰に身を任せ
一歩踏み出す元気を失った
萎れた君は私の名を呼んだ
桃色の鎖が揺れる
春を恋しく 桜を求める
君が結ぼうとするその絆を
私は断ち切って 振りほどいて
泣き叫ぶ君に さよなら を
君を自由にしたいんだ
雨が止んだ
君の頬に虹がかかる
これでいい
私は微笑んで 最後の花びらを飛ばした
そのうち夏が来るさ