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Persona breaker -仮面を壊す者-  作者: アリシア
1章 ケテル王国
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9話 出発

気付いたとき、俺はベッドに寝ていた。そこで、昨日自分があの後に何をしたのかを思い出す。


ギルドから集合場所にしていた、おっさんの店に着くと、他のメンバーももう既についていて、帰ってきたのだった。

無事に全て買えてホッとしていたら、会議中に、いつのまにか寝てしまったらしい。そして、その後に誰かにここまでつれてこられたのだろう。その辺りの記憶が曖昧だ。

怒られるかな…とか不安になるが、今日は実戦の日だ。気力を削ぐような言葉を言うことはないと考えてよいだろう。


まあ、怒られたら怒られたでその時に反省すればよい。


「さて、準備するか」


寝巻きがわりにしているジャージを脱ぎ、冒険者の服に着替える。見た目はやはり大事なもので、統一感を示したり、チームワークを示したり、大きな影響をもたらすものだ。

事実として、『ユニフォーム効果』があるわけだし、その効果は本物だろう。


一通り身支度を終えると、ドアをトントン、と叩く音が聞こえた。俺は扉を開けると、華凛が俺を部屋に押し戻しながら侵入してきた。


「ほらほら!やっぱりだよ!」


……何がやっぱりなんだよ。


「カーテンくらい開けなさい、よっ!」


華凛はそう言って、南側にある窓からの光を遮っていたカーテンを勢いよく開ける。シャラァァァァと、カーテンのランナーが滑っていく。

カーテンがなくなったことで、そこから光が差し込んできた。その眩しさに手で視線を制限すると、いくらかよくなった。


「ほらほら、早くしないとみんな行っちゃうよっ!」

「分かった、分かったから腕を引っ張るな!」


腕を引っ張ってくる。なぜにそこまで急ぐのか分からない俺は、対応に困りつつも、仕方なく付いていくことにした。


長い廊下を走り終え、玄関を出ると、武器や荷物を馬車に入れ込むメンバー達がいた。

疲れきっていて、会議についての話を知らない俺は、当然ながら、馬車につめこむ作業を自分達がすることをしらなかった。しまった…などと思うが、過ぎてしまったものは仕方ない。そんなことを考えるくらいなら、これから手伝うことに専念すべきだ。


「………いつまで手を握ってるつもりだ?」


廊下を走っているときは気にならなかったが、そう言えば、つれられてきていたのだった。先導していたのは華凛であり、手で引っ張るように来ていたのだから、当然握っているわけだ。

止まったときに、握っていたのを忘れていた俺も悪いが、当事者の華凛も悪い。まあ、どっちもどっちだ。


「あっ!ゴゴゴメン!」


彼女は慌てて手をばっと離すが、表情は心なしか、残念そうに見えた。

手を握っていた右手は未だ彼女の体温を残しており、それが俺を気まずくさせる。


「さて、手伝うかっ!」


俺は久々に張り切った声をあげていった。これも、ソート……おっさんのお蔭。そんなことに気付くこともなかったのだが。


馬車に一通り積み込んだ後に、それを整理し終えた俺たちはいよいよ草原にいくことになった。これも会議で決まったことらしいのだが、各班ごとに別々のところで練習をすべきということで、比較的安全で、数の多い草原に決まったらしい。


「さて、出発しますか!」


この馬車の操縦を任されている騎士が張り切った声を出している。

各班ごとに、騎士が二人ずつつくようになっている。一人は馬車の操縦を、もう一人は万が一のことがあったときのために備えてのベテラン騎士だ。

俺も含めてこいつらでは、正直不安だったので、それを聞いたときは安心した。


「おいおい、早く乗ってください!置いていきますよ!」

「ああ、今行く!」


岡部に言われて、他のメンバーが既に馬車に乗っていたことに気づく俺だが、慌てずに冷静になって乗った。


「出発しますよ!馬車は揺れますので、酔いやすい方は……我慢してください!」


……おいおい。なら言うなよ。


文化的な関係上、酔い止めなどといったものはない。酔い止めの魔法くらいあってもいいだろうと思わなくもないが、それこそ好都合すぎて違和感を感じそうだ。

魔法は神々が作ったのものと言うテンプレに矛盾することになるしな。神は酔わないし。


(まあ、俺は酔わないからいいが)


船酔い、車酔いにめっぽう強いのだ。移動中に読書やゲームをしてても全く酔わなかったのだ。よく華凛から羨ましがられた。……そう言う華凛も酔いには強い方なのだが。


「…………うっぷ」

「ん?どったの?」

「……いや、別に……」


あれれ?おかしいな。気持ち悪くなってきた。いや、しかしだな、これは酔いではない。そうに決まっている。

顔が次第に青くなっていき、身体が重くなっていく。それに耐えられず、思わず寝転がってしまう。それを不思議そうに華凛と水緒が見ているが無視した。


「………うっぷ」


少し目をつぶれば違うかななどと思って目をつぶる。

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